実際にバリュー投資は儲かっていたのか。これを統計的に表わしたいと思う。が、残念な事に新ジャスダック市場誕生のせいで情報源のサイトがバグってしまい、統計取れず…。なのでバグが治ったら実施したいと思う。
それとは別に、バリュー株の個別銘柄の推移をみてみた。特に2003年~2006年頃はバリュー投資全盛期であった為、豊富に資料がある。推奨銘柄等もある為、有名ブロガーの記事何かをみると比較的簡単に何がバリュー銘柄とされていたのかを知ることができる。で、バリュー投資の候補銘柄をつぶさに観察してみた。
その結果、全体として株価は下落。収益は赤字転落or減収、貸借対照表はほとんど変わらず、と言う状態。株主還元性向も低い。まぁ、結局の所、儲かっていなかったと言う事。確かに景気動向は大きな影響はある。が、高いリターンでそれをカバーできるはずでは無かったのか。で、後から見るとこの有様である。
当時、バリュー株は上昇していた。大半の投資家は“株価上昇=価値が見直された=真理”と言うセオリーを持っていたが、結局の所、単なるバブルであった可能性がすこぶる高い。バリューによって利益を得る(市場性を排した利益で高利益を得る)のではなく、市場頼みのリターンに溺れてしまったと言う事であろう。経典は良かったのだが信者はしっかり理解せずに読み違えていたと言う事か。何か宗教みたいですね、そろそろイスラム教が誕生する頃ですかね?改竄と捏造が繰り返された聖書(バリュー本)ではなくコーラン(新バリュー本)を読みなさいと!そろそろアッラーが誕生し始める頃ですかね?ネット上のどこかで産声を上げているかもね。
でも、バリュー投資の意義が薄れてしまったのかどうかと言われればそんな事はないと思う。バリュー投資で言われる低PER性や低PBR性はファンダメンタル投資を行う上で非常に重要である。いわば投資における必須条件である。でも十分条件ではない。例えば、下記の様な事態が古バリュー時代(2000年代前半)には散見される。
①低PERでも低収益性/低安定性/低耐久性の場合、PERは意味をなさない。
⇒外部要因に対して脆弱なビジネスは簡単に減益&赤字転落する。
⇒高PER銘柄となってしまう。
②低PBR銘柄でも低収益性/低安定性/低耐久性の場合、PBRは意味をなさない。
⇒生きた化石。いや、半分死んでいるか。。
③増収増益銘柄でも一時的なものであった場合、意味をなさない。
⇒特に利益率の低い銘柄はVARがすこぶる高い。だから簡単に増益する。
⇒同じく、簡単に減益もする。
当時のバリュー投資はセオリーが破綻していたとしか言えない。私もその一人だった。年率30%程度は普通に出せるだろと思ってた。おそらくバリュー投資自体は、あそこでバブル的な盛り上がりが無ければもっと成長していたと思う。株価成長と言う並の中で有能なバリュー投資家が何か勘違いをしてしまい、いつの間にか暗黒時代に突入し、腫れ物に触るような事態になったのではないかと…。人間だれだって失敗はする。大事なのは失敗した後に何を学ぶか、そして同じ失敗を繰り返さず、その他関連する失敗因子も取り除けるか、と言う事であろう。
修正バリュー投資が次のスタンダードになるでしょう。その際、脱市場性が一つの肝になる。PER一定の条件下でどれだけ利益が得られるのか、株価一定の条件下でどれだけ利益が得られるのか、とか、とにかく市場性を排除して考える事が大事。
そもそも株とは転売の為にあるものではない。他の材と同じように、所有から来る利益の為に存在する。株の場合は所有して利益を得る事。即ち資本増殖機能を得る事。この機能は市場で転売するしないに関わらず、株券本来が持っている機能である。この機能を最大限得る事に尽力する事が必要である。