大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

覇権の歴史

2015年06月18日 | 歴史
世界の歴史は「覇権」の歴史です。

史上初の世界覇権国家は、15世紀覇権を競ってポルトガルを併合した「スペイン」でした。

17世紀の覇権国は、スペインから独立した「オランダ」です。

次にオランダに勝利し、フランスやドイツからの挑戦をしりぞけて、19世紀の覇者となったのは「イギリス」でした。
しかし、第1次・第2次世界大戦を通して、欧州は疲弊・衰退していきます。

米ソ冷戦の時代を経て、ソ連崩壊の後、「アメリカ」が20世紀の覇権国になりました。
覇権国アメリカのパワーの源泉は、圧倒的な軍事力と世界基軸通貨ドルです。

最大の強みは最大の弱みにもなります。
2008年のリーマンショックを機に、世界金融危機が起こります。
米ドルやユーロの没落でアメリカや欧州も衰退を始めます。
史上最悪の財政状況では世界の警察官の役割にも綻びが生じてきます。

そして今や、世界はアメリカと「中国」の覇権競争に入りました。
豊富な資源を背景にしてロシアも、中国寄りの体制で復活を狙っています。
ユーロ圏の離脱もありうるギリシャ政府はロシアに接近しています。
昨日今日の日経新聞からの抜き出し記事です。
みなさんはどう感じますか?

さて世界の覇権はどこへ向かうのでしょうか。
それはまさしく超大国の国益の向かう方向でしょうが、国益のための戦争は歴史の語るところです。
戦争による経済復活も選択肢のひとつですし、資源をめぐる争いもその引き金になるかもしれません。
考えるだけでも恐ろしいことですが、これが覇権の歴史です。

歴史の裏側から見えるもの

2015年02月20日 | 歴史
国会論戦でイスラム国による人質殺害事件の真相が明らかになるだろうと期待していましたが、政府はのらりくらりと事実を隠蔽しようとしています。
トルコの外務相が共同通信との記者会見で、日本政府にはすべての情報を提供していたと証言していても、政府はそのことに関しては答えられない、の一点張りです。
このやりとりをきいて、背中がゾッとしてきました。
日本人は農耕民族のお人好しですから、歴史の中で騙されてばかりきました。
歴史の裏側からみると実によくわかります。

忌まわしい戦争はあるとき一瞬にして起こります。
満州事変の引き金を引いた柳条湖事件は、関東軍による謀略でした。
日中戦争の引き金を引いた盧溝橋事件も、夜中に響き渡った一発の銃声です。
太平洋戦争の引き金を引いた真珠湾攻撃も、ルーズベルトによる陰謀でした。

ルーズベルトは劣勢で敗色濃い英国のチャーチルから支援を求められますが、アメリカ世論は厭戦気分で参戦など到底無理な状況でした。
そこでルーズベルトは世論を戦争へ導くために大きな仕掛けを考えます。
ハワイは、日本海軍をおびき寄せるための大きな仕掛けだったのです。
そのあたりのことは「はめられた真珠湾攻撃」を読んでいただくとよく分かります。

もうひとつみなさんにぜひ見ていただきたい映像があります。
英国BBCがつくったドキュメンタリーを、1989年12月8日にNHKで放映した番組です。
真珠湾攻撃を防御されるとせっかくの演出効果が薄れるために、ハワイ島防衛の責任者であるキンメル長官は情報を一切与えられていませんでした。
そのために日本海軍の奇襲は成功し、キンメル長官はアメリカ国民から非難され、罷免されます。
NHKスペシャル 真珠湾攻撃~暗号を解いた情報部員たち~

歴史に“たられば”はありませんが、もしあの時、日本が軍縮に応じていれば、輸入全面禁止に耐え抜いていれば、世界の歴史は変わったかもしれません。
もしあの時、真珠湾におびき出されなければ、東京に4万8千発の焼夷弾が落ちることも、長崎と広島に人類史上最悪の地獄図をみることもなかったかもしれません。

今年は戦後70周年です。
イスラム国騒動に振り回されず冷静になって、あらためて歴史を振り返ってみましょう。
戦争に引きずり込まれることだけは、なんとしても阻止しなければなりません。

広島の日に思う

2014年08月06日 | 歴史
世界で唯一の被爆国日本。
最初の原爆は69年前の今日、広島に落とされた。
8月9日、二発目の原爆が長崎に落とされる。
この世とも思えないような地獄図が展開された。

長崎に原爆が落とされた日に突如、不可侵条約を破ってソ連が参戦、満州に取り残された50万人ともいわれる日本人は難民と化した。
侵攻してきたソ連軍や暴徒化した中国人民による暴行・略奪・虐殺は9月になっても続いたと言われている。
そして8月15日の終戦を迎えるが、戦争の恐ろしさ・原爆の怖さを身を持って体験した日本は、不戦の誓いを立ててそれ以降一切の戦争には加わらなかった。
戦争には正義がない…というより勝者が正義となるから、敗者には絶望と憎しみだけが残る。
世界中がきな臭くなっている今、だからこそ日本の役割は大切になっていると思うのだが、なぜかこの時期に不戦の誓いを捨てようとしている。
私には到底理解できない、なぜこの時期なのか?

歴史は繰り返す。
ヨーロッパの戦国時代に世界の覇権をめぐって争われた第1次世界大戦、同盟国(ドイツ、オーストリア、オスマントルコ・・)と連合国(イギリス、フランス、ロシア・・)の戦い。
日英同盟の関係から連合国チームに途中参戦した日本、そして戦争の長期化で起こったロシア革命・・・。
連合国が勝利し、敗戦国にとてつもない賠償を迫ったヴェルサイユ条約。
賠償金のため貧困にあえぐドイツ民衆と共産化を恐れた資本家を味方につけたヒトラーの出現、そして第2次世界大戦の勃発。
日本への原爆投下、そして終戦。

日本の驚異的な経済発展とバブル崩壊、アメリカの1極集中そして資本主義の暴走、NY同時多発テロに端を発したイスラムとの戦い、世界的な金融不況と異次元の金融緩和…貧困、多極化、混乱。
もはやアメリカに変わる世界の警察官はいなくなり、世界中で紛争が勃発。
資源を奪い合い、宗教をめぐって争い、独裁国家はミサイルを売りつけて生計をたてる。
日本も遅れじとばかりに軍需産業にGOサインを出し始めた。

69年前の8月6日を思いながら、今を考えてみた。

ビッグ・ヒストリー

2014年04月22日 | 歴史

137億年前のこと、時間や空間さえない真っ暗闇のなかで、突然バン!と爆発が起こります。
もの凄いスピードで爆発は拡がり宇宙が誕生しました。

45億年前のこと、我が太陽系が形成され、地球も誕生しました。

6~8億年前のこと、太陽からの距離も程よくて、水でできた巨大な海がある地球には、多細胞生物が登場します。
菌類が誕生し、魚類が誕生し、植物や爬虫類、そして恐竜が誕生します。

6500万年前のこと、小惑星が地球に衝突し、核戦争のような衝撃を受けて恐竜は絶滅します。

20万年前のこと、地球に人類が登場します。
それは脳をもった生物の誕生でした。
情報を蓄積し学習する脳。
しかも人間を特別にしたのは言葉の存在です。
私たちは伝達のシステムである言語を授かったのです。
学んだことを正確に他人と共有できるので、集合記憶としての情報の蓄積も可能になりました。

1万年前のこと、最後の氷河期の終わりを活用して人間は農業を学びました。
そのエネルギーで人口は何倍にも増えました。

500年前のこと、人間はグローバルに繋がり始めました。

200年前のこと、石油を発見すると社会は驚くべき変化を遂げていきました。

そして今、過去1万年にわたり人類文明の発展を可能にしてきた様々な条件が弱体化してきました。



これはNHKで放映されている「スーパープレゼンテーション」のなかのひとつ、デビット・クリスチャンの「ビッグ・ヒストリー」ですが、18分間にまとめられた壮大な宇宙の物語は一見の価値ありです。
最後にデビットは、こうまとめています。
「ビッグヒストリーは、我々の複雑性と脆弱性、そして我々が直面する危険の本質を示すだけでなく、我々の集団学習の力を示してくれる」

137億年と1日目の今日、私たちの脳はさらに学習しているはずです。
そして瞬きする間もなく137億年と1年はあっという間に過ぎ去っていきます。
だから「元旦や あっという間に GW」なんていうのは当たり前なんですね。

平和のための戦略

2014年03月12日 | 歴史
『…だから、おたがいの違いから目を背けるのではなく―人類共通の利益に目を向け、相違点をのりこえる方法を考えよう。
その違いをいますぐ解消できないにしても、少なくとも世界が多様性を受け入れられるように手助けすることはできる。
とどのつまり、私たちの最も基本的なつながりは、私たち全員がこの小さな地球の上に住んでいるということなのだ。
私たちはみな、同じ空気を呼吸している。
私たちはみな、子どもたちの将来を案じている。
そして私たちはみな、命に限りある存在なのだ…』

このケネディの演説は、何よりも、一見和解しがたいと思える敵とも協力はできるとアメリカ国民に強く訴え歴史を変えました。
ソ連の指導者フルシチョフはこの演説を、ルーズベルト以来の歴代大統領のなかで最高のものと評価し、6週間後、モスクワで部分的核実験禁止条約が締結されたのです。
これがきっかけで、やがて冷戦そのものが終焉を迎え、ロシアおよびソビエト連邦下の14の国家が独立を果たすことにつながったのです。


ことの発端は1961年のカストロ政権(ソ連寄り)打倒を目指すアメリカのキューバ侵攻です。
ソ連はそれに対する報復の一環として核ミサイルをキューバに配備しました。
アメリカとソ連があわや核戦争に突入かという一触即発の緊急事態になります。
世界は固唾をのんでこの事態を見守りましたが、寸前のところで大戦は回避され、ソ連は核ミサイルを撤去し、アメリカはトルコに配備されていた核兵器を引き上げます。
世界の破滅という危機に直面し、暗い淵を覗きこんだケネディならではの名演説です。

1963年6月10日アメリカン大学卒業式におけるケネディの演説は「平和のための戦略」として世界平和に大きな貢献を果たしましたが、その年の11月22日、テキサス州ダラスで暗殺されます。
そしてソ連のフルシチョフ大統領も2年後失脚し、世界はまた大きく動き出します。
私たちにとっては世界平和を守った英雄と映りますが、当事者たちの国内事情はそんな単純なものではなかったようです。

そして今また、キューバ危機以来の東西直接対決の危機が、ウクライナのクリミア地域で勃発しています。
理想を貫き通す偉大なリーダーたちの出現に期待します。