資産1000億を目指すブログ

2065年までに1000億目標。株式投資についてつらつらと。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でして。

財務分析にかける時間

2010-10-14 09:15:21 | 投資日記


財務分析に使う時間として、私は1社当たり1分以内と言う目標を持っている。

勿論、財務諸表をそのまま分析する訳ではない。そんなの、1分以内なんて夢の話。30分あっても足りない。でも、生でなければどうだろうか?単なる数字の羅列ではなく、整然とした指標群だったらもっと分かりやすいんじゃないだろうか。

私の場合はエクセルをベースにマクロと関数で5年間分の財務情報を全部グラフ化している。コード入れれば勝手にグラフが出るようにして生産性を高めている。

飛行機コクピットの計器を想像してほしい。機長は機の状態が計器を通して一目でわかる。何か知りたい情報があれば、関連する計器を目で追う事で把握出来る。何故計器に落とし込まれているのか、それは、一目でわかるからだ。もし計器がなかったら機長は運行どころではなくなる。分厚い資料や機器を直接視認して現状を電卓で計算しなければなくなる。多大な時間が無駄になる。でも、そんな事はない。一目でわかる工夫が随所に張り巡らされているからだ。

一方、投資家は、いまだ財務諸表と言う旧式のシート形式に縛られている。一部ではこれらをグラフ化して表示するサイトもある事はあるが、質、量の面においてまだ不十分だ。飛行機を操縦するのにスピード計とガス残量計しかないようなものだ。他にも知らなければいけない情報がたくさんあるのに、至極単純な形でしか提供されていない、ユーザーフレンドリーじゃない。でも、使えるだけでもありがたいけど。

生の情報をそのままグラフにした所で得られる情報は少ない。本当に大事なのは絶対的な額の情報ではなく、相対率の情報であると言える。投資においては様々な経営指標や投資指標がある。これらをグラフ化出来ればかなりスムーズに分析が進む。経営指標だって無限にあるわけじゃない。せいぜい100指標位じゃないだろうか。良く使うものに限れば30指標程度まで落とせると思う。1グラフの内容を把握するのに2秒もかからないから、全体を把握するのに1分もいらなくなるだろう。1分以内であれば短期記憶の範疇だから全部頭に入れたまま思考出来る。仮に忘れても一瞬で再度把握できるから効率的に分析作業を進められる。だから1分。これ以上の時間はある種のロスだと言える。

視覚から得られる情報量は圧倒的だ。投資に際して必要な情報を目で追うだけで確認できれば、かなり短時間で包括的な分析ができる。それも、比較的長期にわたる財務情報であったらその移り変わりも確認できる。極力、脳みそを効率よく使う事を心がける。面倒な事、単純作業はCPUにやらせればいい。脳に負担の少ない仕組みで大量に情報を処理させる事がこれからの投資には必要ではないか。と言うか、意図せずとも、時代はその方向に流れていくんじゃないかと思う。

勿論、この分析はスクリーニング後に残った銘柄を再度細かくふるい落とす為のモノであって、この分析で残った企業をさらに定常分析で深く分析していく事になる。私はこの定常分析がすこぶる苦手なのでこの点が今後数年間の課題になりそうだ。。

バフェットはクモ

2010-10-14 08:17:45 | 投資日記


バフェットはクモ。

ある程度安定したビジネスであれば割安で買うだけで儲かる。しかしながら個人のバリュー投資はあんまり儲からないとも私は言っている。その違いは何か。明瞭だ。そこに資本政策の行使力があるかどうかだ。バフェットの場合は会社を丸ごと飲み込む。完全な支配下に置く。経営自体は今まで通り、経営者にお願いする。ただ一点のみ、完全に支配する。それは資本政策だ。事実、バフェットは買収が完了した次の日に経営者にこう言う。「すぐに銀行口座を解約してください。これからは私があなたの銀行です。経営に必要な資本以外全て、私に送金してください」と。例えPER10倍で買ったとしても、ビジネスが安定している限り、10%のリターンは見込める。そんな企業は日本にゴロゴロしている。PER5倍ならどうか?直利ではあるが、利回りは20%になる。こんなに上手い話はない。まぁ別段、米国に限って言えば還元率が半端ないからバフェット云々と言う話でもないだろうけど。。で、こうやって得られた利益と保険業で得られるフロートを使い、次々と割安株&安定成長株を購入していく。その上記と同じプロセスを買収先に走らせていく。するといつの間にか巨大な利益が生まれている、と言う寸法。

氏は投資の際にブランドが大事だと言う。確かにその通り。でも、私が思うのはこの人は自分自身をブランド化していると言う点。会社もバークシャ―と言う超一流のブランドを育て上げた。このブランドの使い道はすべからく買収する際に効いてくる。割安であっても買収してほしいと言わせるだけのブランド力がある。一般人で言ってみれば給料は並で良いから超一流と称されるグローバル企業に勤めたい!皆から尊敬されたい!と言う感じだろうか。これが手伝って安売りする企業が何社もある。有名な絨毯業者とかね。

バフェットのやり方は、ようするに、小太りの昆虫(高収益企業)を手軽(割安)に捕縛(買収/掌握)し、すぐに体液(余剰利益と年間収益)を吸い、それを栄養源(資本)にして網(被買収企業を探すアンテナ)を拡張し、旨そうな匂い(ブランド力)を出し、迷い込んだ(ウォール街が嫌になった)新たな小太りの昆虫を捕縛、捕食し、また網を拡張し、しかも小太り昆虫は活かさず殺さず永遠に絞りつづける(複利で回す)…と言う無限プロセスを構築している。小太りな昆虫は春(市場低迷期)に良く出現する。クモにとって季節(市場の変動・景気の変動)は同じなんだろうね。冬(市場高騰期)に備えて次の春を待つ、みたいな。

でも、一つ面白いと思ったのはバフェット参加の企業でも結構没落企業が出始めて来ている点。1980年代後半に主力で活躍していた7社のうち20年後にも主力で残ったのは1社(キャンディー会社)のみ。残りの6社は消滅寸前or衰退しているとの事。バフェットのお墨付きをもらった企業でさえ四半世紀経たないうちにこんな状況に陥ると言うのは非常に興味深く、明日は我が身な恐怖感を与えてくれる。ただ、一概に会社が勝手に没落したと言うよりも、バフェットに利益を全部献上し、大体の拡張政策を「失敗するから」と言う事で却下されてしまっている事が遠因とも言える。正直、彼は、吸うだけ吸って企業を成長させようと言う気はあんまりないみたい。。まぁ見る目が厳しいから不確実な成長よりも確実な現金収入を選択するのは確かに理にかなってはいるが。。

話は長くなったが、上記の通り、バフェットのやっている事は単純である。ただし一般投資家がそのまま応用出来るような代物ではない。特に会社の資本政策をコントロールできる点は我々の様な一般弱小投資家には無理。でも、良い企業を長く持つ。比較的配当政策が株主優遇であれば、彼のプロセス(=投資の王道)に近付く事が出来ると言える。


話は変わるが、バフェットは歴史に残るか。と言えば、投資業界の歴史と言う点で言えば残ると思う。ただ一般的な歴史にはおそらく残らないだろう。彼は凄いが世の中にはもっとすごい人物が沢山いる。彼の影響力は、例えばアレキサンダーやナポレオンにはゆうに及ばず、産業革命の父ワットやジョンケイ何かにも及ばず、フォードやカーネギーにも及ばないだろう。アップルやマイクロソフトの創立者より同等か、それ以下だと思う。それだけ今の時代は多様性とインパクトに富んでいると言う事。何かそんな事を考えていたら成功するとか馬鹿らしくなってくるねぇ。。。