栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

威勢がいいのは最初だけ、前原国交相

2010-04-27 22:57:10 | 視点
 どうもこの人を見ていると、威勢がいいのは最初だけ、というか、政治家として柔軟性に欠けるマニュアル人間のような気がする。

 国交相就任当時、八ツ場ダム建設中止を「マニフェストに謳っている」からと説明した。
もちろん、その後、建設中止の理由を説明してはいるが、一度決めたことだから替えられないという意志を感じる。

 同じことが今回の高速道路料金でも出た。
上限2,000円制を導入すると発表したが、実質値上げになることから小沢幹事長に「おかしい」と批判され、鳩山首相は見直しをしたいと折れたが、前原国交相は見直しはしないと言明した。

 そこには小沢幹事長に対する反発しか感じられない。
まるで子供が駄々をこねているようにさえ感じられる。
「マニフェスト通り」を主張するなら、高速道路無料化を実行しなければならない。
しかし、それでは財源不足は目に見えている。
だから国民は高速道路全面的無料化には批判的だった。
それを察して、小沢幹事長が助け船を出した。
すると、出してきたのが実質値上げになる上限2,000円制だ。
 これなら小沢幹事長でなくても怒る。
もう少し考えた案を出してこい、と。

 まるで最近の若い社員と社長、幹部とのやり取りを見ているような気がする。
ヒントを出しているのだから、もう一歩突っ込んで考えてくるのが企画案というものだろう、と怒っている幹部や社長の顔が目に浮かぶ。
 いつから日本社会は、1から10まで事細かに説明しなければ動けない人ばかりになったのだろう。
「1を聞いて10を知る」という言葉はもう死語になったらしい。