要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

海運関連企業の分析、断念。

2010-10-07 18:09:00 | 投資日記


1年半前、海運関連の企業に投資を始めた。銘柄は川崎汽船と日本郵船。2008年の絶頂期から一転、金融危機の煽りを受けてBDI指数は数カ月で90%下落していた。いくら好調時からとはいえ、運賃が10分の1になるのは明らかに行き過ぎであったと思う。『ドライバルク船が1日30万で借りられるなら、結婚式パーティー何かに使ったほうがいい』そんな声もあった。

採算は確実に割っていた。ジムロジャーズよろしく、次に起こる事は海運産業が消えて無くなるか、運賃の回復のどちらかだろうと思った。当時、株の取引価格もかなり落ちており、最高期の4分の1程度の価格であった。ただしPBRは1倍程度であった為、割安であったとは言い切れない。しかしながら収益の面で言えば、最高期の利益で計算するとPERは3倍程度となかなかのお値段であった。『金融危機が崩壊した所で、世界経済から貿易が消える事は無い。3-5年後には今まで通り回復しているだろう』、と夢想をし株を購入した。

その後、日本郵船は増資を行い、今でも株は今損を含んでいるが、業績は力強く回復している。今後が楽しみである。中国は2020年までに貿易額を2倍に膨らませる事を目標としているらしい。最近は鉄鉱石の需要も伸びており運賃上昇が際立っている。老船の廃棄も進んで誠に良い。

でももう少し知りたいな、と言う事で定常分析をやってみた。で、結果は見事失敗。考えるべき項目が数十あり、それがまた密に絡まっている。さらにそれぞれの決定者が各々に意思決定をしていくから全く持って、今後どうなるか読めない。船の需給一つ取ってみても、耐用年数を少しずらすだけで船腹数がガラッと変わる、さらに運用する航路なんて何が何だか分からない。さらに船舶にサイズ、用途、使い回しの可否、その他使われていない船の係留数や馬鹿みたいに残っている船舶受注残何かを加味して考えろ何て言われたらもうアウト。これは投資家としては、いただけないが、どうしようもない。。。

当該企業の株はある程度安値で既に買ってしまっているし、足元の景気も悪くは無いから、このままホールドをする事とするが、それでも買い増しは躊躇する。暗闇で綱渡りしろと言われているようなものだ。。恐ろしくて出来やしない。。どう考えても、自分の戦う場所はもっと分かり易くて単純でなければならない。ピーターリンチの教訓を再認識した。結局分析と言ってもド素人がやる事に変わりがない。プロフェッショナルのようには出来ない。手持ちの情報も圧倒的に少ないし、思考も追いつかない。こんな状態で一般的な企業を買ったのでは金がいくらあっても足らない。

これからは分かりやすい銘柄に投資していこうと思う。

意外とあっさり産業は消えていく。

2010-10-07 09:03:42 | 投資日記
未来を予測するにはまず過去を知ることが大事。そこで重宝するのが統計情報。日本国勢図会はこう言う時に非常に便利。



いくら財務的に素晴らしい銘柄と言えど、次の10年にどうなるかは分からない。10年単位だと、産業が丸ごと消えていく。例えばテレビ用ガラス産業、液晶テレビの浸透と共に10年で跡形もなく消えつつある。二輪車も10年で市場は半減。繊維やセラミック関連も半分になった。こう言う業種には高収益企業もあっただろうが、もろとも消し去った形になる。政府依存の建設業者も10年で市場半減。10年で売上を50%落とすと言うのは、その間利益はゼロ、尚且つ特損を出し続ける事を意味している。誠に恐ろしい事である。

ましてや、ニッチで食っている中小企業(500億以下)の場合、それこそ数年でニーズが消える可能性すらある。ようするに、今後10年、投資先が投資資金と共に霧散する可能性が、思いのほか高いのではないかと思う。