要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

月次報告する意味。

2010-10-13 12:41:48 | 投資日記
バリュー投資家(と思われる)のブログを45個ほど観察している。

その中で結構な人数の方が月次リターンの報告を行っている。さて、これは意味のある事なのだろうか。不快に思われるかもしれないが、あえて言う、全く持って意味が無い。バリュー投資の様な純ファンダメンタル投資をベース戦略においた投資で市場の変動をイチイチ気にするのはナンセンスである。同様に、四半期決算の動きに踊らされるのもまたナンセンスである。私みたいな人間は失敗した時に逃げ遅れる事が確実だが、あえて言えば、過敏になる必要はない。根本的な問題がそこで起こっているのであれば問題だが、イチイチ数%の変動幅に神経とがらせても仕方が無い。そんな事を考える暇があったら大局的に今後ビジネスがどうなるのかとか、もっと根本的な事を考えるのに時間を使うべきだ。

後、投資に上手い下手も無い。そう言う技術的な問題ではなく、根本的な理論の問題で何かが破綻しているからこそ、想定外の大損害を被る。しっかりとした破綻の少ない理論をもって動いていれば、例え大損害を被ったとしてもそれは想定内に収められる。だからこそ、可能な限り破綻の可能性を洗い出し、その可能性を潰していく事こそが投資なんじゃないかと思う。そんな私の投資も穴ばかりですけどね。

後、すべからく大事なのは実質利益(ルックスルー利益)及び直接還元利益のみである。これが現時点でどれだけあり、これからも安定的に継続or成長していく事が大事なことであり、それ以外は枝葉でしかない。

ルックスルー利益と直接還元利益(自社株還元&配当還元)のどちらが良いかと言えば明らかに後者。前者は取り出しの効かない仮の利益も含んでいるから。銀行で言えば前者が自己資本、後者がコアTier1みたいな扱い。全然別格。格付けで言えば前者はBBB-、後者はAA位。ルックスルー利益は2次元の利益です。画面の中からは飛び出て来ません。

静的分析vs動的分析

2010-10-13 12:33:46 | 投資日記
静的分析と動的分析、どちらがより重要かと言えば後者。

単年度の財務諸表を見ただけでは意味が無い。少なくとも5年間の過去の動きをみる必要がある。出来れば、10年位の企業の業績推移を知っておきたい。その後、どういう風に企業がなるかを想像する。得られる情報は直近の財務情報だけだ。そこから想像するのは、妄想の域でしかない。ただし与えられた情報からどう言う条件がその企業にあるかが分かる。この時点で、少なくとも輝かしい未来が見えなければ投資の対象にはならない。特に低利益率、劣悪な財務、安くない株価、ぶれる業績、新技術や政府の介入、過当競争、、こう言う条件がついた時点で、バッドを降ってはいけないと思う。明らかにスルーすべし。因みに世の中に存在する企業の約85%は上記に該当する。

R&Dに関して

2010-10-13 09:51:55 | 投資日記


研究開発費は悪であると言う話を聞く。投資においてはこの率が少ない所を選べと著名な投資家の本に書いてあった。実際はどうなのだろうか?

確かに研究開発費が無いに越した事はない。これが無いだけで品物を安く提供できる。しかし、同業他社も同じような状態であれば同じく原価が底上げされる為、特に問題はない。産業全体の需要が少々減るだけである。

むしろここで問題視されるのはその存在と言うよりも、不確実性の方が高いのではないか。特に、技術に根差した高収益企業が、別種の技術屋が参入してきて、コストの大幅な削減を迫られる場合などは本当に死活問題のように思える。数十キロの重りを付けて格闘しろと言われているようなものだからね。例えば、今で言うカーナビ市場とか?グーグルアースの底力で全滅の危機に瀕しているとかいないとか。。

でもこんなことって滅多に起こらないんじゃないのか?特に、技術開発自体が比較的短期に終わる企業で尚且つ費用を通年の売上の中で難なくこなせる企業であればなおさら。まぁ確かに売上が減り始めたからといって研究開発費を削るわけにはいかないが、十分なほどに研究開発費が小さく、技術革新の速度が遅ければ対応は可能のように思える、あ、と言う事は研究開発費が無い方がいいのか。。。

この意味で言うと、技術屋と言うのはフォーマットさえ決まっていれば後はどれだけ研究開発費を割けるかで大きく製品のクオリティを上げる事が出来るって事になりそうだな。特に年率で凄い勢いで革新が進むチップメーカーなんかはこの類なんじゃないのだろうか。だってリソースの集中化(&効率使用化)により技術革新1単位における投資額は低く抑えられるわけだし、その技術自身が旧製品に比べて格段に高い性能を持っているわけだから、性能単位当たりで同額で取引されたら新製品は物凄い高値で売れる事になる(もしくは旧製品が物凄い安値で取引される)。さらに、研究開発費はこれからかかるコストではなく、既に支払ったコストと言う意味合いが強い。だから売上が増えれば増えるほどに希薄化されていく。この為大きな商談を取りに行く際に大幅な値引きが可能となる。この点で、大企業同士が価格競争をした場合、例え彼らが黒字でも研究開発に余裕のない弱小企業は赤字になる。

これは特にコモディティ商品の場合にみられる現象。何か差別化を取って市場に受け入れられていればこの競争に呑まれなくて済む。でも所詮は技術。客が欲しいのは技術ではなくそれによる効用なので技術革新によってすぐこの差別化戦略も無効になる可能性が高い。

勿論、技術力による参入障壁がいつも薄いと言うわけではない。ファナックやキーエンスなんて物凄い高い参入障壁を持っている。だから一概に技術が駄目と言うわけではない。。でも、不確定性は大きいね。技術転換の波に乗り遅れたら一発でアウトだろうなぁ。次回も同じベストポジションを確保できるとも断言できないしね。

ただ、いかように考えても固定資産の方がよっぽど危険な資産であるように思える。まぁ、一つの参考指標として見る位でいいのかなぁ。相当、売上に占める比率が高くない限りは問題はないでしょう。


Regarding the expense of R&D

Investors should care about the R&D expense because the company for investment might acquire the competitiveness from this point. the competitiveness from technology is likely fragile in comparison with other kind of business model because technologies are always going to obsolete and ease to be alternated. Even if the technology faces to big wall that blocks to the advanced competitiveness, company should pay for it. The competitors also can catch up with them at short time with support from technological enhancement in chip layers.

The stability of business is important in considering about investment. The simpler business is, the better to invest due to the visibility of the prospect. The technology is really usable, however, has the potential to destruct the business and change the long standing rule more than we realize. There are other bad points for technological matters. The R&D expense would not be called in. In short, the payment might become sunk cost. In general, the expense is installed in the initial cost on product. We should care about the share. What is more, they cannot easily erase it. The cut of expense will greatly plunge the sales if the technology has high speed product cycle.

Technology makes productivity increases. In this regard, it is the most competitive point we have than other creatures on earth. However, for investor, it is not so much. Certainly, it gives company great power to conquer industries in short term, but the opposite situation is easily occurred. Every industry has technological advance even in agricultural field. New waves fill the market and the old methods are abolished sooner or later. If we could not overcome this wave, this is the time to be dead. Be friendly with any kind of technology, but don't own it. what we need for good investment is not technology but profitable and stable scheme of business.

バリュー投資の落とし穴

2010-10-13 09:00:34 | 投資日記


実際にバリュー投資は儲かっていたのか。これを統計的に表わしたいと思う。が、残念な事に新ジャスダック市場誕生のせいで情報源のサイトがバグってしまい、統計取れず…。なのでバグが治ったら実施したいと思う。

それとは別に、バリュー株の個別銘柄の推移をみてみた。特に2003年~2006年頃はバリュー投資全盛期であった為、豊富に資料がある。推奨銘柄等もある為、有名ブロガーの記事何かをみると比較的簡単に何がバリュー銘柄とされていたのかを知ることができる。で、バリュー投資の候補銘柄をつぶさに観察してみた。

その結果、全体として株価は下落。収益は赤字転落or減収、貸借対照表はほとんど変わらず、と言う状態。株主還元性向も低い。まぁ、結局の所、儲かっていなかったと言う事。確かに景気動向は大きな影響はある。が、高いリターンでそれをカバーできるはずでは無かったのか。で、後から見るとこの有様である。

当時、バリュー株は上昇していた。大半の投資家は“株価上昇=価値が見直された=真理”と言うセオリーを持っていたが、結局の所、単なるバブルであった可能性がすこぶる高い。バリューによって利益を得る(市場性を排した利益で高利益を得る)のではなく、市場頼みのリターンに溺れてしまったと言う事であろう。経典は良かったのだが信者はしっかり理解せずに読み違えていたと言う事か。何か宗教みたいですね、そろそろイスラム教が誕生する頃ですかね?改竄と捏造が繰り返された聖書(バリュー本)ではなくコーラン(新バリュー本)を読みなさいと!そろそろアッラーが誕生し始める頃ですかね?ネット上のどこかで産声を上げているかもね。

でも、バリュー投資の意義が薄れてしまったのかどうかと言われればそんな事はないと思う。バリュー投資で言われる低PER性や低PBR性はファンダメンタル投資を行う上で非常に重要である。いわば投資における必須条件である。でも十分条件ではない。例えば、下記の様な事態が古バリュー時代(2000年代前半)には散見される。


①低PERでも低収益性/低安定性/低耐久性の場合、PERは意味をなさない。
⇒外部要因に対して脆弱なビジネスは簡単に減益&赤字転落する。
⇒高PER銘柄となってしまう。

②低PBR銘柄でも低収益性/低安定性/低耐久性の場合、PBRは意味をなさない。
⇒生きた化石。いや、半分死んでいるか。。

③増収増益銘柄でも一時的なものであった場合、意味をなさない。
⇒特に利益率の低い銘柄はVARがすこぶる高い。だから簡単に増益する。
⇒同じく、簡単に減益もする。


当時のバリュー投資はセオリーが破綻していたとしか言えない。私もその一人だった。年率30%程度は普通に出せるだろと思ってた。おそらくバリュー投資自体は、あそこでバブル的な盛り上がりが無ければもっと成長していたと思う。株価成長と言う並の中で有能なバリュー投資家が何か勘違いをしてしまい、いつの間にか暗黒時代に突入し、腫れ物に触るような事態になったのではないかと…。人間だれだって失敗はする。大事なのは失敗した後に何を学ぶか、そして同じ失敗を繰り返さず、その他関連する失敗因子も取り除けるか、と言う事であろう。

修正バリュー投資が次のスタンダードになるでしょう。その際、脱市場性が一つの肝になる。PER一定の条件下でどれだけ利益が得られるのか、株価一定の条件下でどれだけ利益が得られるのか、とか、とにかく市場性を排除して考える事が大事。

そもそも株とは転売の為にあるものではない。他の材と同じように、所有から来る利益の為に存在する。株の場合は所有して利益を得る事。即ち資本増殖機能を得る事。この機能は市場で転売するしないに関わらず、株券本来が持っている機能である。この機能を最大限得る事に尽力する事が必要である。