大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

円高の影響(輸出&輸入)

2016年02月12日 | 経済
下の図は日本の輸出相手上位国です。
これらの国の通貨と円との比較を見れば、輸出への影響がある程度わかります。
日銀がマイナス金利政策を発表したのが1月29日、どの国の通貨に対しても瞬間的には円安に振れていますが、その後急激な円高に転じています。
これだけ急激な為替の変動は実体経済とは無関係であり、金融政策の誤りや、行き場を失った投資マネーが悪さをしているとしか思えません。

2014年の輸出総額は73兆1千億円でした。
第1位はアメリカ(18.7%)

第2位は中国(18.3%)

第3位は韓国(7.5%)

第4位は台湾(5.8%)

第5位は香港(5.5%)


逆に輸入相手上位国です。
円高に振れれば輸入品は安くなります。

2014年の輸入総額は85兆8千900億円でした。
第1位は中国(22.3%)
第2位はアメリカ(8.8%)
第3位はオーストラリア(5.9%)

第4位はサウジアラビア(5.8%)

第5位はアラブ首長国(5.1%)

オーストラリア、サウジ、アラブの国々からは原油・天然ガス・石炭・鉄鉱石を始めとする資源を輸入しています。

さてみなさんはどんなことを感じましたか?
もちろん貿易を為替だけで論ずることはできませんが…。

金融が破壊される?

2016年02月10日 | 経済
円がマイナス金利、ドルがプラス金利ならば為替は円安ドル高に動くはずです。
しかしそうした金融政策が効かなくなっています。
円高株安の状況を端的に示したグラフ(毎日新聞)をご覧下さい。

どうしようもない不安感が世界中を覆っており、これから歯止めのない通貨安競争が起こるやもしれません。
日経新聞には「金融が破壊される世界が現実味を帯びてきた」、というエコノミストの声が紹介されていました。
「金融が破壊される世界」とはどんな世界でしょうか?
実体経済がこれ以上悪化してくると現在の金融世界には巨額の損失が生まれます。
そうなると我先にとその穴埋めのために投資先からの貸し剥がしや、保有資産の投げ売りが始まるでしょう。

いつかきた道の再来です。
そして虚構に満ちたアベノミクスの終焉です。
今がその時でなくとも、必ずマネーゲームは終わります。

マイナス金利の影響

2016年02月03日 | 経済
日銀のマイナス金利政策が波紋を呼んでいます。
大和総研によるとマイナス金利政策を先行して導入した欧州では、預金者からマイナス金利分のコストを徴収する取り組みが進んでいるそうです。

今朝の朝刊で金融機関の対応について追ってみました。

「日経新聞」
・大企業などの普通預金に口座手数料導入を検討。
 中小企業や個人に対しては定期預金の金利引き下げを検討。
                 (三菱東京UFJ銀行)
・3月に発行予定の10年物の新型窓口販売国債の募集を需要が見込めないとして中止。
                       (財務省)
・メガバンクの株価が1割近く下げ、生保株も下げがきつい。

「静岡新聞」
・ゆうちょ銀行は預貯金金利の引き下げが避けられない見通し。
・各銀行は「なるべく預金を増やさない対応」に動き始めた。

「朝日新聞」
・インターネット専用定期預金の受付中止。
                 (岩手銀行・荘内銀行)
・500万以上の定期預金と、ネット経由で預けられた100万以上の定期預金金利引き下げ。
                      (新生銀行)


バブル経済が崩壊の時は、いきなり日銀が金利を引き上げ、貸し出しの総量規制をしたために不動産や株の暴落が止まらなくなり、銀行は莫大な不良債権を抱えて苦しみました。
私の周りでも、投資目的で買った「億ション」がマンションに変わって大損したり、株の信用取引に手を出していて退職金を穴埋めに使ったり、家庭不和になり離婚した人たちの姿を見てきました。
その後のバブル崩壊で、日本中が大混乱し「失われた20年」に陥ったことは記憶に新しいことです。

マイナス金利!預金して利息を取られる!
生涯初めての経験ですから、これからなにが起こるのかをしっかりとこの目で確かめなければなりません。

景気に火がつくか?

2016年02月02日 | 経済
日銀総裁黒田マジック第3弾はビックリポンの「日銀マイナス金利」政策。
マイナス金利の影響を直接受けるのは日銀に預金を預ける銀行のみですが、間接的には私たちもその影響を受けます。
なぜこうした状況になったのか私なりに考えてみました。
もちろん素人ですからその分は割り引いて読んでくださいね。

2012年12月16日、総選挙で自民党は圧勝します。
その状況を「南町の独り言」では「あらためての衝撃」として綴ってありました。
いよいよ第2次安倍政権が始まりましたが、これほどまでの強引な政策展開を図るとは想像だにしませんでした。
翌年3月、日銀白川総裁が任期途中で退任し、安倍首相の意を汲む黒田総裁にバトンタッチします。
黒田総裁は就任直後から異次元の金融緩和政策に転じます。
マネタリーベースを増やすことで景気浮揚と物価上昇2%を実現し、デフレ経済からの脱却を政府とともに果たすことを錦の御旗にしたのです。
確かにマネタリーベースはもの凄い勢いで増加していきました。

しかし安倍さんや黒田さんの思惑通りにはいきませんでした。

マネタリーベースとは以下の算出式で表されます。
「マネタリーベース」=「日本銀行券(紙幣)発行高」+「貨幣(硬貨)流通高」+「日銀当座預金高」
簡単に言えば出回っているお金の総量のことですね。
「日銀当座預金」とは、銀行などが「準備預金制度」により日銀への預金を義務付けられているお金と、運用や保管のために日銀へ預けているお金のことです。
「準備預金制度」による預金は従来からゼロ金利であり、今回のマイナス金利には関係ありません。
今回のマイナス金利とは「準備預金制度」以上の預金に対して、これまで0.1%つけていた金利を、2月16日からマイナス0.1%にするというものです。
なぜそうするのかは下表で推測できます。
これは日銀当座預金高推移です。

14年12月残高178兆円が、15年12月末には253兆円になっています。
要するにいくら金融緩和をしてもトリクルダウンは起きないので個人消費は増えないし、結局お金は市中に回らずに、運用先もみつからずに、日銀へ戻ってくるということですね。
これではたまらないから、マイナス金利にすれば銀行は預金をして金利を払うより他に貸し出そうとなるはずです。
運用先を株式投資に向けるところもありますから低迷している株価対策にもなりますし、円安に誘導して企業業績アップにもつながると考えます。

円安→企業業績アップ→株価アップ→賃金アップ→消費拡大→物価上昇→デフレ脱却→内需拡大→GDP600兆円…
まあこんな目論見ではないでしょうか?
うまくいけばいいですが、失敗すればこの国はどうなるんでしょうか?
ここまできたならば労働組合も覚悟を決めて、より積極的な賃上げと最賃1000円の実現にがんばるしかありませんね。

逆回転は必然か?

2016年01月13日 | 経済
世界的株安で大騒ぎだが、これは逆回転の始めだろうか。
2008年のリーマンショック後、日本や米国をはじめとした先進国はこぞって金融緩和策をとった。
大量の緩和マネーはマネーを求めている財政基盤の弱い新興国や資源国や株式市場に向かった。
いうなれば世界的なバブル化が起こった。
リーマンショック前の2005年から現在までの「NYダウ」と「日経平均」の株価指数を見てみよう。

これが「NYダウ」の推移である。
黒い部分が下落ゾーンである。


次が「日経平均」である。
「NYダウ」と違う点は、2011年の東日本大震災による下落である。


大量の緩和マネーは株式市場にも回り大天井を形成したが、マネー供給がストップすれば下がるのは必然だ。
中国経済の減速、昨年末発表した米国の利上げ、下げ止まらない原油価格、昨日も起きたISによる自爆テロ、すべての出来事には原因がある。
内なる原因であろうが外なる原因であろうが根っ子はひとつに連なるような気がする。

もし新自由主義・金融資本主義の終焉が今であるならば、苦しい状況は続くがそれも良しとしなければならないだろう。