大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

政治とはなにか(2)

2016年05月25日 | 政治
政治という言葉を私たちはなんの意識もなく使っているが、あらためて「政治とはなにか」を突き詰めて考えると難しい。
古代社会からこの現代にいたるまで「政治」が存在しなかった時代はないが、「政治」のスタイルやルールは異なっていた。

世界最古の「政治」スタイルは、古代社会の「神権政治」だ。
神権政治とは神官が神の代理人として神の権威を利用して行った政治のことである。
さまざまな都市が覇権をめざし領土を拡大し王国が誕生する。
その頂点に立ったのが王であり「王政」を敷いて社会を統治した。

次に登場するのが王様を追放して始まったローマの「共和制」である。
共和制というのは王などの国家元首が政治を決定するのではなく、民が統治上の最高決定権を持つという政体である。
しかし実際には貴族が政治を支配する「貴族共和制」であった。
ローマ共和国は地中海世界に領土を拡大し、ローマ社会に多くの富をもたらした。
一方で軍役に回される平民の生活は良くならず、貧富の差が拡大し社会は荒廃していき内乱の時代を迎える。

内乱時代を乗り越えて、地中海全域を制覇して権力を握ったローマはその頂点に皇帝をおく「帝政」を敷き「ローマ帝国」時代が開かれる。
ローマ帝国の五賢帝時代までの200年間はパクス=ロマーナ(ローマの平和)と呼ばれ、優れた5人の皇帝により全盛期の時代を迎えた。

「神権政治」→「王政」→「共和制」→「帝政」と時代と共に政治スタイルは変わっていった。
どの時代でもそうであるが、ローマ帝国も同様で、その後政治が乱れローマ帝国は混乱期に入ると皇帝の権威は失墜していく。
その権威を回復するために「専制君主制」を始めるが、領民に対して皇帝崇拝とローマ宗教の信仰を強要したため、キリスト教徒が厳しく反対した。
キリスト教の誕生と浸透が社会に大きな影響を及ぼし始めたのである。

これらの動きはまた統制する力の変遷でもあるが、統治される側(民)は、世襲制・身分主義・農本主義という封建制度に縛られたままで何も変わらなかった。
それを大きく変えていくのは18世紀におこった「産業革命」と「啓蒙思想」である。

(つづく)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿