大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

大本営発表

2014年06月30日 | 日記
1942年6月5日~7日にかけて日米の海軍が大激突した。
この海戦を契機にして日本は敗戦への坂道を転がり落ちていく。
有名な「ミッドウエー海戦」だ。

この戦いで日本海軍は空母4隻・航空機300機を失い、完膚なきまでに叩きのめされた。
しかしその事実は国民に知らされなかった。
これが大本営発表だ。

もしあの時に事実を知らされていれば、広島や長崎に原子爆弾は落ちなかったかもしれない。

言霊を悪用するとこうなるという証拠だ。
「ありえないことだから、なかったことにしよう」
「考えないことにしよう」
「見なかったことにしよう」
「聞かなかったことにしよう」…

日本の民主主義はこの日から進歩していないのかもしれない。
民主主義の強さと活力は、参加する人々が多様性を発揮し、活発に議論する中にこそある。
そこで重要になることは、他人の考えや意見に寛容と尊敬を示す態度だ。
自分とは違って物事を見る人々も多い。
それが右であろうが左であろうがまずは疎外しないことが大切だ。
当然それは双方に言える。
その議論の大前提になるのが報道だ。
事実を知らせることのない報道だけはご免である。

最後の日本人

2014年06月29日 | 労働者福祉
最後の日本人
クリエーター情報なし
清流出版


昨日の講演で使ったキーワードのひとつが「人間観」でした。

講演のメインテーマは『しっかりとした人間観に裏付けされた高い志を持ったリーダーの養成が必要』。
この「人間観」なるものはひとりひとり違うでしょうから、私の「人間観」を押し付けるわけにもいきません。
しかし、私の「人間観」を知ってもらう必要はありますので、どう伝えればいいかずいぶんと考えました。
その結果選んだのがこの本です。

著者の斎藤明美氏は、週刊文春の記者を20年勤めた後独立し、この“最後の日本人”25名とのインタビュー記事を10年間にわたって婦人画報誌に連載しました。

巻頭はここから始まります。

「日本人とは何か―。
私にはその問いに答えるだけの見識は無い。
ただ、20年余りインタビュー記事を書く仕事をさせて頂くうちに焦燥感が募るようになった。
「あゝ、こんな人がどんどんいなくなってしまう」という焦り。
それは、指の間から砂がこぼれ落ちていくのをどうすることもできずに見つめている心細さと無力感に似ている。
たぶん私は、「こんな人」に日本人を感じたのだと思う。
「こんな人」の中に見た忍耐、努力、信念、謙虚、潔さ…、それを私は日本人の美徳と信じてきたのだと気づいた。
だから限りない憧れと敬愛の念を抱くのだと。
日本人とは何か―。
ここに登場して下さる方々が、即ち、私の答えである」


まさに私の「人間観」を伝えるのに最高の教材でした。
私もこんな日本人になりたいものです。

歴史的事実と教訓

2014年06月27日 | 労働者福祉
今年の新春賀詞交歓会で宣言したように、私の挨拶はどこへ行っても「私たちの原点は“連帯と協同”です」の大安売り。
同席している仲間はもう耳にタコができるころかもしれません。
そんな私にある方が1冊の本を提供してくれました。

この本はもう絶版になっているかもしれない貴重なもの(らしい)です。
22年前に日本生協連(全労済やコープ生協の上部団体)が出版したこの「バークレー生協はなぜ倒産したか」を読みながら背筋がぞっとしてきました。

バークレー生協はアメリカの生協運動のけん引役でもあり、日本の生協も多くのことを学んだ教師役でした。
それがなぜ倒産したのか、当時の関係者が率直に語り、失敗の原因を探った傷心の書です。
関係者18人の手による執筆であり、18人の証言書でもあります。
執筆者のひとりジョージ・ヤスコーチはこの本の目的を、「他の生協が同じ過ちを犯さないように、歴史的事実と教訓を提供することにある」としています。
崩壊した生協はアメリカだけではありません。

アメリカ消費者運動のリーダーであるラルフ・ネーダーの書いた序文にはこうありました。
「…『Making Change?』は、ヨーロッパの生協が成功したものの、なぜ活力を失い崩壊するに至ったかを分析しているが、そこでも、組合員教育制度の中に生協の哲学教育が欠けていたため、多くの組合員が離反し、競争相手に同化してしまった、と結論している」
『Making Change?』とは、1985年に出版された「ヨーロッパの生協から学ぶ(邦訳)」という本です。

「バークレー生協はなぜ倒産したか」は、21世紀に向けて協同組合の役割を考えるのに必要な多くの問題が提起されておりました。
この本を読んで当時のリーダーたちはなにを感じたでしょうか?

「私たちの原点は“連帯と協同”です」
そして「理念ある行動」のみが時代を立て直してくれます。
今からでもきっと遅くない!と私は思いますが、カギを握るのはそれぞれの運動体のリーダーたちです。
“連帯と協同”の理念を強く持ってリーダー自らが実践しよう!!

啓発という言葉

2014年06月26日 | 読書
人材育成論入門 (キャリアデザイン選書)
クリエーター情報なし
法政大学出版局


「この宇宙には、あなたが必ず改善できるところが一つだけある、それはあなた自身だ」
by オルダス・ハックスレイ

人材育成は、組織の仕事であると同時に、組織に生きようとする者の自己啓発の成果でもある

啓発の語源も孔子の言葉にある。
「憤せずば啓せず、非せずんば発せず」。
すなわち、弟子が悩んで胸が張り裂けそうになるまではその蒙(暗いこと、無知)を啓(ひら)くこと(明るくすること、知識を与えること)はしない。
本人が言いたいことをどう言っていいのかわからず、悩んで苦しみぬくまでは、その言葉を発して(言って)やらない、という意味である。
簡単には教えない、ということである。
教わる前に自分で考えなさい、考え抜きなさい、勉強しなさい、勉強し抜くことを前提に教わりに行きなさい、と諭したのである。
啓発される前に、自己啓発をしなさい、という含意がもともとあることがわかる。


これは「人材育成論入門」のひとコマです。
人を育てることはほんとうに難しい、というより、まずは自分を育てることから始めなければならないと気づかされます。
考えて考え抜いて迷った挙句に聞きに行くと、学ぶものが多きことにも気づきました。
どうかすると「もう何でも知っている」と慢心している人たちもいますが、経験上そういう人は育ちませんね。

時代はワクワクを待っている

2014年06月25日 | 労働者福祉
静岡県労働金庫の第62回通常総会がありました。
この総会、私はワクワクしながら臨みました。
その理由について来賓あいさつでこう述べました。

「…なぜワクワクしているのか、その訳をお話しいたします。
数日前のことです。
総会議案書を事前にいただいてそれを読み、第2号議案「2014年度事業計画に関する件」を提案するT専務にあるお願いをいたしました。
「議案書に書かれていることは読めばわかるから、そのことは最小限にとどめ、あなた自身の言葉であなた自身が考えている静岡労金の理念について語って欲しい。
そしてあなた自身が考える行動についても語っていただきたい。
そして代議員のみなさんの共感を得てもらいたい」

なぜそんなことをお願いしたのか。
昨年は静岡労金60周年、今年は県労福協の50周年でした。
この周年事業を通して、私はひとつの確信を持ちました。
それはこの厳しく難しい時代を立て直すためには“理念”が欠かせないということです。
理念なき行動は無意味です。
無意味どころかその行動が組織を崩壊させる可能性さえあります。
また、行動なき理念はまったく無力です。

時代を立て直せるのは「理念ある行動」のみです。
だからこそリーダーは自らの言葉で理念を説き、自らの行動をもって人々に指し示し、人々に共感を与えることが大事なんです。

第2号議案の提案を受けて少しでも共感できた方は、どうぞ運動の輪を周りの人々に広げてください。
どうぞよろしくお願いいたします」

私もオブザーバーとして最後列で総会最後まで行儀よく参加させていただきました。
T専務お疲れ様でした。