自転車操業日記

自転車と組版ソフトについての備忘録。

登場人物紹介

ゆかり:長女。アルミの入門車。52-42-30×13-25。ひたむきでまじめな性格。2009年8月29日,失踪。誘拐されたものと見られる。引き続き情報求む。荻の葉:次女。スチールのオーダー車。50-34×12-25。自分を甘やかすバイク。といいつつ脚使わされる。外面如菩薩内心如夜叉。ダフネ:三女。養女にきたスチール車。ラグつき。44×13-28。見た目は派手だけど実直なよい子。じつはいろいろマニアック。犬君:四女。量産型小径車。Giant escape miniってやつです。養女に出したので,今はいないよ。roadman:廃車にされかけていた30年近く前のフレームを拾ってきてレストア。いろいろ問題はあるけど,基本いいですよこのフレーム。びっくり。おじょうさま:筆者の雇用主。しっぽのあるメカニック。基本的に何もしない。2017年8月18日,ご逝去。享年19ちゃい。コネコ:ねこ3代目。まだキャラクターがはっきりしていない。チュウネコくらいになったら名称が変わるかも。……もうコネコというサイズではないけど,いまのところまだコネコで行く。ひたすらノーテンキで,やってることはまだまだコドモ。筆者:動力発生器。燃費,性能とも悪い。最近坂が登れない。

動物ネタ

2012-08-28 14:14:33 | 泡沫
哺乳類のレッドリストの改訂版でニホンカワウソが絶滅種になったののニュースで,動画がけっこう流れた。
……すごくかわいいんだけど。なんかねこっぽいかわいさ。生きて動いてるところが見られたらよかったな-と思った。
植物のも出るのかな? 最初(1998年だったか?)に出たときは6種に1種が絶滅危惧種だったというのを記憶している。
その後,調査員の高齢化が問題になっているという話なんかも聞いた。それはどうなったんだろう。なんかイキモノ好きがダサいみたいな風潮があるのが気持ち悪い。アタシは視覚記憶が全くだめなのでイキモノの名前調べはすごく苦手だし,実際あまり関心もないのだけど,得意な人はすげえかっこいいと思うけどな。

かわうそというと,『耳囊』だったか,傘の上にのる話があったように思う(杉浦日向子が『百物語』で描いていた気がしたけど,見つからなかった)。都市部にごく当たり前にいたけものだったのだろう。
そういえばいまは,在来のけものが都市部にいる話はあまり聞かない。タヌキがいると大騒ぎになるのと,神戸だったかイノシシがたいへんというはなし,あと北海道のエゾシカの交通事故の話とかくらいだろうか。ドブネズミは外来のけものだったと思うし。在来ののねずみは都市の中では見ないと思う。クマネズミは在来?
あ,どれも肉食の動物ではないね。肉食のだともぐらくらいか。
そういえば,師匠のとこに自転車乗りに行ったとき(ToJ見に行ったついで),おうちからそれほど離れていない川沿いを走っていたら,テンが出てきた。そんなに珍しいことじゃないらしい。都心部が特殊なのかもなー。
小貝川詣でをしていて,いちどだけ,たぶんもぐらかひみずが走っているのを見たことがあった。ころがるようで,おもしろかった。すねこすりとう妖怪があるけど,あれってああいう動き方をする動物が元ネタなんじゃないかなあ。

夏場はこねこがうまれるので,ネット上にこねこの画像がいっぱいあってうれしい。コネコ分補給だ。そのこたちをみていてふと気づいたのだけど,おじょうさまはお小さい頃から,おなかを上に向けて(「へそ天」というそうだ。おへそを天に向けているから。最初はエビ天とかイカ天とか芋天とか,てんぷらのタネの符丁かと思っていた)おやすみになることはなかった。ハラさらけ出して無防備に寝ているのはかわいいのに-。おちいさいころのおじょうさまは,おなかのもようがわりとはっきりした点々で,おもしろかったのだが。
実はあんまり気を許していないのかもしれない。
最近はおかあさまのお部屋の押し入れにこもっている。夜冷房をかけるので,おかあさまといっしょに寝たいけど,寒くてだめらしく,途中で押し入れにはいこむ。昼間(お居間かお仏間で仕事をされるので,お部屋は冷房がついてない)も,夜の間に冷えた空気が残るようで,出てこないでいる。なので大ねこ分もあまり足りてない。ねこ養分が不足している。

立秋過ぎたしもう単衣のきものがきられるなー。ちょっときもの熱再燃。お太鼓まだ結べるかな? 小紋なんかは半幅で着てもいいわけだけど。
家のたんすをあさったら祖母の遺品の色無地が出てきたから,クリーニングに出して着ることにした。でも一つ紋付きの色無地なんて着る機会ないよ。お茶でもやってればともかく。






ねこのおともだち4

2012-08-23 18:28:11 | 泡沫
くろちゃんはまだやってくる。
きのうは夜来た。
おじょうさまが床面にいらしたので,また目の高さが同じになった。

夜は冷房を入れていることが多くて,お窓が閉まっていたのだけど,あわてたのかガラスにねこパンチ食らわしていた。
くろちゃんのほうは攻撃されていると思っていないのか,なんかおっとりしている。どうもおじょうさまより下僕のほうに興味があるみたいで,横のガラス戸を開けたら寄ってきて入り込もうとした。おうちと間違えている? 変わった子だと思う。

しかし,写真が撮れない。カメラを扱いつけていないので,ねこ見る方に集中してしまう。

おとうさまの法事が9月の半ばなので,式服が厚手のウールではきつい。で,一昨年の冬,某社のファミリーセール(めいごさんの旦那様が関係者)でちょうど見つけたから,夏の喪服を思い切って買った。したら,着る機会が多いこと多いこと。去年も今年も,冬服の何倍着るか,という感じ。暑さは割と平気な方なので,夏物を着るのは7~9月の3か月だけなのだけど。高齢の方とか病気の方は,暑くて体力を奪われるのかなあ……。
考えてみれば,大学生の頃って,夏の最高気温が30℃を越えると,天気予報とかでは大騒ぎしていたような気がする。「真夏日」とか言って。最低気温が25℃を割らない「熱帯夜」もわざわざ言う程度の頻度だったと思う。いまは30℃越えがあたりまえ。最高気温30℃だと涼しく感じたりする。
ちょっと異常なんだろうな。

今年は,春のマルハナバチが少なかった。ソメイヨシノが咲くとコマルハナバチの女王を何頭も見るのだけど,ことしは2回くらいしか見られなかった。職場の近くにアベリアの垣根があって,そこはコマルのワーカーも来るし,休眠に入る前の新女王や雄蜂もよく見かける。ことしは,雄は見なかったし,新女王も2日見ただけ。おうちのちかくでも,トラマルハナバチはまだ見ていない。
そのかわりだかなんだかわからないけど,カメムシは多い。カメムシは種類がわかるほどちゃんと知らないけど,緑色のとか茶色いのとか,赤い縁取りのあるのとか,何種類か見た。
おにいさまが帰省中に,お庭にタマムシが飛んでいるのを見たとおっしゃっていた。
最近,おうちのまわりに虫が増えている気がする。去年だけど,クワガタムシが飛んできたこともあるなあ。
どっか近くで,生息地がツブされたりしているのだろうか?


おうちから半径1.5キロくらいの範囲のところに,ニホンミツバチが営巣しているところがある。来てくれないかな-。

ねこのおともだち3

2012-08-20 22:02:54 | 泡沫
くろちゃんがおうちに入ってきてしまった。
おじょうさま,侵入時にその場にいらしたのに威嚇もしなかった模様。
写真撮れないなあ。

アタシは現場に居合わせなかったのだけど,おかあさまが大きい声を出されたので出て行ったら,くろちゃんが困っていた。
お廊下の網戸があいているところ(たぶんおじょうさまが開けっぱなしにしたのだろう)から入ってきて,悠々とおかあさまのお部屋に入り,ベッドの足元に(ほとんど使われずに)鎮座しているねこちぐらに,まっすぐ入り込もうとしたそうだ。おうちにもねこちぐらがあるのかな?
ここでおかあさまが大きな声を出したのでびっくりして,入ってきたところから出ようとしたところ,その手前におじょうさまが陣取っていて,近づくとねこパンチを繰り出すものだから,出て行かれない。窓ガラスごしに外を見ていた。あまりあわててはいない。おっとりした性格なんだろう。
おじょうさまはこわいから追い払いたいのに,出口をふさいでいる。まんがのような図だ。
しずしずとガラス戸を開けてあげて,お外にお戻りいただいた。

こないだまで首輪なしだったのだけど,きょうはあんまりかわいくない,緑色のごつい首輪をつけていた。のみとり首輪みたいだ。
先代の経験では,市販のはあまり効かない。首の周りがはげたりするのになー。フロントライン教えてあげたい……。

お盆前,おにいさまが帰省されるので,Theobromaというおみせでチョコレートを買いこんだ。
スパイスを使ったチョコレートがはやっているらしいことは知っていたのだけど,いろんなのがあっておもしろかった。
柚子とかわさびとか,ごま,しょうが,唐辛子等々,ついつい変わったものをいろいろ買って帰った。
すごくデリケートな配合で,モノが腹中に消え去った後,のどから鼻に抜けるあたりに,俤のように香りが漂うようなものから,素材がぎっしりつまったものまで,変化があっておもしろかった。ただ,ここんちのはコーヒーではなくてお酒に合うチョコレートだと思った。たぶん,好きな人はすごく好きだろうと思う。アタシはわりとすきなほう。でも一度に食べられるものではない。一度に2個はいらないなって感じ。満足感が高いというか。なにかヤバい成分でもあるんじゃないかっていうか。
特にわさびはすごかった(素材ぎっしり系)。これは珍品と言えよう。あーこれウィスキーとかが合う-と思った。
まだ何粒か残っている。おきゃくさんがきたらネタでお出しする。


「ひもとく」の用例

2012-08-20 13:03:27 | たまにはしごとだって
若い執筆者の多い単行本の原稿を読んでいる。ゆるい縛りのシリーズ本のひとつなのだけど,ここ数年引っかかっていたことがある。
数年前から「歴史を紐解く」という使い方が散見されるようになっていて,こりゃ「繙く」だろ,この用例はビミョウだけどまあアリっちゃあアリか,ということで,かながきを勧めるコメントをつけて検討してもらったりしていた。

が。
ここへきて「起源を紐解く」「関係を紐解く」があらわれた。
もともとの「繙く」は本を読むという意味なので,「歴史をひもとく」は「ある視点から過去の流れを追っていく」という意味で比喩的に使っていると考えて,用字だけ指摘したのだけど……字が違っている時点で原義を指摘しておくべきだったなあ。まだまだ甘い。
おそらく,表記から「紐をほどく」,つまり「謎を解く」くらいの意味で使っているのだろうと思うのだけど,いくつか辞書を見てもそのような用例は出てこない。ていうか,「下紐を解く」意味しか出てこないよ。きゃー。

このギョーカイのこの世代の,流行語になっているのかもしれない。とすれば,なにかかれらの琴線に触れるものがあるのだろう。たぶん,もつれた紐(糸?)を一つ一つ整理して,すっきり視界を開く達成感を表現したいのだろうと思う。地味~なしごとをこつこつと積み上げて,目の覚めるような成果をつくりあげるひとたちなので。
てなわけで,誤用とばっさり切ってしまうのもさびしい気がする。でも単行本なんで無批判に使うことにも抵抗がある。といって,「琴線に触れる」ような代案も出ない。ああどうしよう……。

ねこのおともだち2

2012-08-15 21:19:54 | 泡沫
くろいおともだち,今朝も来た。
写真撮ろうと思っていたのに,カメラが手近になかった。あしたからは常備しておく。

きのうはおじょうさまはおいすの上でうとうとしていたせいか,あらいるのね,みたいにあまり興味を示していなかったのだけど,けさは床に座って網戸越しにお外を見ておられたときだったので,おじょうさまに興味があってつかまり立ちしたくろちゃんと目の高さが同じになった。
そしたら,半パニック。くろちゃんはきょとんとしてるのに,おじょうさまのほうはこわかったみたいで,攻撃。が,明らかに腰が引けている。網戸越し(バカ)にねこパンチ繰り出して網戸に爪を引っかけてしまった。下がれない。
で,さらにパニック。ふしゃー,とかいっている(くろちゃんは平気な顔。よくわかってない?)。
網戸を破られてもなんなので,はずして差し上げようとおからだにさわったら,パニックに拍車がかかって,大きい悲鳴。んぎゃーとか(くろちゃん動ぜず)。あいてる方の前足でざっくりやられた。まあ想定内だけど。じつは,腕にタオルでも巻いてからにしよっかなーと思ってはいたんだけど,めんどくさかったのよ。
掌底あたりにちょっと長いひっかき傷がついて,あと3箇所,暴れた爪が刺さったような痕があった。ここはしばらく地腫れしてたのでやばいかなと思ったけど,もう引いてるので問題なさげ。
おじょうさまは逃亡せず,その場でカラダをなめだした。若いコの手前,恥ずかしいよね-。

前の晩,冷房あたりしたらしくて,だるくてお居間で寝落ちしてしまい,夜中にお部屋に戻ったらおじょうさまがいらした。どうしたの?と声をかけたら怒られた。あとで見たら,押し入れ棚に突っ込んである普段着がばらばら落ちていた。ほっくり返してねこ巣でもつくろうとしていたんじゃないかと思う。窓を開けておいたから,ほかを締め切る夜は,風が通って居心地がよかったのかもしれない。アタシが寝るときはしめちゃうんだからいっしょなのに。

おじょうさまもわりと冷房はお嫌い。おかあさまがお仏間で仕事をしておられるときは冷房をかけるので,一緒のお部屋にいられなくてさびしいらしい。ただ,お部屋から漏れてくる風が涼しいのは学習したみたいで,障子の隙間に鼻先を向けて寝ていたりする。

13日は,お墓のおそうじから浴衣でいてみた。そのあと迎え火をたくまでそのままシゴトをして,ごはんを食べに行って,着用時間10時間くらいか。綿の生地は摩擦が大きいからか,着崩れもしなかった。そして意外に涼しい。誰だよ和服は暑いっていったの! すくなくとも浴衣は涼しいぞ。13日は最高気温34℃だったそうだけど,アタシが暑いの平気を割り引いても,楽だった。身八つから換気できるのがいいのかな? 夏用の裾よけをもってなかったので化繊のを使ったから,脚はちょっと暑かった。綿のものを使えばいいと思う。ただ,クルマに乗るのも,シゴトをするのも,帯がじゃま。椅子の生活には向かないな。背もたれのない椅子にすればいいんだろうけど。
後処理は,洗濯機のドライコースで丸洗い(しまうときのような感じに畳んで,ネットに入れて)+陰干し+当て布アイロンで問題なしのよう。絹ものじゃこうはいかんだろうけどな。

ねこのおともだち

2012-08-14 23:57:36 | 泡沫
このところ毎朝,ねこが遊びに来る。
おじょうさまとおなじきじとらで,ただかなり色が濃い。おじょうさまは茶色っぽいほうなので,黒いねこだなあと思うけど,さばとらではなくてきじとらだ。
おじょうさまがお窓の近くにいると,見合っているけど,うなりもしないし,けんかにもならない。
黒とらのほうは,人なつこくて,ひとがお窓に近づくと寄ってくる。入れてもらえると思っているようだ。
体はあまり大きくなくて,元雄のようだ。たぶんおじょうさまよりかなり若い。ちょっと抜けた感じの動き方をしていて,かわいい。
毛づやもいいし,やせてもいない(どっちかというと,すこしおでぶ)ので,ご近所のおうちのねこなのだろうと思う。でも,おかあさまネットワークをもってしても,おうちがわからない。
かわいいからいいんだけど。

ここ半年くらいで,おじょうさまがよくおはなしされるようになってきた。あまり声を出さないねこだったんだけど,おかあさまに向かって「にやー」とかいうことがあるらしい。ときどき,会話の声が聞こえる。たぶん会話になってないけど。
おじょうさまは,お庭に行きたいからあけてちょうだいとか,お部屋から出たいとかの要求を述べておいでのようだ。ごはんのおねだりはほとんどないのに。食に対する執着がないねこだと思う。
生春巻きの皮があったから,ミントとか買って帰ろう。おじょうさまは生ささみを召し上がるようなので,ささみも買う。おじょうさまに差し上げた残りを酒蒸しにして具にする。


ハラいてえ……

2012-08-09 21:33:00 | 泡沫
先週体調不良で欠勤&自転車自粛でしばらく乗ってなかったんだけど,火曜日はROADMANで駅まで。
うんと軽いギアでくるくる回す方向のリハビリをやっているんだけど,120越えるようなケイデンスで往復したら翌日から筋肉痛がえらいことになっている。たった10km弱,時間にして30分程度なのに……。
フラットバーなのに肩から体の側面が痛いし,太もももあがんなくて階段を上るのに苦労した。腹筋なんかおなか壊したような痛みがあって,きのうはあんまり動けなかった。
今日の午後くらいからフトモモの筋肉痛はとれて,おなかも筋肉痛じゃなくてやっぱりおなか壊してるんじゃないか,みたいな不安げな痛さじゃなくなってきた。脇腹が締まるような感じがシダしていて,これはちょっと気持ちいい。
こんなひどい筋肉痛ってはじめてかも-。
90~100くらいで走ったあと。腰とか脇腹(腹斜筋?)にはよく筋肉痛が出る。でも,ハラの前側が痛くなったことってあんまりなかった。腹直筋はケイデンス上げないと負荷がかからないっていうことだろうか。

ケイデンス上げるのって,一回できるようになれば忘れない(師匠曰く神経がつながる)みたいなんだけど,ブランクの長かった筋肉が,脳のコマンドに耐えられるかどうかは別の話なんだなーって思った。
腹いてえよ。

本:『眠れない一族』

2012-08-08 18:40:07 | 泡沫
お国の予算で紙の本を電子版にしてあげるよ-,という話があって,何回か説明会に出ている。
震災復興支援もかねていて,タダで電子化してもらう代わりに,対象の本を4冊献本して,被災した東北3県の図書館に寄贈する(うち1冊はデジタル化用の底本として使用する)。で,デジタイズの作業も,東北の業者さんに優先的に回して,仕事をつくるのだそうだ。
発想自体は,悪くないと思う。単年度予算ではあるけど,それで東北の業者さんがスキルを獲得して,中核を担ってくれれば,あとの雇用にもつながるかもしれない。

しかししくみは,版元からみると疑問符がつくことばかり。そもそも,方法によっては著作権者との関係がクリアにできないって大きな問題がある。仮登録はしたものの,二の足を踏んでいた。
その事情はどこも同じだったようで,いろいろと版元からの要望を受けた結果,どうもぐずぐずの状態になりつつあるようだ。版元自身で作れるレベルのフォーマットも許容されるようになった(最初予定していたフォーマットは,専門書の読者はケッて思うようなしろものだった)。しかしそれでは,業者さんに仕事が回らない。
肝いりの予算を消化できないと,担当省庁のメンツをつぶすことになるので,どうも焦ってるって感じがする。
アタシの職場は零細版元だけど,電子化はどんどんしたいと思ってて,自社でも動いてる。ただ,今回のはしくみがわけわからんから登録してないだけなんだけど。
だから,自社で動いてるんだけど。
予算もらわなくても,今度の形式だったら自力でデータ作れる。はっきりいって,入稿データ流用できる。お金かけてやってもらう必要ない。
大手さん,中堅さんの,データさわらない人が思いつきで作ってるんじゃないのって感じ。
どっちかっていうと,中継ぎ業者にお金を落とそうとしてるんじゃね?と勘ぐってしまう。

図書館に3冊本を寄贈するっていうの,デジタイズなんかしてくれなくたって,やれないわけじゃない。デジタイズだって,みんながみんなやるわけじゃないのだから,寄付を募ったって十分だろう。実際,震災直後に問屋さん経由で本の寄付の案内はあったけど,それは子どもの読み物みたいなものが要求されていて,うちは出すものないねー,という話をしたりした。必要なら,またやればいいのに。際限なくは無理だけど,控除とかできるような仕組みとかつくってくれれば,ある程度まとまった額の商品を提供することはできると思う。
第一,こんな条件つけたら,品切れ本(本マニアが読みたいのはこういうもののはず!)のデジタイズはできないところがおおいのではないかな。品切れ本に余裕を持たせて保管してる版元ってどのくらいあるんだろうか。正直ウチあたりは,品切れ本に関しては,できないもののほうが多い。

どうも,日本の出版流通って文芸書のことしか考えてない気がするな。
……こんなこと書いてて平気なのかな。いじわるされたりして。

でまあ,今読んでる本が表題の本なんだけど,これがおもしろい!
翻訳ものの科学ノンフィクションで,プリオン病の探究を扱ったもの(版元は紀伊國屋書店,かいたのはダニエル・マックスというひと)。
プリオン病というとBSEやクロイツフェルト・ヤコブ病が有名だけど,中年以降に発病して,眠ることができなくなり,1年以上かけて衰弱死する(しかもぎりぎりまで意識は鮮明!),という悪夢のような遺伝病がイタリアのある家系にあるのだそうだ。著者はこの家系のメンバー(看護士さん)とその夫君(お医者さん)を中心に取材しているようだ。
この一族のクロニクル(ジュンパ・ラヒリの短編を思わせる)を軸に,話は時も場所もまちまちな,あちこちに飛ぶ。産業革命期から知られるようになったスクレイピー,オーストラリアのネイティヴの一部族に蔓延していた,女性とこどもが高率で死亡する,震えを伴う謎の疾病。進化理論に照らせば,さほど大きくない個体群で,増殖を担う性と新規個体が高率で間引かれるのに,この部族が絶滅せず存続していたのは,大きな謎だ(じつはこのことは,疾病の起源の解明とかかわることになる)。それからクロイツフェルト・ヤコブ病,BSE。それぞれにかかわる科学者たちのプロフィールと,その仕事。多くの糸がじょじょに1つにまとまり,あるストーリーを創っていくプロセスが,テンポよく描かれている。誤訳かな?と感じたところはあったけど,訳文もよどみなく,とても読みやすい。いや,久々に巻を置くをあたわざるって感じで読んでいる。実際,よく売れてもいるようだ。初版は2007年で,アタシが買ったのは2011年の4刷。すごい。
昔,樋口広芳さんの『赤い卵の謎』の新聞の書評で,「すぐれた推理小説を読むような」というフレーズがあったのが忘れられない。当時ミステリ・マニアだったアタシは,この本は大好きだったけど,「すぐれた推理小説」と呼ぶことに違和感があった(伏線あったか?とか)。が,『眠れない一族』はその評に値すると思う。ばりばりと引かれた伏線が,本の後半からどんどん回収されていくところなんかは,胸がすく。

けっこう長いから中学生だとしんどいかもしれないけど,高校2年生までに読むことをすすめる。アタマのメモリを使おうね。むずかしい用語とかないし,引っかからないと思う(これは翻訳もののよいところ。へんな修辞に走らないから)。紹介される研究者の個性とか出自がいろいろで,適性なんてあとづけって何となく感じられる。そのことは,「がんばる」力になると思うのよね。夏休みにいかが? ミステリ・マニアにこそお勧めよ。伏線を見きれる人であればあるほど,楽しめると思う。
最近,昆虫が専門の大学の先生から,ちょっとおもしろい話を聞いた。
その先生は夏休みに,高校生対象の出前授業を長くやっていて,とても評判がいいそうだ。虫好きの高校生が参加して,終わる頃には毎年,先生の大学(超むずかしい)を受験します,といってくる子がいるのだけど,受かったためしがなかった。それが,去年今年と2人ずつ,参加者の中からはじめて合格者が出て,うれしかったって。
好きなことをやれる場所に進めることは,その子にとってはモチベーションが上がるだろう。なんか,そんなことを思い出したりした。

アタシがおもしろいと思っているのは,情報伝達のしくみができることがどれだけ議論を進めるか,が垣間見えること。
学会誌って大事だなーと思う。
いまやっている本はかなり長い文献リストがつくのだけど,そういうのを見ると,科学って積み重ねなんだな,ってあらためておもう。たぶん,少数の天才だけでは,科学は成り立たないんだろう。
なんという茫漠たる時。

しかし,こういう本を書く科学ジャーナリストは日本にはいないなあ。版元のほうも,理系の本はあんまり出さない。早川書房は相変わらずがんばってるし,あとNTT出版とかいくつかあるけど,アタシんとこじゃむずかしい。
新聞に書評も出ないし。需要がなければ供給もないわけだけどね。
でもやってみたい。

最近読んでうまいなあと思った科学書に,もうひとつ『捕食者なき社会』というのがある。
両者に共通するのは,だれもがくいつく「軸」をうまいこと設定していることだと思う。それは謎でなくてもいい。わかりやすい標語みたいなものでもいいのだ。例示はいつか,その軸に戻り,軸の回りで評価され,パズルのピースにおさまる。
それが大事なのだろう。
『ミツバチはなぜ大量死したのか』がおもしろいのは,ハチ好きとしてはとりあえずあたりまえだから何も言わない。ただこれは,結論がはっきりしてない本。

結局何が言いたいかというと,文芸書じゃなくてもとってもおもしろい本はあるのだぜということだ。

二条城展まだみにいってない。応挙のわんこは来ているだろうか。あの絵は好きだ。
しかし近世までの日本画って,ねこがかわいくないよねえ。国芳のねこもなんかこわいし。

ラストセールで夏の和服地とおぞうりを買ってしまった(薄物もってなかったしー。しかしウソみたいな値段だった)。ちょっとおかしくなっているなあ。どうすんだよこれ。
だれか夏に結婚して二次会とかに呼んで-。縦絽の小紋なんで,披露宴には着られないのよ-。
でも縦絽って,単衣と同じ時期に着られるんだって(よくある絽は横目。これは盛夏限定)。てことは,若いお嬢さんが夏の着物を1枚つくるなら,縦絽の江戸小紋がベストってことか。帯で遊べばカジュアルに着られるし,フォーマルにも使えるし。
しかし,和服は約束事が多すぎてがんじがらめになってる気がするな。
若い人が浴衣着て遊んでるのは悪くない。かわいいし,小紋と見まごうような柄行のものもある。襟元にレースをあしらったり,帯締めなんかしたって別に構わないしと思う。浮世絵なんか見ると,ふつうのお嬢さんでも襟元はけっこうゆるかったりするから,それをいちがいにだらしないと否定することもないのだろうとも思う。が,やっぱり,ベースをきちんと着ているお手本(涼しそうに見て気持ちいいのよ)があまりにも少ない気がする。奥様方,旦那様方,がんばっていただきたい。今日お昼を食べに出たら,しゃきっと夏物を着ている高齢の男性がいてすてきだった。すっきりして,涼感がある。帯の位置とか,若い子に比べて低い気がする。それも安定感があっていいのかな? まあ,男の子は細すぎるのかもしれないが。

CS4:アンカーオブジェクト,まだまだ索引

2012-08-02 19:04:53 | 泡沫
ePub書き出しを視野に,図表とか脚注なんかをレイアウト時にテキストにリンクするやり方を検討中。
ページをまたぐようなときがいろいろやっかい。リンクさせたい段落のおわりに挿入して,配置はカスタムにしてペとぺと置いていくようなやり方をしている。
PDFベースの電子書籍やさんと,分担執筆のカタい本を章単位で販売する算段をしている。これでなんとかめどが立つのかな-。専門書とかはノートPCで読める方がいいと思う。

正規表現スタイルを使い出して,細かい文字詰めとか,数式用英文フォントを本文組版に使うとかが格段に楽になって,たいへんありがたいことだ。索引もこれでかなり自動化できる。これにフォントセットを組み合わせるのをいろいろ試しているところ。ちょっとアタマ混乱してきた。

先週末は2日ともサビ残的なものがあって,冷房にあたることになってしまった。うち1日はほぼまる1日で,しかもかなり重い荷物を持ってうろうろ。なんか疲れたな-,と思って,月曜日はPark & Rideをサボったけど,これも悪かったみたい。帰りのバス降りたとたん,貧血起こしてへたり込んだ。這うようにしておうちに帰ったら,上げたり下したり……。火曜日はほとんど起き上がれず,薄いおかゆをたべていた(冷凍ごはん万歳。助かった……。凍ったままでも,お水を多めに,吹き上がってから弱火でゆっくり,すくなくとも10分はかければおいしくできるよ)。水曜日にやっとお医者に行ったら,常連さんたちがいっぱいで1時間待ち。いつの間にか寝てた。熱もないしのども腫れてないし,カラダを冷やしすぎたということのようだ。週末はあったかいところにいないとダメみたい。あと自転車に乗って血を回すこと。心肺に多少負荷をかけないと,貧血傾向がひどくなる。あと野菜ジュースもサボらずにのもう……。すきだからあればのむ(黒酢をちょっと入れるとおいしい)んだけど,このところ買いに行く暇がなかったのだった。
今週末は花火大会だから,いつものCRは使えない。体調よくないから,勝手のわからないコースを走るのはイヤだな。どうしよう。ローラー回すかしら。

心身とも,ちょっといろいろ参っている感じがする。江戸東京博物館の二条城展にでも行ってこよう。自転車で行くとヒンシュクかな? 着替え持って行って入室前に着替えればいいかな。