波佐見の狆

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父のその後

2013-01-14 14:36:23 | Miscellaneous

久々に父の話です。もうこのブログでは実家の両親のことを書くのはやめようかとも思っていたのですが・・・同じような問題を抱えている皆さんと、想いを共有できるなら、単なるお目汚しではないかもれないと・・・・。

現在82歳になる父が認知症の診断を受けたのは、もう5年以上前です。ちょうどこの写真を撮ったころ・・・

緩やかではありますが、確実に進み、私の名前が出てこなくなったのがもう3年くらい前から。それだけでも、一人っ子の名前がわからなくなるなんて。。。と悲しかったのに、去年のGWに帰省したとき、名前だけでなく、私自身のことが誰だかわかっていないようだと思えて、空港へ向かうバスのなかで涙がとまりませんでした。そして・・・9月に、本当に私のことがわかっていないということが、はっきりと判明する瞬間があり、病院の待合室でしたが、母が父を連れてトイレに行ったすきに、人目もはばからず声を出して泣きました

内臓系はまだしっかりしているので(お医者さんがびっくりするくらい!)、からだのほうは病気らしい病気もなく、自分で歩けますし、お箸でご飯も食べれます(それで、介護認定も、要介護4で止まっています)。癌などの重病で長期闘病を余儀なくされたり亡くなる方も多い年代なのに、体が元気なのは恵まれているのでしょうね。しかしそれだけに、妙に力も強くて、あちこちに強くしがみつくので、タクシーに乗せるのも一苦労。時々癇癪をおこして、母の手をはらいのけようとするのですが、母は突き飛ばされそうになるみたいです。きたない話で恐縮ですが、尿意、便意を意思表示できないので、あっという間にどこでも汚します(オムツを外してしまったりするので)。

ちなみに、5年前の診断では、父は「アルツハイマー型」の認知症と言われていたのですが・・・昨年秋にまた検査や問診を受けた結果、前頭葉と側頭葉の委縮が特に著明で、また言語操作能力が極端に落ちているので、「前頭側頭葉型」とも考えられ、アルツとの両面性的なものと言われました。いずれにせよ、最重度の段階にきており、「あとは進行するのみですから、家族の見守りしかありません」との宣告でした。

それでも、母にとって父の介護は、生きがいであり、張り合いであったのです

しかし、母も79歳ですから、それももう限界です。このままでは、共倒れする日が近づくばかり。

実は、特養(特別養護老人ホーム)ひとつと、グループホームひとつに、入所申し込みをしているのですが、どちらも待機者が多くて、入所は当分無理だろうと思っていました。12月に、母が扁桃腺をこじらせて、どうにもならなくなったとき、運よくその特養の方から1週間ほどショートステイで声をかけていただき、利用することができました。それだけでも助かりましたが、またケアマネさんから連絡があり、「4月から入所できますが、どうですか?」

夢のような話ではありませんか!特養って、へんな話、死ぬ人がでない限り空かないといってもいいくらい、入りにくいところなのです。実はその特養は、建物の老朽化のため、現在全面的に建て替えしており、4月にはぴかぴかの新築で完全個室になるのです。そして、利用料も上がるため、現在の入所者のなかに、支払いが困難になるので出たいという人が何人かいるそうです。12月にうちの父の状態を見てくれたため、すぐにまた声をかけてもらえた模様です。

母はまだどこか迷いがあるようだったので、もう決心しないと、今度を逃すと、もういつになるかわからないよ、って母に言いました。本当にそれでいいのだろうか・・・という思いがまた湧き上がりそうになるのを、ぐっと抑えて。

清盛でもよく、「次などないわ!」という言葉を使っていましたが、まさにその心境。

入れたら入れたで、、、母が張り合いをなくし、がくんとなるのではとか、、、心配はきりがありませんが、このチャンスを逃したらきっと後悔すると思うのです。

幸い、両親は、介護のプロフェッショナルをはじめ、従兄弟、従姉妹たち(母の甥・姪)など、強固な温かいサポートの輪に囲まれていますから、私ももう少し安心すればいいのでしょうが・・・(恵も、おかげさまでこのところ落ち着いていますし・・・)去年GWころからの鬱状態が未だ続き、あんなに好きだったバイオメディカル翻訳の仕事も、今は意欲が湧かず、オファーがあってもほとんど断りっぱなしです。かといって完全にやめてしまう勇気もなくて。

父が私のことをわかっていないという事実をはっきり悟ったとき、私の中でなにかがプチッと切れました。その切れ端がブラブラしたままなのです。またスイッチが入るようにするには、どうしたらいいものかと毎日考えてるのですが。。。。。


49回、最終回、総括

2013-01-08 15:59:51 | 平清盛ほか歴史関連

49回と最終回について、実はお正月ころから書いていたのですが、これがいろいろと複雑な思いがあって、さっぱりまとまらず・・・・

もちろん、すでに、あちこちの清盛マニアさんのブログやYahoo「平清盛みんなの感想」掲示板、さらにYahoo知恵袋などで、語りつくされた感があり、さらに、この間開設した「『平清盛』を引き続き楽しむ集い」掲示板(こちら)も盛り上がっていますので、今更私がここで二番煎じ??するまでもないかもしれませんが・・・以下簡単に私なりに感じたことを記しておきたいと思います。

最終回、とにかくよかった。夫がそばでおじさんの漫画雑誌(ビッグコミックオリジナル)を読んでいるのもかまわず、おーーんおん声をあげて泣いてしまいました。

悲しかった。。だけど、深田恭子さんが「悲しいだけの最期ではない」と言っていたように、とても救われる最期でした。盛者必衰、諸行無常。一門は滅びようとも、一蓮托生のキーワードのもと、団結は揺るがない。そして、「武士の世をつくる」という清盛の大志は、頼朝にしっかりと受け継がれ、また宋との交易による国の発展は、子兎丸らにバトンタッチされていく。そして海の底の悠久の都では、一門の皆がいつまでも仲良く暮らし、清盛も屈託のない笑顔で子供のように「おもしろう」遊んでいる・・・・

これだけ国民に広く膾炙し、研究し尽くされ、テレビドラマや映画の材料としてすでに多くの作家や脚本家が手掛けてきた、平清盛とその一門の物語ですから、今までとは相当カラーの異なるオリジナリティあふれるドラマでなければ、いまさらわざわざ大河に登場させることもなかったでしょう。そういう意味で、藤本脚本は、あくまで史実に基いたうえで(これを歪曲することなく)、過去のイメージを打ち破り、素晴らしいニューウエイブ清盛像を見事に描いてくれました。

全回を通して藤本脚本がとことんこだわったのは、「武士の世をつくる」という志です。

これは、平家物語ではなく、平清盛物語ですが、もっといえば、平清盛の生涯の出来事がテーマではなく、平清盛の志がテーマなのです。

ですから、49回と最終回でも、「平清盛は武士の世への大きな第一ステップをつくって、あとを頼朝に託した」ということを強調するための場面に極力絞っていましたよね。そのため、今までの平家モノには欠かせなかったいろんな史実・・・・たとえば、都落ち(六波羅炎上、後白河の逐電)、木曽義仲軍に対する決定的大敗、一連の源平合戦の名場面(一の谷、敦盛最期など)・・・こういったお決まりの素材は、ナレーションでさらりと流すかあるいはまったく触れないということになりました。それは、ヒストリアの記事でも言いましたように、ある程度予想はしていたのですが、、、、ここまでやるとは!・・・・おそるべし、藤本脚本!拍手で讃えたい反面、やはり正直なところどこか物足りなさは残りました。

せめて60分取れなかったのでしょうか。さすがに駆け足すぎましたね。

いきなり壇ノ浦の時子ら入水場面。。。。ちょっと唐突じゃなかったかなあ。楽しみにしていた(というと不謹慎かもしれませんが)知盛碇かつぎのシーンも、少しは義経との戦いをやってからにしてほしかったような。

西行大活躍はいいのですが・・・・49回での、堀河局との再会とか、面白かったですけどね、強いて要らなかったのではと思います。高倉上皇をしのぶ歌会から堀河との対話、そしてさらにそのことを清盛に話す場面まで、かなり時間を使っていてもったいなかったなあと。

49回でもっといえば、後白河との最後の双六、これがまた長くて、ちょっとイライラしました。はい。回想シーンがしつこくない??。松ケンさんはインタビューで、このシーンが大好きだったようなことを言っていました。後白河に対する愛情をもって演じたそうです。つまり、二人がいろいろあったものの、最後にはやはり厚い友情で結ばれ、後白河は、清盛の「武士は朝廷の犬ではない」という主張を誰よりも理解してくれた人物だったということを確認できて、清盛は安心するのですね。清盛にはもう二度と会えないと悟った後白河の寂しげな表情・・・・「遊びをせんとや」を歌いながら遠くから盟友の死を悼む・・・

もちろん史実では、後白河は清盛に対しても、また清盛亡き後の一門に対しても、そんな愛情のある対処はしていません。たとえば、宗盛に対して・・・彼は、偉大な父亡きあと、自分の凡庸をよく知って分を守り、後白河には努めて恭順に接してきたのですが、そういう彼の気持ちをさんざん弄んだ挙句、都落ちに同行すると見せかけて逐電(つまりトンズラ)してしまうのですから。 

49回でのこれらのシーンがなかったら(あるいはもっと短くしていたら)、その分50回でもう少し合戦シーンなど入れられたのでは、、、と思うのです。私としては、都落ちを少しは観たかったなぁ。今『新・平家物語』第9巻の都落ちのあたりをちょうど読んでいますが、義仲軍の上洛を恐れて、あれほどの栄華を誇った六波羅に自ら火をつけ、すべてを灰にして、まるで大津波から避難するようにバタバタと大混乱のうちに西へ西へと落ちていく一門・・・あまりに哀れで、本を読みながら涙するなんて、わたしこの歳にして初めてじゃないかしらん。

最終回の、弁慶の仁王立ちと義経自害シーン。あれも必要でしたか?なにせ、合戦で華々しく活躍する義経が全くなくて、いきなりあのシーンでしたから、なんというか、とってつけたようで。。。しょぼい義経で終わってしまいましたねぇ。

とはいえ、全体的にきわめて芸術性が高くて、平家滅びの美学がよく表されていました。ひとりぼっちで餓死という死に様を選んだ盛国を弔う琵琶法師は、、、だれあろう、あの禿のリーダー刹羅です!あのとき、清盛が時忠に「始末せよ」と言ったのは、やはり「殺せ」という意味ではなかったということが、lこれでやっと明確になりましたが、ただ、刹羅のあのぎらぎらした魔性の瞳が盲目になってしまっている!

海中に沈んでいくのは草薙の剣ですが、くるんだ布がほどけてみると、それはいつのまにか宋剣になっていて、海底に突き刺さります。すると、、、、生き生きと顔を輝かせながらそれを引き抜く平太が!実は、この箇所については、ノベライズの第1回冒頭にこういう描写があるのです。あまりに素晴らしいので、ぜひ皆さんにも味わっていただきたく、そのまま転載させていただきます(ノベライズ、買いましょう~~~。)

静けさを取り戻した壇ノ浦の海面に気泡が立った。生命を吹き込まれたような何かが、泡の軌道を描いてゆっくりと、深く沈んでいき、海の底に突き刺さった。剣である。この時代に台頭した武士たちが、貴族たちの偏見や蔑みとせめぎ合い、大きく成長をとげた強さの象徴ともいうべき剣だ。

やがて、何者かの手が海の底の剣を引き抜き、海中に高々と掲げた。海の底に煌々とした光が差し込み、剣を照らした。

                                                      (ノベライズ『平清盛』一、p.7 より)

尻切れトンボですが・・・この記事はここでおしまいにします。最終回がらみで、都落ちのこと、合戦のこと、頼盛のこと、盛国のこと、知盛のこと、宗盛のこと、後白河のこと・・・いっぱい触れたいのですが、とても一つの記事では語りつくせません。これからまたポイントを絞ってぼちぼち書き綴りたいと思います。

父のことや恵のことで、重い日々が多かった私の2012年ですが、『平清盛』のおかげで、あらたな愉しみができて、随分救われました。そういう意味ではHappyな1年でありました。NHKさん、藤本有紀さん、俳優さんたち。。そして、Keith Emerson氏と吉松隆氏など、皆さんに心から感謝の意を表します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 

 


『平清盛』最終回の余韻と新掲示板のお知らせ

2013-01-02 18:21:32 | 平清盛ほか歴史関連

『平清盛』が終わって数週間・・・・新年度の大河も始まったというのに、私の中では、なかなか終わりそうにありません。それどころか・・・今始まったばかりのような気すらします。これからさらにもっと時間をかけてしみじみ堪能して反芻したいーーー!

最初にお知らせです。新しい掲示板を開設しました。

「2012大河『平清盛』を引き続き楽しむ集い」 URLはこちら

解説: 『平清盛』放送がとうとう終わってしまいましたが、録画や完全版DVDなどを楽しみながらまた何か話したくなったらいつでもお気軽にご利用ください。2012の『平清盛』に限らず、『(古典)平家物語』や『新・平家物語』あるいは、過去の大河でも、その他本や映画など何でも、平家がらみなら何でもかまいませんので、楽しく情報交換いたしましょう!

ハイ、平家でも源氏でもなんでもいいんですよーー 『平清盛』を見ながら考えたこと、調べたこと、読んだ本、みつけた面白いサイト・・・・教えてくださいね!

さて、年内に書く時間がなかったので、今頃ですが、『平清盛』49回と50回について、少しばかり振り返っておきたいと思います・・・と、書き始めたのですが、やはりというか長くなって、今日はまとまりそうにありません(主婦のお仕事の時間だーー)。ここでいったん切りますね。

今日のところは掲示板のお知らせのみで、失礼しまーす。

                                                                                                      


本年もどうぞよろしく!

2013-01-01 07:26:33 | 狆 (栗之介・恵之介・光之介・十兵衛)

 

Happy New Year!

みなさーーん、ことしもよろしくねっ。

ぱぱが長崎なので、ままとふたりで~す。

これ、ままがついさっき、ホームベーカリー(こちら)でつくったお餅だよ!

もち米480gにお水を350mLほど。前日の夜から浸しておきます。

「もち」メニュースイッチポン!で、1時間15分待てば出来上がり~~~

(この大きさで10個分できました。)

神戸おーとくちゅーるも素敵でしょ!

<水の量について> Sirocaの説明書にはもち米420gなら水320mLと書いてありますが・・・水を大目に入れたほうがいいようですね。

無洗米だったからかな?2、3日前に説明書通りでやってみたら、固くて食べられなかったので。。。。