波佐見の狆

A private fansite for Elliot Minor, the Heike, etc.

"My Own Country"

2006-09-29 21:14:54 | Harry Sever

さて、"Hear My Prayer"の録音は2004年6~7月(ということは、Harry12歳。それですでにあれだけの完成度だったのは驚くべき)だったが、それから半年後、完全なソロアルバムとして録音されたのが、”My Own Country"で、またさらにそれから1年後の"Die Schone Mullerin”(「美しき水車小屋の娘」)と続くことになる。

"My Own Country"は、A recital of English songとあるようにイギリス歌曲集であり、Quilter, Sullivan, Gibbs, Brittenなど比較的近代の作曲家の作品が、各作曲家につき2曲ずつ採り上げられている。

http://www.heraldav.co.uk/showdisk.php?diskNum=311

”Hear My Prayer"は、ほとんど宗教曲であったし、Harry SeverとThomas Jestyという2人のYoung Chorister of the Year受賞者のデュエットがfeatureされて、荘厳で豪華な感じのCDだったが、それに比べると"My Own Country"はかなり地味である。歌詞も芸術性の高い詩歌ばかり。つまり、よほど歌唱力に自信のある少年しかこんなCDは出さないはず。言っておくが、だいたい少年がクラシックの分野においてソロアルバムを出すということ自体大変なことなのである。欧米各国に現在どれくらいの数の少年聖歌隊・合唱団が存在するか知らないが、その出身者のうち、完全なソロでCDを録音する、ましてや独自にリサイタルを行う力のある者はほんの一握りなのだ。Harry はさらにその一握りのなかでもトップレベルなのである。

Wikipediaの「ボーイソプラノ」のエントリー参照。)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8E

どの曲も、しっとりと歌い上げられ、かめばかむほど味の出るスルメタイプ(?!)のアルバムだと私は思っている。

まずは、メロディに比較的華があって可愛らしい感じのする次の3トラックが印象に残るのではないだろうか。

1.Orpheus with his lute
5. Over the Mountains
11. Down by the Salley Garden

このあたりは、他のボーイソプラノにも(11はボーイだけでなく広く歌手一般に)しばしば採り上げられているスタンダードナンバーと言っていいだろう。実際、5と11は、”Something's Coming"の中で、Winchesterの先輩であるNicholas Stenning君も同じピアニストの伴奏で歌っている。5は作曲家も同じだし、聴き比べてみると、Nicholasファンには失礼だが、Harryの声の透明度、高音の安定度、表現力の豊かさがよくわかる。3番の "Some do suppose him, poor thing, to be blind"などというところ一つとってみても、"poor"という単語に「かわいそうなやつ」という親愛の感情がよくこもっていて、美しい色彩があるのである (譜面上は、多分八分音符2つだと思うが、マイクロレベルの装飾音を付加しているのでは?などと思ってしまう)。Nicholasも勿論そういう感情は込めたつもりかもしれないが、普通に単調な"poor“なのだ。4番の最終行、"Love shall find out the way"も、Nicholasは1~3番までと同じく、平坦に結んでいるが、Harryは、4番ではここぞとばかり力をこめて、高らかにsoarしている。高音の安定度に絶対的な自信のあることの証明だろう。この曲に限らず、Harryは有節歌曲の各節の微妙な変化のつけ方がとても上手いと思う。

 ここでちょっと用語解説。
「有節歌曲」(strophic song)とは、1番、2番・・・と歌詞が異なっても同じメロディが繰り返される曲のことで、これに対して、歌詞が異なるとそれに応じてメロディも変わるものを「通作歌曲」(through-composed song) と言う。

ちなみに、Nicholasは2001年度のYoung Chorister of the Yearである(ひとつの聖歌隊から3人もこの賞の受賞者を出しているのだから、実際Winchesterはきわめてレベルが高いのだろう)。だからというわけではないが、もちろんその実力はわかっている。Harryよりまろやかなトーンの声で、こちらがほっとするから好みと思える人も多いだろうし、実際トラック4の "Willow, willow, willow"は私もHarryよりNicholasの方がいいと思った!この曲については、さらに他にも素晴らしい録音を行っている少年(Lorin Wey君)がいるので、あらためて書く予定。

話は戻って

それにしても、Harry Severという歌手の凄さがわかるのはもっと地味度の高いトラックではないだろうか。

7. A Poet's hymn

9. The stranger
12. Snow
14. King David

正直なところ、このへんは私には詩の意味がよくわからない(日本語訳をもっている方がおられましたら、ぜひご一報ください~。翻訳者なら自分でやれと言われそうだが、その・・・分野があまりに違うので・・・と言い訳たらたら)。7は、どうも修道僧の質素な生活を歌ったものらしく、キリストへの帰依とその喜びが、いかにも宗教曲という感じではなく控え目に描写されている。華やかではないが、とてもいい曲で、またピアノ伴奏が抜群に上手くて、Harryの歌と美しいタピストリーを織りなしている。12と14は、なんだか非常に悲しい詩で(「みんなが白い鳥を殺しちゃったよ・・・と激しく子供が泣いている」とか・・・)、その悲しみを上品なビブラートを利かせながら非常にデリケートに切々と歌い上げている。Martin Carson氏がリサイタル評(翻訳・語学カテゴリで既に取り上げたhttp://www.choirbase.com/review-view.asp?item=237のこと。全日本語訳を後ほどアップする予定)で、「経験豊かな大人でも難しい曲だが、どきっとするほどの成熟した理解力で詩を解釈し、知性的な音楽性をもって歌っている」と書いる通り、Harry の真骨頂発揮というところだと思う。 

最後に、余談ではあるが、このCDのジャケットについて少し書かせていただこう。フロントカバーは、タイトルの“My Own Country”に合わせて、イギリスの田園地帯を眺めるHarry・・・向こうをむいているのがちょっと残念だが、バックに広がる深いグリーンと彼の赤毛の髪の毛が美しいコントラストをなしている。そして、これを開けてみて、私は目眩がするほど驚いた(ここでもspine-tingling!)。その、向こうをむいていた少年のお顔が現れ、しかも超アップなのであるが・・・なにしろ、それまでYoung Chorister of the Year受賞のころの幼い写真しか見たことがなく、いかにもまだ子供という印象だったのに・・・そこには、気高い気品と知性に満ちた凛々しいイギリス人の若者がいた。(この写真をこういうところで公表できないのが残念!) また、ピアニストのRobert Bottone先生と一緒に写っているものは、左肘をピアノについて軽く頬杖をついているが、これがまたぞくっとするほどきれいなのだ。このジャケットがあまりにも気に入ったので、このCDを2枚も買ってしまって、1つはいつもPCの前に飾っている。

外見のことをこういう風に書くと、ミーハーなのがばればれになってしまうが、とにかく、音楽性と外見の両方でこれほどぴったり私好みの少年は未だかつて現れたことがなかったのだ。来日公演を逃してしまった大バカ者だし、今のところDVDも出ていないのだから、写真で幸せな気分に浸らせてもらうくらい、いいではないですか。

 “My Own Country”は、現在Amazon JPでも入手できるが3,432円と高い。できれば、海外のサイトから直接取り寄せた方がだいぶ安く入手できるが、海外通販が面倒(あるいは不安)という方も多いだろうし、3,432円払う価値大いにありなので、ぜひ入手して深く味わっていただきたい。

 


A pair of charming eyes

2006-09-27 15:16:16 | 狆 (栗之介・恵之介・光之介・十兵衛)

狆というわんこの魅力は、外見上と内面の両面でいくつも挙げることができると思います。

外見上の魅力としては、まずは、流れるような美しい毛並みでしょう。体全体と尾っぽはもちろん、「袴」「筆毛」といわれる脚部の優美な飾り毛は狆独特です。そして、「ちんくしゃ」という言葉の由来となったほど愛嬌のあるぺったんこのお顔ですね。

お顔の中もとりわけ目についてですが・・・。

両目の黒目が、それぞれ左右の端に寄っており、白目が中央に来ています。「ひ(ん)がら目」という言葉がありますが、これは確か黒目が中央に寄っている状態を言うのだったと思います。その反対で、白目が中央に寄っているわけですね。

誠文堂新光社刊、愛犬の友犬種別シリーズ「狆」によれば、この白い部分が三日月のように目全体の1/3以内の面積で存在するのが理想的なのだそうです。(この本は、素晴らしい狆研究書なのに、絶版なんですよね・・・ お持ちの方は、p.53-54です!)

上の写真でご覧いただけるように、栗之介は特に目が大きく、散歩していると小さいお子さんたちから「お目々がくりくりだから、くりちゃんっていうの?」って言われたりしましたが、大きい分白三日月も目立っていて、かなりインパクトのある目だったと思います。恵之介も大きいですが、お兄ちゃんは体が小さかっただけに、よけい目が大きくみえたのでしょう。

ふたり並んで、この4つの大きな目で見つめられると、ああもう何も要らない~ というほど幸せな気分になれました。

栗之介は、息を引き取ったあとも、この a pair of charming big eyesに優しい微笑みを浮べたまま、火葬車の炉の中にそっと横たえられたのでした・・・・・

 

 

 

 

 


Harryとの出会い (Agnus Dei と Hear My Prayer)

2006-09-26 01:37:22 | Harry Sever

Harryの歌声がソロで聞けるCDは、今のところ5枚出ており、そのうち、4枚目と5枚目がフルソロアルバムである。

リストはこちら。(FBACサイトより)

 http://fbac.ninpou.jp/cd_harry.html

私にとっての初めての彼の声との出会いは、Boys Air Choirの(実質的に)ラストアルバム、「楽園にて(フォーレのレクイエム)」("In Paradisum")だった。アマゾンの履歴によれば、購入したのは2005年1月(そのほんの一月前に来日していたとは!)。

このCDの「目玉」は、なんといっても、Connor Burrowesのバリトンとボーイソプラノが同時に味わえるということだった。Connorはこの時点で21歳。朗々たるバリトンを披露しており、また、彼の少年時代の音源による”Pie Jesu”はこの上なく美しい。フォーレのレクイエム自体が大好きで、いろんな演奏者によるCDを集めてきた私だったが、天才Connorの輝かしい歴史を辿れるだけでも、十分満足だった。

ところが・・・

普通、全面的に合唱パートとして録音される“Agnus Dei”のトラックの一部を、Connorとは別の少年が素晴らしいソロで歌っていた。これが、Harry であった。

Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem….

それは、Connorの豊かで冬の木漏れ日のような暖かい声とはまた異なる、かなり細い硬質の声だったが、天空の一番高いところから響いてきて、どこか人間離れした不思議な感覚をおぼえる、それまでに聞いたことのないボーイソプラノであった。しかし、当時他にいろいろと熱中しているアーティストが(BAC以外に)いたこともあって、名前を覚えてリサーチするほどではなかったのである。

そして、運命的なHarryとの再会はそれから1年もたった後、Winchester College Chapel Choirの新譜 “Hear My Prayer”を入手することによって訪れた。1曲目が、表題曲の“Hear My Prayer”で、ソリストは2003年のBBC Young Chorister of the YearであるHarry Severと書いてある・・・短いオルガンの前奏に続いて響いてきたその声に、私は息をのんで立ち尽くした。まさにspine-tingling emotion! それにしても、これは初めて聞く声ではない、どこかで一度聞いたような気がする・・そう思い、急いで調べてみて、あのAgnus Deiの少年だったことが分かったときの私の驚きと感激といったら・・・! やはり硬質ではあるが、力強さと豊かな感情表現が加わっていた。神よ、どうか我が祈りを聞き届けよ・・・とひざまずく少年の心の叫びに、大聖堂全体がtrembleするのが見えるようだった。私にとって、それまで長年の間(20年間?)、Aled JonesがNo.1ボーイソプラノで、彼を超える存在は現れないと思っていたのだが、Harry の出現はそれをたやすく覆してしまった。

・・・という訳で、2004年クリスマスの来日の騒ぎも知らず、遅れてきたファンの典型ではあるけれども、ファン歴の長さよりは濃度?!だと信じているので、これからも自分なりに精一杯の尊敬と愛を込めてHarryを語りたいと思っている。

 「In Paradisum」が試聴できるサイト:

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A010677/-.html

(ただし、第5トラック”Agnus Dei"は、Harry のソロに入る前に切れている。 ビデオクリップも見られるようになっているが、小さくて、雰囲気だけ。Harryのお顔は全然見えない。)

Harry関連のCDで国内盤があるのはこのIn Paradisumだけである。数あるフォーレのレクイエムの中でも、傑出した名演奏。日本人プロデューサー(Ryoji Oba)による、ビートルズで有名なアビーロードスタジオでの録音。アマゾンではユーズド価格で2000円以内で買えるし、ぜひとも多くの人たちに聴いていただきたいものである。

なお、本ブログは基本的に「ですます」調ですが、内容(気分)次第で突然「である」調に変わります(爆)


バナナ大好きだったの

2006-09-23 09:36:57 | 狆 (栗之介・恵之介・光之介・十兵衛)

梨にブドウにりんごに、栗!・・・と秋の果物いっぱいの時期ですね。

栗之介も果物が好きで、特に年中食べてたのがバナナでした。若くて元気なころは、「栗く~ん。。。!」って言うだけで、目を輝かせ、びょこびょこはねてました。夏は自分の顔よりずっとでかいスイカに首つっこんで舐めてたし、秋から冬は梨やりんごを剥いてもらうのをワクワクして待ってました。そうそう、わんこは柑橘類ダメだっていうけど、ミカンも好きだったっけね。

でも、去年の秋から今年の冬にかけては、ずっと腸の状態が悪くて、特にこの2月以降は、獣医さん指定の治療食による完全食事療法をしていたので、果物は(お肉とかおやつとかもですが)一切食べられませんでした。

お空に昇る前に、せめて思いっきりバナナを食べさせてあげたかったとパパと話しています・・・

今頃は天国で、好きなものをいっぱい楽しんでいることでしょう。

 

 



 

 

 

 


sing a concert ??

2006-09-22 11:19:04 | 翻訳・語学

昨日採り上げた「少年ソプラノ音声に罰金」の英語の原文は、こちらからのものだったのですが・・・(昨日の書きこみではリンクをしていなかったので、もう一度)

http://www.choirbase.com/review-view.asp?item=237

この英文の冒頭に、おや??と思う表現がありました。

....hearing Harry Sever of Winchester College sing a short concert during a meeting in London.

ん?sing a concert?? sing at a concertの間違いでは、と一瞬思ったのですが、ざっとGoogleしてみると、sing a conertというパターンは結構使われているのがわかりました。(atがない方がむしろ多いくらいです!) 辞書で調べる限り、sing に他動詞で「~で歌う」という意味はないのですが・・うーん。。これは、どう考えたらいいものか・・・ご存知の方ご教示ください。

 

 


少年ソプラノ音声に罰金?? (翻訳ソフト迷訳)

2006-09-21 11:15:55 | 翻訳・語学
翻訳・語学カテゴリーには、仕事(がらみ)で読む論文等の中から面白い発見事項などアップしようと思ったのですが、著作権の問題がありますので、慎重にマテリアルを選ばなければならないようです・・・・

それで。。

第一弾はやはり音楽ネタからになります。

私は仕事に翻訳ソフトを利用しているのですが(えっ、プロの翻訳者のくせに翻訳ソフトなんかに頼ってるの、と思われる方もおられるかと思いますが、プロならではの翻訳ソフト利用術というものがあります。その辺のことはまたあとで~。)、以前と比べるとかなり使い物になってきたとはいえ、やはりしばしば爆笑ものの迷訳が出てまいります。

普段はバイオテクノロジーや医薬向けにカスタマイズしていることもあり、別の分野の原稿をやらせてみると、ますますへんてこなことに・・・

例1)

Harry Sever →「ハリー、分断する」 

これはもっともでしょう。severというのがだいたいそういう意味の動詞なのですからね。ユーザー辞書に"Harry Sever"で「ハリー・セバー」と登録すれば、以降ちゃんと「ハリー・セバー」とアウトプットされます。

例)2

Harryのコンサート評から・・・

Both (これはHarryが歌ったドイツリート2曲のことです)had the audience, who were no strangers to fine boy soprano voices, completely captivated.



「両方には聴衆があった。彼らは完全に魅惑されて、少年ソプラノ音声に罰金を科する見知らぬ人でなかった」
お、おいおい・・・

まず、全体の構造ですが、have + 目的語 + 過去分詞という構文が解釈できないのは当然です。それと、no strangers ですが、「見知らぬ人ではない」はまさに翻訳ソフトらしい訳。strangerは見知らぬ人の意味から発展し、「門外漢、素人、不慣れな人」です。noがついて強い否定になりますので、「素人どころではない、(耳の肥えた人たちだ)」くらいを意味します。

で・・・no strangers to ~ で「~には耳の肥えた人たち」となるわけですが、ここでtoの後に来ている fine boy soprano voicesが「優れたボーイソプラノボイス」というひとまとまりの名詞句であることが翻訳ソフト君には解らない!
fineを動詞「罰金を科す」と解釈してしまい、to 以下がstrangersを修飾する不定詞の形容詞用法になっちゃったのですね。

楽しんじゃいました。
勿論、こういうのはもうそのたびに人間の手で直していくしかありません。



「優れたボーイソプラノボイスには耳が肥えている聴衆であるが、どちらの曲にもすっかり魅了されてしまった。」
くらいでしょうか。

ちなみに、"boy soprano"でボーイソプラノで歌う歌手自体を指すのが普通で、"boy soprano singer"のような言い方はしません。なので、ボーイソプラノの歌声という意味なら、"boy soprano voice"と言うわけです。voiceは一般的、抽象的な意味での声なら不可算名詞ですが、ここではいろいろな少年の歌声ということで可算名詞になりvoicesと複数になっていますね。

Wikipediaによるboy sopranoの定義:

"a young male singer with an unchanged voice in the soprano range"

http://en.wikipedia.org/wiki/Boy_soprano

(なお、上記英語の出典はこちら。後ほど全体の日本語訳をアップする予定。)
http://www.choirbase.com/review-view.asp?item=237





Who is Harry Sever? (入門者向け解説)

2006-09-20 17:39:02 | Harry Sever
非公式、ごく個人的なレベルながらHarryのファンサイト的なものにしたい、と思ったものの、何からどうやって書いていけばいいのか、考えがまとまりません。

とりあえず、、、Harry Severという名前を初めて聞いたという方々向けに、入門編をちょっとだけ書いておきます。

イギリス人少年。14歳。まだ中学生でありながら一流のソプラノ歌手。

お顔がよくわかる写真があまりいいのがないのですが(こういうところに添付できないものが多い)、とりあえず1枚貼っておきます。(Photo uploaded with the permission of Judy Sever)

約600年という古い歴史と伝統あるウインチェスターの聖歌隊で、長年本格的な音楽教育を受けて才能を開花させ、隊員のトップとして活躍。2003年には、全英の少年聖歌隊員のコンクールでグランプリを受賞。その後は、ソリストとしてソロアルバムを録音したり、リサイタルを開いたりして、学業の傍らプロフェッショナルとして頑張っています。文才にも長け、雑誌等に音楽論を執筆したりもしています。

。。。とまあ、日本式に紹介すればこんなもんですよね、FBACの皆様?

私がHarry命!になってまだ実は8カ月くらいなのですが、、、何故ここまで入れ込むか。その辺のところはおいおい・・・

とりあえず入門編はこのくらいかな。





あっぱれ

2006-09-20 12:19:39 | 狆 (栗之介・恵之介・光之介・十兵衛)
まだ3カ月もたっていないので、実のところ、「栗之介の想い出」を語ろうという気分ではなく、「栗之介への想い」を綴りたいという感じです。

昨日の新聞の読者投稿欄に、「老犬の介護に疲れ果てている」という内容の50代の1人暮らしの主婦の方の悲鳴に近い声が掲載されていました。毎日24時間、2、3時間おきに下の世話だけでもぐったりなのに、夜中には吠えて寝られないのだそうです。その状況が長く続いているらしいのです。

栗之介も(享年9歳8カ月)、同年代のお友達と比べると老化が進んでおり、いろんな病気をかかえて、今年に入ってからは毛もだいぶ少なくなり、足もよろよろするようになっていました。私も、介護生活ってことになるのかな、、仕事も忙しいのになあ、、、困ったもんだなあ。。と思っていました。

私の心の中を見透かすかのように、彼は、初夏のあるお昼ごろ、突然お空への階段を昇ったのです・・・。3年前からわずらっていた心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)が直接の原因ですが、痙攣が始まったと思ったら、あっと言う間・・・ほんの15分くらいだったでしょうか。大きく体を数回くねらせただけで殆ど苦しまず、穏やかな眠りにつきました。

それから1時間ちょとしてパパが会社からかけつけたときまで、まだ温かかったのではなかったかと・・・・

2人でずっと泣きました。特に、間に合わなかったパパの悲嘆はひどく、硬直した栗の体をいつまでもいとおしく抱きしめていました。。。。

夜、数人のお友達に知らせました。

「栗ちゃん、あっぱれだった」

みゆきさんが書いてくださった言葉が一番身にしみました。

本当に潔い、見事な散り方でした。彼自身、私たちに無様な姿をいつまでもさらすことを良しとしなかったのでしょう。1.2kgという小さな体でしたが、こころは、とっても大きな子でした。

この家で彼と一緒に暮らすことができた夢のような9年5カ月の日々は、何よりの宝物です。

新聞に投稿していた女性とわんちゃん、なんとか頑張ってください!!







Intorduction Part II (To non-Japanese visitors)

2006-09-19 18:08:23 | About this blog

Welcome!

I am a Japanese woman who loves classical/rock music and dogs (the Japanese Chin breed). My name is Keiko.

The major purpose of this blog is to personally support my favourite musicians.

I like boy sopranos very much. As the boy I admire most is Harry Sever, this blog focuses on his recordings and writings; I sincerely hope this place will serve as an unofficial fansite for Harry Sever, providing a lot of information about Harry mainly to Japanese people.

The title of this blog 'Spine-tingling emotion' is the phrase Harry used  in his article in the Oct/Nov 2005 issue of The Singer to describe the essence of true boy soprano performance. I believe Harry will allow his own words to be used by his devoted fan for her blog.   

In addition, there are going to be talks on many other outstanding boy singers as well as great rock musicians of the 1970s to 1980s.

This blog is lovingly dedicated to Kurinosuke, my precious Japanese Chin dog, who passed away in June. He was, and still is, the beloved elder son to me and to my husband. Now we have Keinosuke (photo above), Kurinosuke's younger brother, a funny boy! He is going to join me to talk about Kurinosuke's sweet memories and, of course, about himself!

Lots of love,

Keiko

September, 2006

DISCLAIMER

This site is a purely unofficial fansite and is in no way affiliated with, or endorsed or supported by Harry Sever or his representatives. All original material on this site is copyright (C) 2006 Keiko T.  All rights reserved.

 kurikeinosuke@mail.goo.ne.jp


Introduction

2006-09-19 11:36:21 | About this blog

Welcome to my blog! 

音楽と犬(狆)が大好きな在宅翻訳者です。私がこのブログを立ち上げたのは、次のような理由からでした。

 ①私の好きなミュージシャンを研究し応援したい。

クラシックとロックの両ジャンルにわたりいろいろ好きなミュージシャンがいるのですが、特にイギリスを代表するボーイソプラノであるハリー・セバー(Harry Sever)君の応援に力を入れています。コンテンツが限られるとは思いますが、ささやかながらunofficial personal Harry Sever fan site的な役割ができれば幸いです。

なお、タイトルの Spine-tingling emotionというのは、「背筋がぞくぞくするほどの感情(感動)」という意味ですが、Harryが好きな言葉であり、私にとっても大切なキーワードです。 その他のボーイソプラノ、およびKeith Emersonなどのロックミュージシャンについても気ままに書きたいと思います。

②他界した栗之介への想いを綴りながら、狆との暮らしの楽しさを語りたい。

狆の兄弟と暮らしてきました。兄が栗之介、弟が恵之介といいます。私ども夫婦にとっては、犬というよりも本当に息子です。 その最愛の長男、栗之介がこの6月にお星様になりました。彼の笑顔はいつまでも私たち家族とともにあります。

③翻訳・語学にかかわる考察

仕事の上だけでなく広く語学に関して発見した事など書き留めてみようと思います。

                              ***

音楽、狆、翻訳という私にとっての3本柱は、それぞれ、多くのよき友人たちの支えと励ましにより成り立っています。 このブログを通して、その交流がさらに深いものとなり、また新しい出会いが生まれることを心より望んで。

Keiko (栗恵まま)

2006年9月吉日

 Contact: kurikeinosuke@mail.goo.ne.jp