大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

格差社会への反乱

2014年10月01日 | 政治
米軍のイラク・シリアへの空爆で、1日7億6千万円から10億9千万円の戦費がかかっているという。

「イスラム国」への空爆を続行しても、地上軍を投入しない限り(投入しても…かもしれないが)壊滅させることは難しそうである。
それどころか世界中から「イスラム国」へ合流する若者が後を絶たず、日本人もいるとの噂もある。
すでに80カ国以上から15,000人以上の若者が合流しているともいうが、どういうことがきっかけでそうなるのだろうか。

それだけの危険地域に若者を引き付ける「イスラム国」の過激思想もよくわからない。
イスラム法の忠実な下僕、イスラム法の原理主義者であろうということは推測できるが、イスラム教徒全体がそうではないから、イスラム法が悪法だともいえない。

ただ言えることは、イスラムにおいては立法者は神のみであるということ。
イスラム教の唯一神(アッラー)が定めたイスラム法のみが法律であって、社会生活のすべてにわたって様々な規律・規定を与えているのである。
解釈によっては、その法を破るととんでもない刑罰が下される。
不倫したものは鞭打ちや石打で公開処刑される。
窃盗罪は手首の切断だそうだ。
いい悪いは別として、絶対の世界である。
まさしく神のみが正義で、神の下ではみな平等であり格差はない。

ひょっとしたらこの全世界的な格差社会において、希望さえ無くし絶望的な立場に置かれている若者たちの反乱かも知れない。
そう考えれば過激思想に感化された若者たちの思いも少し分かるような気がする。
ある意味、米ソが対立していた冷戦時代は、それぞれの壁の中でいいも悪いもバランスが取れていた。
貧しい東側と豊かな西側との壁がソ連崩壊によって取り外された。
それ以後、新自由主義による世界経済のグローバル化が展開された。
世界中で貧富の差が拡大し、同じ国内においてもそれは広がっていった。

国連安保理でテロに走る若者封じ込め策が検討された。
疑わしき者から旅券没収や渡航者の帰国拒否などなどだ。
しかしそれだけでは付け焼刃、根っ子からの対策を講ずるべきだ。

希望を失った若者たちにも問いたい。
無差別テロの向こう側にほんとうにあなたたちが目指す社会が誕生するのだろうか?
民主的な選挙を求める香港の若者たちの無抵抗デモに私は強く惹かれるが、無差別テロには同情はおろか憎しみしか感じない。