きのう自炊した『ネコの事典』(犬養智子,1976,ごま書房)を読んでいたら,うろ覚えだった「ネコは常世からの借り物だから橘の木の下に埋める」のもとネタが出てきた。「少女」ともいえない,吹けば飛ぶよなコムスメだった頃に読んだものを覚えていたわけだ。しかし,当時850円もした本を,どうやって手に入れたのだろう。いまの感じだと,3,000円くらいになるのではないだろうか。お年玉でも,使ったのかしら。
少し記憶ちがいがあって,埋めるのは「橘」ではなくて「みかんの木」とある。前後を引用する。
「古い習慣でやさしくなつかしい感じのするものに,ネコの死骸をみかんの木の下に埋める,というのがある。これはみかんをはじめ柑橘類の木をあの世(常世または冥界)のものとみる伝承のせい。ネコを冥界からの賜物(小子)と考えた昔の人が,この木の下へネコを埋めて,もとの世界に返そうとしたからといわれる。」
常世にある非時香果は橘だといわれることから,みかんと橘を混同して覚えていたのだろう。
しかし,この条は出典が書かれていない。「いわれる」としているので,著者が直接調べたものではなさそうだ。直後に大木卓の『猫の民俗学』が引かれているが,この本からの直接の引用という書きようでもない気がする。まあ,この本はたぶん持っているので,探してみる。
巻末の文献リストにある民俗学関係の本は,大木の本の他には,木村喜久弥『ねこ』,柳田監修『日本昔話名彙』くらい。あと雑誌が少しあるが,内容はわからない。これらから引かれたものと思う。柳田のは,タイトルからしてたぶんちがう。この人,あまり埋葬の習俗については書いてないような気がするし。木村のは,まだ手に入るかしら。法政大出版のシリーズの1冊だと思う。
ねこ 埋葬 柑橘類,などとしてググってみても,この習俗はヒットしない。あまり分布は広くないのではないかと思う。みかんが育つなら,暖地だろう。中部地方以南のしきたりなのではないだろうか。
ねこは柑橘の匂いが嫌いなのに,そのもとに埋めるというのはおもしろい。ねこは迷惑かもしれないけど。
おうちには柑橘はもうない。ちいさい山椒の木があって,アゲハの幼虫がつくので嫌いだったけど,枯れてしまった。
おじょうさまは,先代と並べて埋めることにしよう。
少し記憶ちがいがあって,埋めるのは「橘」ではなくて「みかんの木」とある。前後を引用する。
「古い習慣でやさしくなつかしい感じのするものに,ネコの死骸をみかんの木の下に埋める,というのがある。これはみかんをはじめ柑橘類の木をあの世(常世または冥界)のものとみる伝承のせい。ネコを冥界からの賜物(小子)と考えた昔の人が,この木の下へネコを埋めて,もとの世界に返そうとしたからといわれる。」
常世にある非時香果は橘だといわれることから,みかんと橘を混同して覚えていたのだろう。
しかし,この条は出典が書かれていない。「いわれる」としているので,著者が直接調べたものではなさそうだ。直後に大木卓の『猫の民俗学』が引かれているが,この本からの直接の引用という書きようでもない気がする。まあ,この本はたぶん持っているので,探してみる。
巻末の文献リストにある民俗学関係の本は,大木の本の他には,木村喜久弥『ねこ』,柳田監修『日本昔話名彙』くらい。あと雑誌が少しあるが,内容はわからない。これらから引かれたものと思う。柳田のは,タイトルからしてたぶんちがう。この人,あまり埋葬の習俗については書いてないような気がするし。木村のは,まだ手に入るかしら。法政大出版のシリーズの1冊だと思う。
ねこ 埋葬 柑橘類,などとしてググってみても,この習俗はヒットしない。あまり分布は広くないのではないかと思う。みかんが育つなら,暖地だろう。中部地方以南のしきたりなのではないだろうか。
ねこは柑橘の匂いが嫌いなのに,そのもとに埋めるというのはおもしろい。ねこは迷惑かもしれないけど。
おうちには柑橘はもうない。ちいさい山椒の木があって,アゲハの幼虫がつくので嫌いだったけど,枯れてしまった。
おじょうさまは,先代と並べて埋めることにしよう。
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