大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

心を動かす先人たち

2014年10月31日 | 労働者福祉
労働者自主福祉運動を学ぶ中で、4人の先人が紹介されています。
賀川豊彦、二宮尊徳、ガンジー、ケインズの4人です。
賀川豊彦はわが国の協同組合の父と呼ばれていますし、二宮尊徳はつい先日までこのブログで紹介してきました。
4人とも有名な先人ですが、その生い立ちや詳しい思想・哲学となるとなかなか不案内です。

二宮尊徳に続き、インドの聖人「ガンジー」を学んでいきたいと考えています。
またしばらくのお付き合いをよろしくお願いします。

武器によらず、言葉と、考えと、自分で見本を示すことと、自己犠牲によって不正と闘ったガンジー。
ガンジーは心をひとつにした運動を、そして決して暴力を使わない不服従運動を推し進めました。
無抵抗の不服従運動とは何か。
殴られても手向かわず、権力者に正しい要求をし、不当と思われる法律には従わず、同志は一団となって監獄に入っていくような静かな運動でした。
ガンジーはその不服従運動により、彼が死ぬまでの間にインドを独立に導いていきます。



お知らせ

11月1日の一万歩クラブ定例会は雨予報のため中止しますので悪しからず。
JRのさわやかウォークがどうなるかは不明です。

いのちより大切なもの

2014年10月30日 | 読書
みなさんにも経験があると思います。
(なぜ私は生きているのか?)あるいは(生きている意味とはなんだろう?)と自問自答することが…。
若い時には友達とそんなテーマでお酒を酌み交わして盛り上がったものです。

5年ほど前に1冊の本とめぐりあいました。
それでも人生にイエスと言う」本で、前作ブログ「南町の独り言」では何回も取り上げました。
悩んだりするとその本を取り出しては読み返しますが、いつも行ったり来たりで進歩のない自分が情けなくなったりもします。

先日また新たな1冊と出会い、そんな情けない自分でもいいんだと気づかされました。
著者の星野富弘さんは、中学校の体育教師でしたが、クラブ活動の指導中に事故に遭い頚髄損傷で首から下の自由を失います。
この本は、その全身麻痺の星野さんが口に筆を咥えて画を描き詩を書き綴った作品集です。
いのちより大切なもの (Forest books)
クリエーター情報なし
いのちのことば社

このなかで星野さんはこう語っています。
『…「いのちより大切なものとは?」と聞かれた時には、こう答えていました。
「その答えはこうですよ、と言うことは簡単だけど、きっとそれは意味のないことです。
自分で苦しみながら見つけた時に、あなたにとって意味があるのです」と。
見つけたと思っても、もしかしたらまた違ってくるかもしれない。
一生探し続けて、死を迎える前日に、ようやく自分なりの答えがみつかるかもしれない。
肝心なのは自分で見つけるということです』

私にとっていのちより大切なものとはなんだろうか?
あなたにとっていのちより大切なものはなんですか?

「3だけ主義」

2014年10月29日 | 日々徒然
「3だけ主義」というものがあるそうだ。
今だけ…カネだけ…自分だけ。

今がよければそれでいいじゃないの。
政府に1000兆円の借金があってもきっと大丈夫だよ。
だって今は誰も困っていないじゃない。

でも困っているとしても、たとえ1円のカネでも他人にやるのは嫌だね。
その代わり、タダ飯、タダ酒は大好きだ。
金持ちほどケチな奴はいない、とはよく言ったもんだ。

マイ・マイ・マイ…いつ頃からかマイブーム。
あまりにマイマイ過ぎて、友達はおろか家族さえも離れていった人がいる。
そりゃそうだ、人は支え合って生きているんだから、いざという時支え手にならない人からは逃げてくよ。
人は一人だけでは生きられず、ともに助け合って生きている。
家庭でも職場でも地域でもそうである。

でも、よくよく観察するとこの「3だけ主義」は私たちの周りにも万延している。

人は裕福になるにつれ思いやりが低下することを社会実験で証明したのは心理学者のポール・ピフ。
敗戦の混乱期を日本人は助け合って生きてきた。
ひたすら経済成長を追い求めながらも貧しい時代の人々は助け合って生きてきた。
臨時工と呼ばれた非正規社員を正社員化するための運動で労働組合はスクラムくんで闘った。
そしてバブルで日本中が舞い上がり裕福になっていく。
皮肉にも労働界の悲願でもあった労働団体の統一が実現した瞬間にバブルは崩壊した。

経団連は「新日本的経営システム」を提唱し、経営者寄りの自民党政権は「労働者派遣法」を改正し、労働者派遣を原則自由化した。
リーマンショックにより首を切られた派遣労働者たちの「年越し派遣村」が話題となった。
労働者の不満が最高潮に達して政権交代が起こった。
労働者派遣法に対する改善に期待がかかったが、民主党の拙い政権運営によりわずか3年で政権を奪い取られた。

そして今。
派遣労働のあり方を巡って国会で審議が始まった。

安倍政権の改正案が通ると確実に「生涯派遣労働」の世界が広がる。
民主党は派遣社員であっても同じ仕事ならば正社員と同じ賃金を得られる「同一労働・同一賃金」制度を進める法案を提出しているが、そもそもそれならば企業は派遣社員を雇用するメリットを失う。
そこで知恵者は考えた。
「同一労働・同一賃金」いいだろう、その第一ステップとして正社員の年功賃金制度を廃止しようと…。
そうなれば派遣会社に無期雇用された人も、派遣先の正社員も同等の賃金制度にできる。
どうりで安倍首相が個々の労使交渉にまで口出すはずだ。
ベアで口を出し、配分にも口を出すことを許したら、労働組合の存在意義など吹っ飛んでしまう。
もっともそれが狙いかもしれないけれど…。

「3だけ主義」の行き着く先は、「明日は我が身」と知り置こう。

健康づくりは足元から

2014年10月28日 | 遊び
内閣府の世論調査によると、自分の将来に不安を感じている人は69%に上っています。
その不安材料の上位3項目は、以下のとおりでした。
第1位:自分や家族の健康状態の悪化
第2位:大地震などの大規模な自然災害の発生
第3位:社会保障や教育などの公的サービスの水準の低下

このなかで自助努力で対応できるのは健康維持だけです。

…ということで「一万歩クラブ」へのお誘いです。
足の衰えこそが健康の天敵です。
歩くことの効能はよく分かっていても、なにかの歯止めがないと毎日1万歩を歩き続けることは困難です。
よほど強い意志の持ち主なら別ですが、私のような凡人にはとても難しいことです。
そのため「一万歩クラブ」の入会申込書では、「毎日一万歩歩くことを目指します」という宣言を規約にして署名してもらいます。
健康不安を抱えている方々はぜひ入会してください。
入会希望者はメールください。(hidekiyoshioka@me.com)

さて11月定例会のお知らせです。
イベント名:「小川港さば祭りと小泉八雲散策」
開催日:11月1日(土)
コース距離:約10キロ
所要時間:約2時間30分
集合:JR焼津駅南口 午前10時
解散:焼津駅南口

いつもはお弁当持ちですが、今回は弾丸ツアーを予定しています。
焼津の美味しい魚を探し求めるためです。
どなたかJR焼津駅周辺で、美味しい魚と美味しい地酒を味わえるお店をご存知の方がありましたらご紹介ください。
お願いします。


二宮尊徳番外編

2014年10月27日 | 労働者福祉
日曜朝の散歩途中で足を伸ばして母校の小学校へ行ってみました。
いつ頃かは定かではありませんが「金次郎像」があった場所にそれが無くなっていたことを思い出したからです。
その記憶は間違いかも知れないと思い、学校へ行きましたが確かにありません。
学校の周りを一周してみましたがどこにも見当たりませんでした。
「金次郎像」はどこへ消えてしまったのでしょうか?

わが国の国定教科書制度が確立したのは明治36年のことでした。
二宮金次郎(尊徳)は、“期待される少年像”として、最初から修身教科書のヒーローとして登場しています。
以来42年間にわたり教科書の中で紹介され続け、戦前の金次郎は一躍ヒーローになりました。
ところがそれらのいずれもが申し合わせたように少年時代だけの話です。
どの年の教科書も「金次郎は20歳の時に自分の家に帰り、せいだして働き、のちに偉い人になりました」で終わっています。
いわば金次郎は、富国強兵を担う意味での“徳の権化”としてのみ利用されてしまったのです。
金次郎がそのことを知ればどんなに悔しがったことでしょう。
村役人の選出にあたってもそれまでの習わしである上意下達を廃して、女性や未成年にまで参政権を与え、農民の全員投票を取り入れたり、農村改革の先駆者として「上を制し、下に厚い」という民主的な農政を敷いたことなどは完全に抹殺されてしまいました。

これほど偉大な人物が、戦後は軍国主義の手先だといわれて迫害されたことが、私は不憫でなりません。
二宮尊徳伝を読んでもらい、一人でも多くの方に真の姿を知ってほしいと願うのは私だけではないはずです。
混迷した現代においても尊徳の残した思想・哲学は充分に通用します。
政治家や官僚たちが分度を守って国家経営にあたっていれば1000兆円の借金などできなかったはずです。
推譲の考え方が浸透していればこれほどまでに格差が広がらなかったかもしれません。
戦後60年かけて失われてきたものは、これから先60年かけなければ復活できません。

「至誠」とは、真心を尽くすことです。
「勤労」とは、物事をよくよく観察し、認識し、それをもとに知恵を磨きながら働くことです。
「分度」とは、自分の置かれた状況や立場をわきまえ、それにふさわしい生活を送ることです。
「推譲」とは、分度を守り、勤勉に働き、その結果得た余剰を家族や子孫のために蓄えたり、他人や社会のために役立てることです。
「積小為大」とは、小さな努力、小さな蓄積の累積がやがては大きな収穫や発展に結びつくということです。
「一円融合」とは、尊徳の世界観であり、尊徳思想の到達点とも言えるものです。
いわば東洋思想の原点でもある陰陽説とも相通ずるものです。
これら6つの原理はすべて分かちがたく結びついており、これらを実践することで世の中の幸福が実現することを尊徳は教え残しました。
しかも尊徳の偉大なところは単なる学者でなく実践主義者であり、悪しき官僚主義者たちと闘ってきたことです。。

作家童門冬二は、その著書「二宮尊徳の経営学」で官僚主義の悪についてこう書いております。
「官僚主義というのは、改革を嫌がり、現状保持にしがみつく一種の保守主義である。
特に役所にこの性癖が強く、すべて“先例”を重んじ、先例にないことはやらない、などというのが官僚主義の最たるものだ。
また、官僚の給与を出している国民(住民)に対する責務感が薄い。
したがって、国民側から何か要望や要求が出ても、それが新しいものであればすぐには応じない。
「検討します」とか「いずれ連絡します」などという対応をする。
あるいは責任逃れから“タライ回し”をする。
これが官僚主義の悪いところだ。
一言でいえば、官僚主義というのは「自分の給与の出し手の立場に立たず、常に自分たちの身分や椅子を保ちたいがための保守主義」をいう」

尊徳の教えとともに、私たち自身への戒めとしても強く受け止めていきたいと思います。