コネコ脱走

コネコは網戸を開けられるようになった。
どうもあやしい気配はあったものの，２センチくらいのすき間ができているだけだったので，網戸を開けて脱走する，という知恵はないのだろうと思っていたら，日曜日の朝，今しもお庭に降りようというていで，おしりをもこもこさせているところを発見した。
向かって左側，ようは右に向けて力を掛けるところしか開けないようなので，網戸にしておくなら右側に寄せて，どうしてもだめなところは雨戸でガードしていた。

が，いつのまにか左方向にも力を掛けられるようになっていた。夜ごはんを食べている間，フェルトボールでちょこちょこ遊んでいたのが，いつの間にか静かになったから，お二階の窓のところで外を見ているのかな，と思っていたのに，呼んでも来ない。
うろうろ探していて，お仏間の北側の網戸が開いているのに気づいた。

自転車のLEDライトで照らして，お庭の植え込みの中で遊んでいるのが，幸いすぐに見つかった。暗いところでつかまえられそうになったのが怖かったのか，ぱっと逃げて出ていったところからすぐにおうちに入ったのでそれほど時間は取られなかったけど，これからすきを見て逃げようとするだろう。
網戸ストッパーって使い物になるのだろうか。ちょっとこまったなあ……。

コネコはほぼ完全室内飼いで，お医者に行くときくらいしか，外には連れて行っていない。ただ，おうちの人がお庭で洗濯物を干したり，庭木に水をあげたり，掃除なんかをしているのが気になって気になって仕方ないみたいではあった。
ことしはなんだかカナブンが多くて，毎日のように網戸にはりつくのにもじゃれついていた。

網戸の網目がねこの目にはどのように見えているのかは，アタシにはわからない。
でも，すぐそばに見える，どうかすると触れるくらい近くにあるものと自分を隔てる，なにかわからない幕のようなものをどかす方法を，ねこはねこなりに探していたかもしれない。

おじょうさまもドアノブをさわるとドアが開くということはわかっていたようだったけど，ねこって結構，人の動きを見ているのだと思う。網戸のへりのところを触るのをまねてみたら開いちゃった，という感じだったのだろうか。