要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

利益率の低い企業が高成長していた場合、要注意。

2009-11-18 23:56:57 | 投資日記
利益率の低い企業が高い成長率を示していた場合、要注意。その成長率の根源は借入金か増資から来ている可能性が非常に高い。

資本が年間5%しか増加しないのに企業が20%も増加していたらおかしいと思うべきだ。資本の成長がないのに企業が成長していたら他人資本がどんどん入り込んできている事を真っ先に疑ったほうがいい。

IPOしたての企業がすこぶる元気がいいのは十中八九この為だ。新しいカネが手に入ったからこそあの高い成長率が可能になる。燃料を手に入れたらその分だけ走れる。燃料が切れたら終わり。その事業に見合った成長しかできなくなる。

その点で高収益企業は非常に有利だ。早いペースで資本がどんどん増殖していくから自己資本のみで高成長を維持できる。本物と偽物の違いってやつですかね?

借入金を返す企業のリターン。

2009-11-18 22:51:31 | 投資日記
借入金を返す企業のリターンはすこぶる低いです。借入金への返済は一種の投資だと考えれば合点がいきます。他人資本を自己資本へ転換するための投資です。

借入金の返済には二つのメリットがあります。まず財務体質の改善。ちょっとやそっとの不況ではびくともしない財務が手に入ります。次に借入金の金利支払いがなくなる事。年間金利は借入金の1%-2%程度ですが、これがなくなります。ありがたいことです。

そんな馬鹿な!

年間1%-2%の利益を取り返すためにわざわざ借入金を返済するなんてアホらしくないでしょうか?これが投資先だったらそんな旨みの無いビジネスに再投資するなとみなが言うでしょう。でも借入金の返済の場合はそうは言わない。誰も言わない。財務体質の改善。いざと言う時の為。しいていうなら皆の為。

ROAが5%に満たない企業で総資本に対する借入金比率が50%を超えていた場合、利益を全て借入金返済に充てても完済までに10年かかります。その10年間のリターンは年率1%-2%になるわけですね。

勿論余剰キャッシュがあれば利益から返済する必要はないでしょう。色々と事業に関係ないものを売れば金になるので、それで借入金返済もできるでしょう。しかしながら、通常はそういうわけにはいかない。余剰キャッシュは備えの為に保持する必要はあるし、物を売れば大抵簿価以下の取引になるから売却損が発生する。

これはただのゴタクではなく、実際に借入金の返済は非常に多くの企業が行っている事です。ただPERが低いからとかで銘柄を選んでいませんか?

もしそうなら一度その利益が何に使われているのかチェックしてみるべきです。借入金返済何かに充てられてたら今後数年間のリターンはほぼゼロだと覚悟したほうがよいでしょう。

ポートフォリオとコングロマリット

2009-11-17 22:06:13 | 投資日記
複数の銘柄に分散投資をし、ポートフォリオを構成する。

ポートフォリオにはコングロマリットとか、総合商社といった意味合いがあるんじゃないだろうか。企業を組み合わせて箱庭的な、仮想的な事業体を形成する。それがポートフォリオの本当の意味ではないだろうか。少なくともファンダメンタル投資家にとっては。

ファンダメンタル投資家としてポートフォリオを見た場合、単に分散投資によるリスク低減だけがポートフォリオの目的ではないのは明らかだ。

投資した株にはそれぞれ一株当たりの資産、資本、売上、原価、人件費、利益、配当額等、様々な情報が付随している。

投資先の株の情報を拾い上げて、束ねてみよう。そうするとポートフォリオの意外な一面が見えてくる。

例えば100万でいくつか株を買ったとしよう。その100万に対して、企業の資産は300万で、資本は200万、売上は300万で、原価は150万、販売管理費は100万で利益は50万、税金が25万で当期利益は25万、そのうち半分が配当され12.5万が銀行に振り込まれる。残りは内部留保。言葉で言っても伝わりにくいので、イメージ図を添付する。上の図を参照してください。

従来のポートフォリオはリターンとリスクの2次元でしか捉えられなかったのに対して、この見方によれば3次元、4次元へと面が拡大する。

このポートフォリオの面白い所は現実のビジネスに直接つながっている所だ。そこには日々のビジネスの流れが存在する。これが実に面白い。マーケットとは切り離された独自の、経営者としての見識が芽生える。

実際に経営に携わる事はできないが、それでも”パーシャルオーナー”の自覚は芽生える事、必死であろう。

ファンダメンタル投資はまだまだ投資を深く、面白くすると思う。

増資は投資家殺しの魔の手法。

2009-11-15 10:20:12 | 投資日記
最近増資がブームです。
倒産しかけている企業はまず増資に走ります。

増資がうまくいけば倒産せずに生きながらえる事が出来ますからね。経営者も従業員も取引先も銀行も皆安泰です。

まさにWinWinです。
投資家を除いてね。

増資ってのは投資家殺しの魔の手法だと思うんですよ。ご存知の通り増資は資本を増強する事です。

本来の使い方としては事業を拡大する際に用いられる手法です。借入のようなリスクは負わずに低リスク且つそこそこのリターンで拡大できる手法です。

その手法を倒産を防ぐ為に使用するとなると既存の投資家は真っ青になります。潰れそうな企業のPBRは軒並み0.3以下等です。

この状態で増資を行うとどういうことになるか。圧倒的に有利な条件で増資を飲み込まねばならないのです。

例えばPBR0.3の企業が増資をしたとしましょう。すると新参者に権益を3倍濃縮で提供しなければならなくなるのです。まるでカルピスですね。※もっとも、倒産寸前の企業の資本なんて減耗し尽して見る影も無いですが。

まぁ、これって物凄い状態です。
投資家にとってみれば半殺しです。


企業はある程度の信用があればこの不況も乗り切る事は出来るでしょう。でも、乗り切る手段に大規模な増資を持ち出したら投資は控えるべきです。企業が存続しても投資家には死刑執行をするような事ですからね。



因みにイメージ図は十字軍がコンスタンティのプールに遠征に来た時の図です。立場としてはこんな感じ?↓

既存投資家=市民
新参投資家=十字軍

市民(既存投資家)の富(資本、利益)を十字軍(新参投資家)が略奪(希薄化)しまくるわけですね。まぁもとはと言えば市民がだらしなかったのが一番いけないんですけどね。