玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

ハンカチを窓から投げ捨てろ!

2006年07月02日 | 日々思うことなど
豪一郎がゆく: 鏡の法則(ハンカチを用意して読め!)
人生の大切な考え方が実話に基づいて物語で書かれているのですが、読んだ人の90%が涙するそうです。(誰が計ったんだろう?でもぼくも涙が噴き出しました)

ぼくはこれを読んで、人間として大切なことを再認識させられました。読むのに10分ほどかかりますが、その時間を投資する価値は大いにあります。


はてなブックマークで300を超えるクリップを集めた人気記事である。

…何なんだこのクソみたいな文章は。
どうやら大部分はどこか(たぶんここ)からの引用らしいので新井豪一郎氏の文章力を批判するのはやめておくが、こんな駄文を読んで「人間として大切なことを再認識」したり「涙が噴き出す」というのはどうかと思う。
なんというか、レトルトカレーを食べて「こんなうまいもの食べたことがない!」と感涙に咽ぶ人を見てしまったような感じ。
 「この人は普段どんなものを食べてるんだろう?」 とか
 「これまでカレーを食べたことがないのか?」 とか
 「こういう人がグルメを気取らないでほしい」 とか思ってしまう私は性格が悪いのだろうか。

以前、「水からの伝言」という記事を書いたときにも思ったが、あまりにも多くの人たちが「いい話」「泣ける話」「感動」への警戒心を持っていない。
婉曲に言えばお人よし過ぎ、ナイーブ過ぎであり、はっきり言えば愚かしい。

「水からの伝言」では「地球上に住むどんな人にも適用でき、だれもが納得する、そしてこの世界をシンプルに説明することができる、たった一つの答え」なるものが示され、教育者を含めて多くの人たちがそれを素直に受け入れた。
「鏡の法則」では「人生のどんな問題も解決する知恵」が謳われ、「読んだ人の90%が涙」している。
私は「そんな安直な解決があるわけないだろ、馬鹿馬鹿しい」と呆れている。

こんなに信じやすいお人よしばかりの国が、どうして世界有数の経済力を誇るまでに発展できたのか不思議に思うが、逆に考えると「警戒心のないお人よしでも(ほぼ)問題なく生きていけるくらい民度が高い」のでうまくいっているのかもしれない。
「いい話」「感動」「涙」に気をつけろ、と言いたがる私のような存在は「空気に水を注す」余計者として好かれはしないだろう。

(追記)「『いい話』『泣ける話』『感動』への警戒心」と書いたが、「免疫」としたほうが適切かもしれない。

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