要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

使わないのであれば一緒。

2010-11-30 23:56:50 | 投資日記


私は資産のほぼ全てを株式に投資している。と言うのも、分散投資の強みと言うのを良く理解していないからだと思う。

色々なアセットへの分散投資のメリットはそれ由来の価格変動を最小化する事が出来る所だと思うが、その“変動を最小化する行為”にどんな意義があるのだろうか。思い付く限りで3つある。①急な出費が必要な時に十分な資金を維持できない可能性がある。②価格下落が心理的に耐えられない、③見込が外れた時の緩衝材としての役割。


①は自分の自己とか健康上の問題とか親族の不慮の事故系かそんな所だろう。医療系は健康保険に入っているので問題ない。医療費が高額になっても高額医療制度があるので最大出費は月八万程度で済む。親族に関しても同様。だから問題無し。ただ、高額医療制度は後払いの為、最初に自腹で費用を負担する必要がある。それでも短期的な資金需要でありいざとなれば知合いやサラ金から借りれば問題無し(全体の1%から2%程度の金利負担に耐えられる流動性があれば大丈夫だと思う)。

②に関しては市場価格による心理変化が余りない性格をしているので問題無し。半額になろうが2倍になろうが気分はあまり変わらない。冷静さも失わない。

③が一番私にとってクリティカルかもしれない。見込が外れる事は往々にしてある。その発生確率は十分に高い。しかしながら、個別銘柄レベルでの話であれば十分に分散させれば問題無し。株式市場そのものが見込違いの場合もある。その場合は座して死を待とう。

何で株式投資オンリーなのかと言えば、純粋に高いリターンが見込まれるから。債券が同程度のリターンを保証してくれるのであれば何なく乗り換える。リートでも何でもそう。逆に言えば、株価も得られるリターンが低いのであれば躊躇せず売った方が良いかもしれない。例えば手持ち株がPER100倍で還元政策を自社株買いのみで行っている場合等は速攻で売却する(還元利率が1%では持っていたくない)。後、リターンが似通っている場合は、ある程度分散させる事もありかと思う。

アセットアロケーションを動的に変更する際にある種の方程式みたいなものを作って持っておくと良いかもしれない。


追記:非労働者の資本階級の人が生活費を工面する上で安定的な利益を得る事は重要でしたね。この点を考えれば分散投資も結構意味が出てくるのかもしれませんね。労働者は体を資本にしているのであんまり関係ありませんが…。


株で破産する人は相当センスが無い。

2010-11-30 23:49:53 | 投資日記
株式投資と言うのは言い換えれば経済を一部買い取り、利益を得る事。レバレッジを使わずに十分に分散投資を利かせれば、損はしても、まず破産する事はない。日経平均がゼロになる事はない。万が一なった時は他の資産にしておいてもどの道ゲームオーバー。その確率はかなり低い。むしろ、ノーレバレッジで十分な分散をした上で破産しろと言う方が無理ゲー。どんなに頑張っても勝手に利益は上がってくるしリターンは積み増される。資本も蓄えられる。これらを如何にして減損するかなんて考える方が無理。市場は良くも悪くも結構効率的だから、破産しようにもさせてはくれまい。

100年後に日経平均があるとも思わないが、今の資本は100年後も生きているでしょうね。(でも私は資本主義が数世紀に渡り生き延びる制度だとは到底思えないんですよね。資本主義はいつかもっと別の体制に移り変わるんじゃないかと…)

美味しい話は転がっている。

2010-11-30 23:45:23 | 投資日記
世間で言われているような“美味しい話は転がっていない”と言うのはどうかと思う。事実、上場企業クラスの(数億から数千億レベルの)巨大なビジネススキームでも上位数%は結構儲かっている。さらに投資家の場合、タイミングによっては馬鹿見たいな割安株み巡り合う事もある(それが今である可能性は結構高い)。

美味しい話は転がっていないと言うのは詐欺から身を守るとても簡単な良いわけではあるものの、全てをリジェクトしてしまうと本当に美味しい話も見逃してしまう。現に、美味しい話はある。



借入金とリターンの相関性

2010-11-30 22:21:30 | 投資日記


まぁ相関性はほぼゼロかな。財務レバレッジ(負債/資本)も借入レバレッジ(借入金/資本)もあんまり還元率に関係はなさげ。いや、なさげと言うのは良くないな、正しく言うと、還元“性向”に関係が無いと言うべきか。金利負担があるから、実質的には関係はあるんだけど。。。

投資する際、投資先の借入金をあまり意識しなくてもいいかもね。

自己増殖する資本。

2010-11-30 14:03:36 | 投資日記
マルクスは資本論の中で資本を下記のように表現している。


“産業資本においては、生産手段と労働力を結合させることによって自己増殖する価値としての資本を形成し、産業資本家は、両要素を結合し、剰余価値を搾取しようと意思する人格である。”

まさにその通りだと思う。

で、資本の増殖に関して、その利益率は関係するのかどうかをプロットしてみた。それが下記のグラフ。


※横軸は修正ROE(NOPLATベースのROE)
※縦軸は対資本比率
※緑点は自己資本成長率:直近資本/5期前資本
※赤点は総還元利益:(自社株買い&配当)/5期前資本
※青点は総リターン/5期前資本

相関性はイマイチながら、概ね資本利益率が高い企業がその後のリターン(=資本の自己増殖速度)も大きい事が分かる。ただ、このリターンは会社の内部留保資本も含む為、手元に入るリターンでは無い点に注意。手に入るリターンは赤点部分である。

緑点(自己成長率)よりも青点(総リターン比率)が低い場合は赤点(総還元利益)がマイナスである事を意味する。このマイナスは主に増資由来である。

利益率のブレや転換社債等の転換など、偶発的な要因が無ければ、図のオレンジの枠内に収まる(順調に利益が積み重なっている証拠)。だが、実際はそうはいってくれない。特に利益率の変動はその後のリターンに大きく影響を与える。このグラフは昨今の不況を反映しており、好景気と不景気の狭間を捉えている。これにより、耐久財系のビジネスは利益を上げにくくなっている、このため、かなりばらついてしまっているのかもしれない。

また、いわゆる高ROE企業は総じて利益を株主に還元しない。特にROE20%を超えていた企業は還元以上に増資を行っている。だから赤点が揃ってマイナスとなっている。ただ、青点がオレンジの枠の中に収まっていることから、ビジネス自体は堅調なのかもしれない。ま、赤字でも資本を突っ込めばオレンジ枠の中にはいるが。。。


因みにこの図の中で総還元率/資本が100%を超えている企業もある。例えばこんな感じ。

2353 日本駐車場開発
4716 日本オラクル
6730 アクセル

これらの企業は5年間で資本を全て入れ替えた事になる。古い資本は全部還元し、新しい資本を利益から再度構築したと言うか何と言うか…。ようするに、PBR1倍で買えば5年後に投資資金を満額回収し、無料でビジネスを引き継げると言うか…。PER5倍の企業とは違いますよ、これらはちゃんと“還元”したんですからね。ま、ご承知の通り、これら企業のPBRは馬鹿高いです。


そう言う意味だと、投資家が上手くやらなければいけないのは、上手くこの二重の効率性の網を抜けるかって事ですかね。2重の効率性っていうのは、産業資本の競争環境(実経済の市場)と金融の競争環境(仮経済の市場)とでもいいますか…。唸るほどのリターン(数10年間年率20%以上をキープ)を得る為にはこのどちらも攻略しなくちゃいけませんね。

ペッパーボーイの今後

2010-11-28 20:58:50 | 投資日記
巷でペッパーボーイへの投資が流行っているらしいですが、私は全然買う気はない…。

と言うのも、私には事業内容の今後の行方が分からない。テクノロジー系の旬は凄い早く過ぎ去っていく。それはここ数年間のIT系金色企業の推移をみればしかるべき。がっつり利益を上げて、より成長をしようと望む。でも市場が小さいから頭打ちになり、それでも成長したくて過剰投資をし、事業ポートフォリオがゴミだらけになり、財務も劣ってくる、と言うパターン。いわゆる多悪化。

それにホスティング系ってどこも結構儲かってないでしょか?サクラとかGMOとかもそこそこ儲かっていると思います。業界自体がなんらかの需要の波に乗っており、それに加えて少々のバリューをこの会社が出しているだけではないのでしょうか…?

ペッパーボーイは割安成長株だとは言われるものの、たかだか30億程度の規模で成長性が鈍化する企業に投資すると言うのは如何なものかと思う。ここ5年間の成長率は凄まじかったが毎年コンスタントにその成長率を落としている事を忘れてはならない。。その率も相当なものであり、平均して年率7%程度ずつ落としている。この調子でいけば3年くらいで成長性が止まる。楽観的に考えて2%ずつ成長率が減少すると考えても、8年後にその成長率は止まり、累計成長率は65%程度にとどまる。

何かしら確実に儲かり、馬鹿でかい肥沃なマーケットが確保できているのであれば別だが、そうでなければ夢物語でしかない。まぁ出来て4年の会社じゃ、本当に今後は未知数ですが…とか何とか言ってみる。

PER10倍だから割高と言う気はないですけどね。



追記

とか何とかいいながら、あんまりこの会社の事を知らないのでもう少し詳しく調べて見ようと思います。

定常分析リスト

2010-11-25 20:13:10 | 投資日記
定常分析をより効率的に行う為にリストを作ろうと思う。

ポーターの競争の戦略をベースにして、経営者視点ではなく投資家の視点を加えて作ってみたいと思う。と言う事でラフ画を描いてみた。エクセルじゃ見栄えがどうしてもこんなもんになってしまうが、まぁ、個人で使う分には問題無し。


財務を3D化

2010-11-24 19:17:44 | 投資日記


フリーソフトでcsvファイルから3次元レンダリング出来るソフトがあったので早速使ってみた。

x軸=収益性(ROA)
y軸=割安性(PER)
z軸=安定性(stdev/average@過去5年間の営業利益)
半径=規模(資産)
色=回収性(自己資本比率100%=7)

正直、実用的では無い。視覚の限界を見た気がする。数値で扱ったほうがかなり楽だと思う。それでも、ビジュアルには魅せられる。うーん凄い良い。これをおかずにご飯が食べられる程に良い。

視覚化って凄いな。さもそこに在るかの如く見せてしまう。企業財務なんて人間活動の影でしかないが、こうやってルールを設けてグラフにしてみると、何か宇宙を感じると言うか、純粋に凄いな、と思ってしまう。何が凄いのかは答えられないが、ただ、何て言うか「素晴らしい…」としか言えない。うーん、何だろうか、綺麗な景色でも見ているようだ。単なる財務の寄せ集めなのに、太陽系を彷彿させますね。



仕事で使ってる人とか研究で使っている人にとって、何を言ってるんだこいつは?馬鹿か?と思われるかもしれませんが、まぁ、馬鹿なのかもしれませんね。いや、しかしこれは良いね。俄然やる気が出てきた。

キーワード検索と業界分析をくっつけてみる。

2010-11-24 11:54:48 | 投資日記


上場企業の事業内容からキーワード抽出をし、それを一つの産業と仮定し産業の中身を分析するってのは結構面白くて機知に富むんじゃないかと思う。

例えば会社の売上規模と利益率、それと成長性を一括表示する事により、その業界の中でどう言ったポジショニングがされており、どこがアグレッシブに業界を責め倒そうとしているのかが分かる。高利益率&高成長率&小粒企業があった場合、それは自ずと競合をなぎ倒して成長するシグナルともいえるし、まぁ、その逆もしかりで、自分が投資をしようとしている会社がその中のどういうポジショニングにあるのか、経営方針、資本方針は状況に適合しているのかとか、みるには良いかもしれない。

でも、上場企業しかないので非上場企業が超大手でアグレッシブだった場合(例えばリクルートとか)、これは有効では無いかもしれない。でも、面白い。

図は“商社”で抽出した企業軍の推移。バブルの大きさは売上規模、y軸は成長性、x軸は売上規模。これにROE何かを付けてやったら多面的に分析出来て面白いかも。将来的にはこんな感じに仕上げて、分析を大量生産したい。もっと手間をかけずにこう言う事が出来たらいいのにね。シートなんていじらないで、図を直感的に指で操作したりとか。分析も指の動作で演算させたり情報をくっつけたり、できたら、もっといいのに。それこそ、粘土遊びみたいにね。


消費者利益の測り方。

2010-11-24 11:40:31 | 投資日記


価格と数量は需要と供給で決定するが、その均衡点における利益は生産者と需要者に配分される。

本来、ビジネスの堅さはこの両方の利益の合計値である。だから値上げしたら客の利益が生産者の利益に置換し、値引きをすれば生産者の利益が需要者の利益に置換する。ビジネスの強さは総じて一定である。

しかし、生産者側の利益はPLを見れば明らかであるが、需要者側の利益はそこに表れない。想像するしかない。図のように対になっていればいいのだが、実際の所はそうではない可能性が高い。限りなく需要者側の利益が少ない状態で運営されていた場合、何かの拍子の客がごっそり抜けていく可能性がある(ちょっとした技術革新、ブームの過渡、少々強い競合の登場等)。さらに、アイテムの属性により需要線が良く動く。特に耐久財の場合は景気変動に従い物凄いブレる。

何か消費者側の利益を測る方法はないか。例えばオリコンのランキングをみるとか?それとも、客の評判を聞くか(どこでどうやって?)?もしくは財務の方から演算するか(例えば利益の変動率の低さから需要者側利益の厚みを知るとか)?

とにもかくにも、どれほど厚い需要者側の利益がPLの上に乗っているかが肝になる。これを知らなければそのビジネスの本当の意味での堅さが分からない。その満足度の属性こそがそのビジネスの今後を左右する。うーん、何か良い、測る方法はないだろうか。。。