栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

平沼新党はシルバーばかりの「辛(い)党」

2010-04-08 10:09:44 | 視点
 平沼新党の名称が決まった。
「たちあがれ日本」だというが、果たして名称通りに立ち上がれるかどうか。

 平沼赳夫氏は2005年の郵政民営化法案に反対して離党。
以来5年、復党の誘いも断り、筋を通してきた。
近年珍しい信念の政治家であり、そういう意味で評価もしていた。

 しかし、今回の新党結成には同氏らしい信念が見えない。
当初は両代表とも噂された与謝野馨氏とは麻布高校の同級生であり、かつては同じ派閥に所属した旧知の仲とはいえ政策や政治理念は異なる。
 平沼氏は保守タカ派だが、与謝野氏はむしろ現実主義的でタカ派色は感じられない。
郵政民営化路線に対する見解も異なる。
また与謝野氏が消費税引き上げを持論としているのに対し、平沼氏は財政出動による経済対策を主張している。

 このように政策や政治理念が大きく異なる両氏が協力して新党を立ち上げるというのだから、これはどんな党?と多くの人が感じるのは当然だ。
 しかも参加メンバーは70歳代で、40代は皆無。
自民党離党後は平沼グループの一員であり、「真正保守」を標榜する城内実氏はなぜか結党時からの参加を見合わせている。

 平沼氏がいずれ新党を結成するのは間違いないと思っていたが、こうした内容を見ると少し首を傾げざるを得ない。
果たして平沼新党は無事に「たちあがれ」るのだろうか。
シルバー人材ばかりの新党は立ち上がるのも辛い「辛党」ではシャレにもならないが。