国立大学職員日記
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■はじめに
 100年に一度と言われる今回の不況。知ってのとおり人事院もこの動きを見越して2009年5月に臨時勧告を出しました。曰く、2009年6月のボーナス(期末・勤勉手当)は0.2ヶ月分を削減。基本給が19万円くらいの自分にすると3.8万円分低くなる訳です。定額給付金を2回もらっても補えない削減分…。国立大学事務職員が不況をその肌で感じた貴重な瞬間かもしれません。
 しかし削減されてしまったものは仕方ありません。気を取り直して進みましょう。
 人事院勧告が0.2ヶ月分の削減を勧告しましたが、それは一体どのような形で我々末端の国立大学事務職員のボーナスを削るのでしょうか?今回は図表を中心にして期末・勤勉手当の簡単な仕組みと2009年6月に取られた措置、それに自分が受けたここ数年のボーナスの額の変動をまとめて見たいと思います。


■期末・勤勉手当の仕組み
 期末・勤勉手当については過去のこのエントリーで書きましたが、今から読み返してみるといかにもお粗末な感じ。そこで今回は役職加算などの部分も含めて期末・勤勉手当の全体像を描いて見ました。まずは下の図をご覧下さい。



 一般の事務職員であればこの図表が期末・勤勉手当の全体像を示しています。都市部で働く国立大学事務職員さんであれば地域手当が算定の基礎となる部分に反映されるかと思いますし、ご家族のいる職員さんも勤勉手当の方で扶養手当が算定の基礎となる部分に反映されている訳です。
 勤勉手当では6月と12月で違いはありませんが、期末手当では12月は6月に比べて0.2ヶ月分多く支給されることになります。このことはこの後下にしめすグラフにもはっきりと現れており、12月の手取り額は必ず6月よりも多くなっているのが分かるかと思います。
 ちなみにこの図表で示したものはあくまで2008年度末の状態のものです。今回のように引き下げの勧告などがなされるとその調整が行われます。では上の図表の一体どの部分が変わるのでしょうか。変更部分を朱書きした下のグラフをご覧下さい。



 このように、支給目安に変更があった場合は勤勉手当であれば「成績率」、期末手当であれば「支給割合」部分が変更されます。今回では期末手当で0.15ヶ月分、勤勉手当で0.05ヶ月分、併せて0.2ヶ月分がキッチリと削減されています。期末手当の12月分に関してはまだ通知文が来ていないので朱書きを加えていませんが、恐らくここも今年度は0.2ヶ月分から0.25ヶ月分の削減となるのでしょう。


■過去の動向から見てみる
 簡単ではありましたが、今回のボーナスが昨年度に比較して0.2ヶ月分削減されたことがお分かりいただけたと思います。では具体的にはどのくらいの金額が削減されたのか。またこれまでもらってきたボーナスに比べてどうなのか。過去5回分のデータを元に、いかに今回のボーナスが「低い」ものであるかを図表で表して見たのが下の図です。



 2006年6月は就職して最初のボーナスのため、期間率が1.0に満たなく、額が少ないので除外しました。その上で手取り金額を四捨五入して数字を書き入れてみたのですが、結論から言って今回のボーナスはこれまでもらってきたものの中で最も低い額面であることがハッキリした訳です。
 率直な感想として、これまで年を跨ぐ毎に基本給があがり、ボーナスも6月と12月で差はあるものの基本的に右肩あがりで給料をもらってきた身分としては「給料が前に比べて下がることなんてあるのか!」とちょっと贅沢な驚きを隠せませんでした。民間では当たり前の感覚なのかもしれません。そういう意味では今回の引き下げと、それをいち早く察して臨時勧告を出した人事院の措置は割合妥当なものだったのかなと思います。特に人事院の臨時勧告が無い場合は12月のボーナスで年間支給割合の調整をすることになったと思うので、最初は「出すものを減らす時だけいち早く行動しやがって」と皮肉っていた臨時勧告も痛みを二等分して与えると言う意味では国立大学事務職員にとって恩恵的とさえ言える措置だったと今では思っています。


■終わりに
 額面こそ低くなってしまった今回のボーナスですが、内需拡大のためには使ってこそなんぼです。貯金する分はキチンと貯金した上で、日ごろ欲しがっていたものでも買って仕事の鬱憤を晴らすと同時に民間分野に金を落とすのが、税金から給料をもらう身分の人間の務めかと思います。最近は景気の悪化も底を打った感じが出てきたので、来年度の人事院勧告は案外上方修正となるかも知れません。そんな淡い期待を抱いて、とりあえず欲しいものリストの中から今回のボーナスで買うものを選んで行こうと意気込む今日この頃です。



※追記:図表において「期末手当」と「勤勉手当」の表示が逆になっていました。正しくは「支給割合」があるほうが「期末手当」で、「成績率」があるほうが「勤勉手当」です。いつか時期を見て修正しようと思いますので、それまでの間は混同しないようにご注意ください。



※平成22年12月5日追記
期末手当と勤勉手当についてまとめなおしましたので、こちらもご覧ください。
期末手当と勤勉手当について

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