大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

老人漂流社会

2014年10月03日 | 労働者福祉
「健康不安、お金の不安、住まいの不安、これが不安の3大要素です。
悪い人たちに騙される高齢者は、その不安につけ込まれて騙されます」

昨日開催された県司法書士会主催の消費者問題シリーズ「高齢者を取り巻く諸問題」で、講師が話された言葉です。
孤立化している高齢者を取り巻く諸問題は、確実に私たちの明日の問題です。
単に消費者問題と捉えるだけでは済まされない深刻なテーマでした。
研修を受けながら「NHKスペシャル“老人漂流社会”」を思い浮かべました。

第1回は「終の住処はどこに」のタイトルで、蓄えもなく家族の支えも受けられない一人暮らしの老人の姿を追いました。
第2回は「認知症800万人時代」のタイトルで、“助けて”と言えない孤立する認知症高齢者の話です。
80代の4割が認知症と言われていますし、長生きすればほとんどの人が認知症にかかります。
本人が認知症の自覚もないまま暮らしており、ディサービスやショートステイを拒否し、徘徊を繰り返す老人もいます。
そんな老人が引き起こすトラブルは後を断ちません。
第3回は「老後破産の現実」です。
現役時は働いていればその収入で生きていくことはできます。
老いて仕事もできなくなり、病をえれば貯えが底をつきます。
持てる資産をすべて手放して孤立したその先に見えたものはなんだったのでしょうか。
見ていない方は、NHKオンデマンドで見れますので、ぜひご覧になることをお勧めします。

高齢者は3000万人を突破しこれからもどんどんと増えていきます。
認知症患者も800万人時代です。
成年後見人制度を利用している高齢者も16万人を数えたそうですが、この後見人を担当している講師の苦労話も研修会でお聞きましたが、ほんとうに大変そうです。
入院中の病院から連絡を受けて飛び出しましたが、着いた時には亡くなっていたそうです。
家族は遠く離れており、病院から連絡しても来るか来ないか分からないとのこと。
病院としては早く遺体を処置して欲しいが受け取り手がない…。
困り果てて後見人が葬儀社へ手配しますが、お葬式を出す人がいない…。
無理やり親族の一人に頼み込みますが、葬儀終了後に費用が支払われない…。

認知症の高齢者が家人が目を離したすきに外へ出て、線路内に立ち入って人身事故。
家族は多額の損害賠償を請求された例…。

聞けば聞くほど切なくなってきます。
どうなるのかは、ほぼほぼ分かりました。
“さてどうしよう?”が、ほんとうのテーマです。

どうすべきか…本気になってこの問題に向き合いましょう。
まずは現役中からの様々な準備を怠らないようにしましょう。
そして現役中からちょっとだけでいいから支え手になるよう心がけましょう。
いつかは支えられる存在になるのですから。