国立大学職員日記
メインコンテンツ
国立大学職員日記:記事一覧




 自分のいる部署では毎年この時期になると「救急薬品希望調書」という書類が配布され、そこに示されている限度額まで家庭用医薬品をもらうことができます。ただこの救急薬品の支給、文部科学省共済組合の福祉事業の一環として行われているのだろうことは間違いないと思うのですが、「共済のしおり」や文部科学省共済組合のサイトを探してもそのようなことを行う旨の記載がありません。また、大学によっては行っていないところもあるようで、いまいち詳細がはっきりしない制度です。この分野で詳しい方がいらっしゃいましたらコメント欄への書き込み方、よろしくお願いします。

 ページ下に医薬品等のリストを一覧にしてみました。リストの中にはよく広告などに見かけるメジャーなものも多いので、個人的にこの制度は結構重宝しており、とりあえず1年分のかぜ薬なんかはこの時に注文することにしています。またリストの中にある「救急箱」を選択すると「文部科学省共済組合」のロゴが記載された救急箱をもらうことができます。これをもらうことができるのが国立大学事務職員の他には本省(文部科学省)と文部科学省管轄の独立行政法人の職員のみと考えると、ちょっとしたレアアイテムかもしれません。外見はちょっと昭和テイストただよう感じがしないでもないのですが…。





 以下、医薬品等のリストです。「1ポイント=1円」なのかどうかは分かりませんが、合計で10,500ポイント分選択することができます。自動血圧計あたり結構欲しかったりするのですが、選択するとそれだけで全ポイントを使ってしまいます。コレステロールや血糖値が気になる今日この頃、いつか機会があれば注文したいものだなぁとリストを見る度に思ったりしています…。

メーカー名品名ポイント数
エスエスイブA錠788
ライオンバファリンA473
大正パブロンS錠1323
龍角散龍角散トローチFL462
ゼファーマプレコール鼻炎カプセルA1470
大正大正漢方胃腸薬(微粒)840
興和新薬キャベジンコーワ1050
大幸薬品正露丸515
ビオフェルミンビオフェルミン止瀉薬735
大正製薬アイリス1019
ゼファーママキロンかゆみどめ液819
池田模範堂ムヒの虫よけ ムシペールアルファ780
ゼファーママキロンS472
大塚製薬オロナインH軟膏462
エーザイザーネクリーム504
小林ニューアンメルツヨコヨコ500
興和バンテリンコーワ1.0%クリーミィゲル998
ゼファーマ新フジパップ温感788
トクホントクホンハップ500
明治イソジンうがい薬380
祐徳新カットバンA609
祐徳新カットバンA 伸縮布タイプ472
シチズン電子体温計1890
シチズン自動血圧計10500
ライオン冷却ジェルシート600
救急箱2730
その他セット3180


コメント ( 14 ) | Trackback ( 0 )




 2009年あけましておめでとうございます。本年も凡骨な国立大学事務職員が自身の視点から見た国立大学行政の一端を、拙い文章にまとめてエントリーを重ねていく所存でございます。もとより微力ではありますが、現職の国立大学事務職員やこれから国立大学事務職員を目指す方々の理解の一助となれば幸いです。


■平成21年1月1日における昇給について

 さて昨年と同様、本年最初のエントリーも昇給についてです。というのも、前のエントリーでも記したとおり、国立大学事務職員にとって元日とは新年と並んで昇給を喜ぶ日でもあるからです。昇給の原則と、その例外としての昇給抑制期間については以下に記すエントリーに書きましたので、そちらを参照いただきたいと思います。

  ・昇給の原則について:あけました。昇給です。
  ・昇給抑制について:昇給抑制期間とは何なのか?

 以上二つを踏まえた上で、平成21年1月1日における昇給号数は次のようになります。

成績区分良好でないやや良好でない良好特に良好極めて良好
昇給号数
人員分布率該当事由があれば75%20%5%


 さてこれで昇給する号数については記したのでこのエントリーはこれでお終い、というのでは以前書いた文書の使いまわしに過ぎません。今回はもうちょっと具体的に、これらのルールにのっとった上で国立大学事務職員の基本給はどういう金額になるのかを調べて見たいと思います。


■本給表や俸給表について

 基本給を調べる上でもっとも単純かつ明確な方法は、各大学の「給与規定」に別表としてついている「本給表(俸給表)」を参照することです。「本給表(俸給表)」は一般に、横軸に「級」、縦軸に「号」を備え、想定される基本給のあらゆる場合を網羅しています。昔はこのような表にない、「枠外昇給」なんてものもあったのですが、現在その制度は廃止されています。そのため、全ての基本給は「本給表(俸給表)」に掲載されており、ここに掲載されていない基本給をもらうことは無いことが明示されています。
 この「本給表(俸給表)」についてもう少し補足説明をします。基本給は「本給表(俸給表)」上のものが適用される旨書きましたが、事務職員と教員、もしくは大学病院の医師・技師・看護師はそれぞれ違った種類の「本給表(俸給表)」を持ちます。これらの「本給表(俸給表)」は名称が統一されていない(そもそも「本給表」と「俸給表」の部分すら統一されていない)のですが、大体の場合、事務職員は「一般職俸給表(一)」とか「一般職基本給表(A)」という名称がつきます。教員であれば「教育職」、医療従事者であれば「医療職」の「一・二・三」が各々「医師・技師・看護師」に対応するのが一般的です。これらの対応は国家公務員時代のものを引き継いでいるために、多少の名称の違いこそあれ、国立大学であればかなりの類似性を持っている訳です。また、どの職種がどの「本給表(俸給表)」に対応するかの最終的な判断は、未だに人事院規則を「準用」する形で定められていたと思います。その内容について知りたい方は人事院規則九―二(特別俸給表の適用範囲)を参照ください。
 ちょっと余談となりますが、国家公務員時代に国立大学事務職員は行政職俸給表(一)の適用を受けていました。そのため給与関係の部署にいた職員さんは現在でも事務職員に適用される本給表をよく「ぎょういち[行(一)]」と呼んだりします。個人的にも「いっぱんえー」とか「いっぱんいち」より語呂が良いし、「ぱんえー」や「ぱんいち」ではなんだか格好悪いのでよく使ったりしています。ちょっとした国家公務員時代の遺産みたいで面白いですね。


■本給表(俸給表)の具体的な金額について

 さて肝心の「本給表(俸給表)」の話に戻ります。名称は微妙に違いますが、その内容、つまり、例えば「△級□号級の金額」については全ての大学でほぼ同じ(とは言ってもさすがに全大学は調べられませんでしたが)であり、またこれらは国家公務員の俸給表とも同じであり、さらに国家公務員の俸給表の改正に合わせて同じように改正されているのが現状のようです。一見は百聞に如かず。実際の金額を下に一部抜粋してみました。
一般職(一)本給表
1級
25号172,20029号178,80033号185,800
26号173,90030号180,60034号187,300
27号175,60031号182,40035号188,800
28号177,30032号184,20036号190,300

※全金額を見たい場合はこちらから(参考にした東北大学の給与規定別表になります)

 以上の部分を抜粋したのには訳があります。
 各大学や大学法人等職員採用試験の案内には初任給について「約17万~20万円」という記載があります。実は初任給に関し、新卒者であれば1級25号と相場が決まっていて、後は職歴があった場合の加算などを考えて上のような記載となっているのです。本給表上の1級25号は17万2200円ですので、記載内容と合致しています。そして基本給の位置が分かれば、その後の昇給に合わせた金額をある程度算出できます。


■昇給をシミュレーションしてみる

 まず昇給抑制が行われていない場合、4月1日採用の新卒職員は最初の昇給日(1月1日)に3号、次年度以降は4号昇給する(もちろん成績区分がよければ数字は変動しますが、多くの場合、最初の数年は「良好」の区分になります)ので基本給とその金額は次のように変動します。また、期末・勤勉手当を年4.5ヶ月分支給すると仮定した場合の、昇給による年収の増加金額も記します。年収に関しては手当の基礎となる金額の算定方法や、支給割合が年毎に異なるなどの変動要素が多いので、あくまで「現時点」における「最低増加金額」であることを了承ください。加えて、これらのモデルはケースバイケースで決定される基本給について極限まで単純化してあることにご注意ください。

通常の場合
回数初任給1年目2年目3年目
号数25号28号32号36号
金額172,200円177,300円184,200円190,300円
年収-+84,150円+113,850円+100,650円


 次に昇給日の全てが昇給抑制期間にある場合。つまり自分と同じく平成18年4月採用者の昇給の場合です。4月1日採用の新卒職員は最初の昇給日(1月1日)に2号、次年度以降、平成22年の昇給までは3号昇給します。
昇給抑制期間にある場合
回数初任給1年目2年目3年目4年目
号数25号27号30号33号36号
金額172,200円175,600円180,600円185,800円190,300円
年収-+56,100円+82,500円+85,800円+74,250円


 実際、自分はこのシミュレーション通りに昇給しました(初年度のみ、当時の1級25号が現在の172,200円ではなくて170,200円でしたが)。また、まだ通知は受けていませんが、もし平成21年1月1日における成績区分が「良好」であるなら1月からの基本給は185,800円となるはずです。


■まとめ

 以上、昇給について、昨年度の補足説明と合わせて具体的な金額に触れてみました。基本給というと各種手当に比べていまいち地味な印象がありますが、なんだかんだ言っても収入の根幹たる重要な部分です(参照:平成19年度年収の詳細を調べてみた。)。その基本給について、あらかじめ昇給が予測でき、なおかつ昇給した後の金額が明示されているのに、ネット上ではいまいち本エントリーのようなシミュレーションを見なかったので、今回のエントリーは国立大学事務職員含め、国家公務員Ⅱ種での採用を目指す方などにとってちょっとした情報提供になるのでないかなと自負しております(そうでも思わないと年末休暇中に資料をこねくり回してこのエントリーを書いた甲斐がないので…)。
 あと、ちょっと愚痴っぽくなりますが、昇給抑制期間に昇給した職員は、それ以外の職員に比べて、「勤続4年目で1年分」昇給が遅れていることが判明してしまいました。まぁ昇給が抑制される以上当たり前の現象なんですが、具体的数字ではっきり明示されるとなんとも複雑な気分なもので…。自分で調べておいて何ですが、ちょっぴり調べなければ良かったなと思わないでもないです。

コメント ( 22 ) | Trackback ( 0 )