大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

虐待が子どもに与える影響

2014年10月13日 | 労働者福祉
聞くことさえおぞましい虐待という言葉。
そのおぞましい虐待が子どもに与える影響には想像以上のものがあることを自己啓発研修会で学習しました。

私たちの子ども時代は決して豊かな生活とはいえませんでした。
生まれたのは敗戦からわずか6年後ですから、親達は生きるだけで精いっぱいの時代です。
でも親達は、生まれてきた私たちを心から愛して大切に育ててきてくれました。
どんな貧乏な家庭であってもそんな家庭ばかりでした。
そんな私には子どもを虐待する親の気持ちがどうしてもわかりませんでした。
率直にそんな疑問を講師にぶつけましたが、現実的に虐待は増加傾向にあります。

子どもを愛してはいるけれども、親の愛情表現にもいろいろあります。
昔はどんなに忙しくとも朝晩の食卓には家族そろって席に着きました。
それだけでも家族を感じて生きてきました。
子どもと親との関わり方がいびつであると“愛着障害”が起きます。
愛着障害を起こすと、生涯にわたって生きづらさが生じ、ストレス耐性も弱くなるといいます。
子どものもともとの気質ではなく、親と過ごす時間、養育の仕方、親自身の愛着スタイルによって、その子の生涯変わらない生き方になるそうです。
様々な愛着パターンを聞くうちに“関係性を持つことが下手な大人”が増えてきた原因が分かるような気がしました。
それは私たち世代の親の責任です。
関係性が持てない親からは何も学べません。
そんな子どもが親になるわけですから、当然その子どもたちは輪をかけて関係性を結べなくなります。
問題は複雑ですが、まずはそれらのことに気づくことから始まります。

子どもは自己中心性を持つ生き物です。
親から虐待を受けても、自分のせいだ、自分が悪いからだ、と自分を責めます。
その心は大人になってもずっと残ります。

自分を守るために意識や感情を切り離して麻痺させます。
麻痺させなければ自分が耐え切れないからそうするわけですが、それが常態化すると自分の痛みだけでなく相手の痛みも感じなくなります。
考えられないような残忍なことを平気でやるようになってしまいます。

虐待を受けた経験のある子は、子どもに虐待をする親になる傾向があるといいます。
DV被害者も同様で、再婚相手からもDV被害を受けることが多いといいます。
虐待関係の反復傾向です。

虐待の起こらない社会はどうすれば実現するでしょうか?
虐待されている子どもを救うためには、虐待している大人を救うことが必要だと講師はまとめてくれました。
フードバンク事業もそうですが、社会の実態をまずは知ること、知らせることが重要だと思いました。