大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

私もあなたもOK?

2016年02月09日 | 心理
個人個人の人生は自己の決断の影響を受けています。
そしてその決断には個人の責任が伴っています。
するもしないも決断ですし、右か左かも決断です。

人にはそれぞれ個性があります。
決断力が優れた人も劣る人もいますし、人懐こい人や人嫌いの人もいます。
とかく生きにくい時代ですから、しっかりと自己防衛しておかないと病んでしまうかもしれません。
どう自己防衛を図るのか、まずは自分自身を知ることです。
自分自身とは自己概念のことで、人は概念に対応した生き方をしています。
ひとりの人間のなかには自己概念だけではなく他者概念もあります。

下図をご覧下さい。

人は自分と他人について次のような捉え方をします。
(1)自己を肯定的(OK)に捉えているか、否定的(NotOK)と捉えている。
(2)他者を肯定的(OK)に捉えているか、否定的(NotOK)に捉えている。

自己肯定には2タイプあります。
a、私はOK-あなたもOK
このタイプの人は自他肯定的なので、対人関係は協調的です。
また対人関係からプラスを生み、心的成長を果たします。
b、私はOK-あなたはOKではない
このタイプの人は自己概念は肯定的ですが、他人を否定的に捉えているため、他人を排斥する傾向が強い人です。相手の欠点などが目につきやすく、それを指摘することはやぶさかではないので、相手が近づかなくなります。

自己否定にも同様に2タイプあります。
c、私はOKでない-あなたはOKである
このタイプの人は対人関係を自己否定のために利用するので、神経症に陥りやすい人です。
また対人関係を否定的自己概念の証明に利用するので、対人関係を回避したがります。
仮に対人関係を維持しても、それは深まらず、その交流は回避的なものになります。
d、私はOKでない-あなたもOKでない
このタイプの人は自分も他人も否定する目的で対人関係を結ぶので、その交流はつねに無力的で、そこには効果的・快適な手ごたえのある交流はありません。

まず自分自身を知ることから始まり、そして足らざるところにエネルギーをかけることで、多少なりとも自分を変えることができます。
人間の心理って面白いですね。

目には見えない大切なもの

2015年12月15日 | 心理
究極のコミュニケーションの姿とはなんだろう?

あなたと 呼べば    あなた と答える

山の こだまの    嬉しさ よ

あなた なんだい   そらは青空  二人は若い 


古い方ならご存知の唄「ふたりは若い」ですが、なかなかこのような具合には意とするところが相手に伝わりません。
というよりも聞いているのかいないのかもよくわからない時があります。
そんな経験がみなさんにもきっとあると思います。

こちらがイライラしていたりすると余計に相手が見えなくなってしまいます。
そんな状況でこちらのイライラ感をぶつけて失敗したことが何回もあります。

自分が直接関わるコミュニケーションですらそうですから、他の人を介して伝えることは実に難しいことがわかります。
会議で決定したことも組織によっては、その決定事項がまったく下に伝わっていないことがあります。
そこには重大な欠陥が潜んでいます。


どうすれば双方向のコミュニケーションがうまく成立するのでしょうか。
コミュニケーションという目には見えないけれど確かに人と人との「間」にあり、私たちに強い影響を与えているものに対してどのくらい価値を置くか、ということが現代社会には問われているような気がします。

ひょっとしたら皆さんも、そもそも自分のコミュニケーションに問題はない、自分はできている、と思っていたりはしないでしょうか。
皆さんも…という意味は私もそうだったという反省の意味からのつぶやきです。
もっともっとコミュニケーションに価値を置いて、自分を磨いていきたいと思います。

組織の特徴

2015年11月20日 | 心理
組織の特徴とはなんでしょうか?
組織心理学ではこのように定義づけています。

1、達成すべき目標が明確に存在する。

2、それを組織の構成員が共有している。

3、その目標を達成するために構成員がそれぞれ役割を分担している(分業)

4、分業には「水平方向の分業」と「垂直方向の分業」がある。
   (水平とは職能、垂直は職位や序列)

これを満たしていない組織は組織とはいえないということです。

それではこれだけを満たしていればうまくいくのかというとそうではありません。
どんな組織にも葛藤が生まれます。
課題に対する葛藤や、人間関係における葛藤です。

その葛藤をただ避けるのではなく、葛藤を直視し、それを適切に処理していくことが組織全体の発展には欠かせません。
そこにリーダーシップが存在します。

「マネジリアル・グリッド理論」と「PM理論」によるリーダーシップ像です。

下図が「SL理論」です。
「SL理論」には理想像というものはなく、それぞれのリーダーの行動スタイルを表します。

自分のスタイルを知って理想的なリーダー像を追い求めたいと思いますが、ここでも肝心なのは行動ですね。

からだを向ける

2015年11月19日 | 心理
私たちの周囲に起こる様々な問題、そのほとんどに人間的要素が含まれています。
一見すると、パソコン(PC)やスマホなどデジタルの世界にそれは関係なさそうにも思えます。
が、操作段階では必ず人の関わりが出てきます。
そう考えていくと、人間的要素と無縁の問題などないのかもしれません。

しかし不思議なことにPCの普及が進むにつれて、人間的要素の基本である人と人との関係性が薄れてきました。
たとえば同じオフィスで働く同僚同士でのやりとりが会話ではなくメールでのやりとりに変化したり、終日PCと“睨めっこ”している社員が増殖しています。

TVドラマ「下町ロケット」が人気です。
舞台となっている佃製作所、活気があっていいですね。

昔はどこのオフィスへ行ってもあんな雰囲気でした。
お客さんが来れば出入りの業者さんにでも、ほぼ全員が目を上げてからだを向けてくれました。
視線を合わせてちょっと会釈をされただけで、こちらの気持ちが明るくなりました。

今はどうでしょうか?
私も反省しています。
歴史をまとめる作業でほとんどPCと向き合う日々が続いています。
誰か来てもPCを打ちながら、あいさつしたり返事をしたり…お客さんと視線を合わせることもしませんでした。

今もPC作業は続いていますが、ちょっとだけ改善トライをしています。
1、お客さんが来たら、必ず目を上げて、からだを向けて挨拶しよう(ほぼ90%実行)。
2、PCタイムは1回30分と決めて、続きはアナログ作業30分の後にしよう(ほぼ80%実行)
3、O/PのないI/Pはしない(守っています)

不思議なことに効率は格段に向上しました。
気分転換にもなるし、なによりもお客さんとの関係性が深まった感じです。

五十にして天命を知る

2015年11月11日 | 心理
今読んでいる心理学史によると心理学の前身は、古代ギリシアの哲学者に遡ります。
代表的な哲学者としてアリストテレス(紀元前384-322)が紹介されていました。
現在私たちが学んでいる心理学のルーツは西欧哲学にあることは確かですが、もっとわかり易い「人間研究」が東洋ではなされていました。
それが孔子(紀元前551-429)の創始した儒学です。
孔子の死後、弟子たちが記録した「論語」は今でも十分通用します。

心理学の前身は哲学ですが、そののち医学や生物学の影響も受けて、「理性主義」と「経験主義」のふたつの大きな流れをつくります。
「理性主義」とは、人間の理性には生まれつき、ある種の観念が備わっているという考え方です。
極論すれば年をとればそれなりになっていくということでしょうね。
代表的な哲学者のひとりが、仏のデカルト(1596-1650)です。
「経験主義」とは、人間の観念は感覚的経験を通して得られるという学習説です。
英の哲学者ロック(1632-1704)は、「心は生まれつきなんの特徴も持たない白紙である」と仮定していますが、白紙の上に経験が刻まれていくということですね。
どちらにしても心理学とは「人間研究」のひとつです。

それでは孔子の説いたこの人間の生き方はどちらの流れで説明できるのでしょうか?

それにしても人生80年時代になんとウンチクのある言葉でしょうか。
あの孔子でさえも、60になって人の言葉がすなおに聞けるようになり、 70になってようやく思うがままにふるまっても道をはずれないようになったということですから、私もまだまだ人生を諦めてはいけないんですね。

「天命」について考察していくと、米・発達心理学者E・エリクソン(1902-1994)の「ライフサイクル論」に行き当りました。
人間は主要な8つの要素を、生涯のそれぞれの時期に発現させ成長させていくという発達漸成論ですが、十分にしっかり育たずどこかが欠けていればいびつで小さなままになってしまうという説です。
孔子の説く天命を悟る時期をエリクソンは「生殖性」と名づけました。
「中年期の成人には、成長途上にある人々の成長を助けたり、世界の維持に尽力するなど、自分以外の他者のために自分の持つ力を発揮することに喜びを見出す(生殖性)という特性がある。
しかし、この時期にそのような感覚をもてないと、自分を甘やかすことだけに関心を向けるようになる」

論語を西欧風心理学で科学的に解き明かすのも面白いですね。