第42回文藝賞受賞作『窓の灯』青山七恵。
大学中退のまりもが、妖しい雰囲気を持つミカドの喫茶店で働きはじめる。
ミカドの部屋には、様々な男たちが。
まりもは、向かいの部屋にいる若い男が気になってしかたない。
男は恋人を部屋に連れてくる。
妖しい雰囲気がもやもやとしている、大人の小説です。
でも読後感は、さっぱり感があります。
ミカドの気になる人は、先生。
川上弘美さんの小説『センセイの鞄』でも先生がでてきましたね。
あれは、カタカナのセンセイ。
この小説に登場するのは、漢字の先生だけあって、
センセイよりも、生臭いです。
まりもが男の様子をうかがうために、カーテンを開けたり閉じたり、
レースのカーテン越しに観察したり、
ベランダで煙草を吸ったり、というのもおもしろかったです。
最後の方で向かいの若い男が、ミカドの部屋を気にかけている。
というのが、なかなかシャレた終わり方でした。
ちょっと刺激をうけたい人にオススメ~