国立大学職員日記
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 ところどころでニュースになっているように、平成19年人事院勧告を受けて国家公務員の給与引き上げが行われています。当然国家公務員の給与に準じている国立大学の給与も引き上げが行われるのですが、昨日その件に関して職員各位へのお知らせ文書が配布されました。それによると改正点は主に次の4つのようです。

①若年層にかかる本給月額の引き上げ。
②配偶者以外の扶養親族にかかる扶養手当の引き上げ。
③地域手当の一部引き上げ。
④勤勉手当の引き上げ。

 まず②に関して、独身一人暮らしの自分にはあまり関心がありませんが、「子ども一人につき手当てが500円上がるよ」くらいの理解でいいみたいです。

 ③に関しても自分のもらっている地域手当とは関係がないようですが、これはおおよそ0.5%あがるようです。

 ④に関しては全職員に影響があります。期末・勤勉手当を併せて年度で0.05月分引き上げ。これで期末・勤勉手当は年度合計でおよそ4.5月分もらえることになりました(引き上げは勤勉手当に充足されるので、正確には勤勉手当の引き上げと言えます)。
 0.05月分と言われてもピンときませんね。平成19年度国立大学事務職員の初任給(大学4年制新卒採用1級25号給170,200円)で計算してみると0.05月分は8,510円になります。あ、結構上がってますね。年度合計でこの金額なのですが、今年度の夏の勤勉手当はもう支払い済みなので、今年度に限り、冬の勤勉手当だけで0.05月分引き上げられるそうです。来年度からは夏・冬併せて0.05月分なので、単体では4,000円ちょっとの引き上げということになりますね。

 そして個人的に一番関心の厚い①。若年層にかかる本給月額の引き上げです。配られた給与表によると、引き上げが行われるのは1級から3級の低い号給の部分。詳しく言うと1級なら1号給から68号給、2級は1号給から36号給、3級は1号給から16号給のようです(給与表は就業規則に基づいて国立大学ごとに作成されるものですが、内容はおそらく全大学共通かと思います)。
 引き上げ額はその級と号給によってマチマチのようです(多分なんらかの法則性はあるのでしょう…)が、自分と同じように大学4年制新卒採用で今年度2年目の勤続者が多くいるであろうあたりの給料はおよそ2,000円の引き上げとなっています。まぁ感覚的には1号給分昇給したというところですね。ちなみに自分は昨年2号給しか昇給していないので、1号給分だけでもかなり嬉しかったりします。
 あと一つ驚いたことがありました。この本給月額の引き上げなんですが、なんと平成19年4月分まで遡及して適用されるんですね。つまり2,000円×9ヶ月で18,000円が12月の給料に上乗せされるわけです。う~ん。地味に嬉しい。


 以上の改正点は主に給与にかかる部分のみです。労災関係や育児休業関係でも快晴があったようですが専門外なので割愛します。

 最後に一点。国家公務員の給与引き上げに関してはほぼ全てのニュースで否定的な意見を目にします。自分は国家公務員ではありませんが、それに準じた給料をもらう身分なのでこれらの意見に関してあまり個人的な感想を述べれる立場にはありませんし、報道されるニュースを真摯に受け止め、国民の理解が得られるよう努めて勤めていくくらいしかできません。
 しかし一言言わせていただくなら、給料引き上げによって得られるメリットが全くないとは自分にはどうしても思えません。正直な話、自分は今回の給料引き上げが素直に嬉しく、他の職員も同様であると思います。そうであるなら、業務に対する職員のモチベーションの上昇は期待できるはずです。
 また、素直に嬉しく思うとは書きましたが、今回の給料引き上げが世間からどう写るか意識していない職員はごく少数でしょう。今回給料が引き上げられた多くの職員は、「これでまた国立大学(または国家公務員・独立行政法人)への風当たりが強くなるな」と自覚しているはずです。望むらくは、こういう意識が自ずと業務に臨む姿勢を引き締めることにつながることです。
 以上二点は否定的意見の反論というよりは、今回の引き上げを受けての自分自身の反応かもしれませんが、当事者の一意見として参考にしていただければ幸いです。

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