国立大学職員日記
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 知られているようで知られていないのかも知れませんが国立大学の事務職員は国家公務員ではありません。なおかつ、厳密には狭義の独立行政法人職員にも当てはまりません。では国立大学職員は何なのかと問うと、結局「国立大学職員は国立大学法人職員なんだ」といういまいちピンと来ない返答を得ることになります。

 そんな国立大学職員ですが、社会保険関係では文部科学省共済組合に所属しているため、共済組合上は国家公務員扱いになります。また、文部科学省共済組合を含み、他の国家公務員系共済組合の連合組織でもある、国家公務員共済組合連合会にも所属しています。一般人には耳慣れない組織かも知れませんが、略称である「KKR」ならどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?実際「KKR」が運営し、頭に「KKR」の名がつく宿泊施設は全国あちこちにあります。時間と暇がある方はgoogleで検索してみてください。

 前置きが長くなりなりましたが、国立大学事務職員になるとKKRの各種サービスを利用することができるということです。もっとも多い例は年金相談などでしょうが、KKRはその他の福祉事業として病院や宿泊施設の運営にも携わっています。そんな中で一際目を引くサービスがあります。それが「KKRブライダルネット」です。

 「KKRブライダルネット」とは何か?早い話が、KKRによる国家公務員の結婚斡旋所(あるいは結婚斡旋ネットワーク)です。厳密には国家公務員以外の人間も利用できますが、国家公務員を中心に据えて出会いの場を提供するサービスのようです。

 ここからは個人的な感想になりますが、初めてこの存在を知ったときはなんだか妙に笑えました。別に馬鹿にしているという訳ではないのですが、「国家公務員共済組合連合会」なんて至極堅苦しそうな名称の団体がその構成員の愛のキューピッドをやろうという、そのギャップがなんかツボに来てしまったんですね。

 ちなみにこういう公立系の事業というとやや野暮ったいイメージが無きにしもあらずなんですが、公式サイトを覗いてみると意外と小洒落ていていい感じです(運営を民間委託しているせいもあるのでしょうが…)。結婚をまじめに考える国家公務員なら「ちょっと試してみようか知らん」という気分にもなるのではないでしょうか?実際に結婚まで至った例もあるようです。

 まぁそんな訳で、今回は国立大学職員になったら受けることの出来る意外なサービスを一つ紹介してみました。結婚とまでは行かないとしても、こういう国家公務員の業務外でのネットワークを作る試みにはなかなか興味をそそられました。なんなら国家公務員専用のソーシャル・ネットワーキング・サービス(mixiみたいなやつ)なんかも作ってくれないでしょうか?意外と盛り上がりそうな気がするんですがねぇ…。

P.S.大学職員(私立・国公立問わず)のソーシャル・ネットワーキング・サービスは既にあるそうですね(こちらのサイト)。春もおだやかに日本を覆う今日この頃、「誰か招待してくれないかなぁ…」なんてことを密かに思っている自分なのでした。

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 異動ネタをもう一つやります。

 通常「異動」と言えば部局が変わったり課が変わったりするものが一般的ですが、中にはキャンパスの外に出る「異動」も存在します。多いのは他大学への出向ですが、文部科学省所管の独立行政法人への出向なども珍しくありません。若手職員の場合、希望すれば文部科学省(職員は「本省」と呼びます)へ1年間の研修にである場合なんかもありますし、民間会社に研修にいく場合もあるようです。

 そんなキャンパスを飛び出しての異動にはもちろん「引越し」という作業がともなうわけで、金銭的な出費は免れえません。そこらへんを相互互助するのが「餞別」という習慣です。実際に引越しを伴う異動をした同期に聞いたところ、大学を離れるというわけでお世話になった係などに挨拶に行ったときに「餞別」と書かれたのし袋を渡されたそうです。最初に渡されたときはてっきり個人的なご好意からいただいたのだと思ったらしいですが、挨拶回りをすると会う人会う人ほぼ全員から餞別をいただき、結局20個ちかいのし袋が手元に集まったとの話です。ちなみに金額に関しては全員一律に3,000円で、渡す方も手元にあらかじめ5~6通の餞別を用意しておいてるものとのことでした。

 ネットで調べて見ると、これは国立大学や公務員関係に限ったことではなく、広く社会一般で行われているみたいですが、そういうことを知らなかった同期の職員は「そういう習慣があるなんて知らなかったよ」と言ってましたし、かくいう自分も話を聞いて初めてそういうことをするものなんだなと知りました。

 ちなみに、引越しを伴う異動を命じられた場合、業務上の命令から引越しという出費を伴う行為をしなければならないので、大学(あるいは出向先)から手当金が支給されるそうです。同期の言うところによれば大体9万円くらい出たとのこと。また出向中も出向先の地域によっては「特地勤務手当」と「特地勤務手当に準ずる手当」が出るので、給与的には引越しの伴う異動をすると年収が少し上がるそうです。某独立行政法人に出向した先輩も、「出向すると金が貯まるぞ?」と言ってました。

 話が少しそれましたが慣れない土地に赴く人への励ましに職員相互で金銭的補助を出すってのもなかなか乙な習慣ですね。自分も将来は職場異動する後輩に「元気にやってこいよ!」なんて一言と共にクールに餞別を出せるようなカッコいい先輩職員になりたいものです。

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