波佐見の狆

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二階ねんねスタート

2016-07-23 12:46:01 | 狆 (栗之介・恵之介・光之介・十兵衛)

光之介は、4か月で来て以降ずっと、夜は一階で独りねんねだったのですが・・・

(兄ちゃんたち<骨壺>も、いつもぱぱが連れて二階に上がるので、光くんは本当に夜中独りでした。)

いろいろと考えるところがあり、今後は二階で一緒にねんねすることにしまして、昨日から実行しました。

前の記事(こちら)の、コメント欄で、ひな母さんと話していたのですが・・・

一番大きな理由は、「キャリーに入る=嫌なところに連れて行かれる=唸る」という公式を、光くんの心の中から払拭してほしいからです。

栗恵兄ちゃんたちがしていたように、毎晩キャリーに入って二階に上がり、朝はまた入って降りていれば、、、キャリーに入ることが普通(自然)になり、嫌なことへの連想がだんだん消えるのではないかと

光くんは、二階にまったく興味を示しません。兄ちゃんたちと違って、体格からしたら、容易に階段を上がれるはずですが、一段も上がろうとしません。そのこともあって、今までも二階に連れていったことはめったにありません。以前、昼間ハウスクリーニングの業者さんが来たとき、ちょっと連れていったことはありましたが、夜間は、親とは別でした。

なので、、二階でねんねは、光くんにとって初体験。まるで旅先の宿と同じだと思います。

折り畳みケージ、シーツ、おざぶ、アルミプレート、水入れなど、準備ばんたん~~。

昨日の夜12時ころ、、、ぱぱは10時前には兄ちゃんたちと上がっていました。光くんは、リビングの隅で熟睡。

不意打ちじゃあ。。。

そおっと、キャリーを近づけ、光く~~~ん、いっしょにねんねだよ~~~ と言いながら、さっとお尻からキャリーに入れると、、「え?!なあに??」状態でキョトンとして、ううう!!する間もありません。しめしめ。ささっと、二階へ。

(し、しかし重いのだ!これを抱えて毎晩毎朝、階段を上り下りってのは、、、ままの筋トレじゃよ。ありがたやぁ

キャリーから出ると・・まずは、うろうろ、うろうろ・・・兄ちゃんたちにご挨拶して、部屋じゅう探検したあとは、、お布団の上にゴロン。しばらくしたら、畳だったり、おざぶだったり、あちこちしょっちゅう移動していたようです。

そして、夜中にふと目が覚めると・・・目の前に、光くんの可愛い横顔が 私の枕元にお顔を埋めていたのです!

まま、胸キュンだよ~~夢じゃないかと思ったよ~~光くん~~。

キャリー入り二階ねんねプロジェクト、慣れるまでしばらくはかかると思いますが、光くんにとっても親にとっても、良い成果がでますように。

ひな母さん、good advice ありがとうございました!

 

 

 


キースとの衝撃の出会い

2016-07-15 00:27:52 | Keith Emerson他プログレ

5月末、アメリカで、大々的なKeith Emerson追悼コンサートが行われましたが、キースへの哀悼を表す動きは、いろんな形で世界中に大きく広がっています。

私が大好きだから言うのではなく、本当に、キースは、テクニック、オリジナリティ、創造性、センス、どの点からみても、ロック界最高のキーボーディストでしたから(ということは、ジャンルを問わず20世紀最高の音楽家の一人ということ)、世界中で愛されただけでなく、与えた影響も計り知れないものがありました

日本でも・・・こちらは、キーボードの専門雑誌の7月号ですが、「キース・エマーソン追悼特集 キースが遺した音楽とその偉大なる功績をたどる」という特集で、小室哲哉さんら、キースに多大な影響を受けた日本のミュージシャンたちが、Keithを熱く語り、その音楽性を専門的に分析しています。

私は、信奉者といっても、ただ聴くだけですからテクニカルなことはほとんど解りません。それに、中学時代から40年以上好きといっても、気持ちが離れていた年月もあるので、それほどキースのことをちゃんと知っているわけでもないです。そんな中途半端ファンが語っていくことですから、検索でこのブログを訪れて、ちょっと違うなぁ・・と思う真のマニアの方もいるでしょうが、一個人の私的な思いとして、さらりと読んでいただけたらと思います。

もともと私自身は特に音楽が好きだったわけでもなく、ギターや尺八が得意だった父が、私にも何か楽器を習わせようと思ったようで、中古のオルガンをどこからか手に入れてきて、小学校のとき、近所の教室に通うようになりました。しかし、家で全然練習もしないので上手になるはずもなく、教室に行っても先生からしかめ面をされるだけで、私も嫌になりすぐにやめてしまいました。音楽よりは、本を読むのが好きで、音楽は私にとっては苦痛といってもよいくらいのものでした。

そんな音楽嫌いの少女だった私ですが、小学校を卒業するころから、親友の影響で、海外のポップス音楽を聴くようになりました。そのころ、みのもんたさんがパーソナリティを務める「オールジャパンポップス20」というラジオの人気番組があり、当時大好きだったミッシェル・ポルナレフの「シェリーに口づけ」をリクエストしていたら、みのさんが私のはがきを読み上げてくれて、むちゃくちゃ嬉しかったです。それから、エルトン・ジョンにも夢中で、キーボードを弾き語りして美しく歌うミュージシャンに恋い焦がれるようになりました

エルトン初期の名曲「僕の歌は君の歌」(Your Song)。ピアノの吟遊詩人と言われていたころ。

Elton John ~ Your Song

 

しかし彼の音楽性が変わり、奇抜なコスチュームで派手なライブをするようになって、なんだかついていけなくなり、次に夢中になったのは、アメリのバンド「シカゴ」のキーボードプレイヤーでボーカリストであるロバート・ラムでした。

シカゴは、ギター、キーボード、ベース、ドラム、トランペット、トロンボーン、サックス(フルート)という7人編成で、リードボーカルが3人もいたので(ギタリスト、キーボーディスト、ベーシストが歌う)、音が多彩でした。私は彼らによって、生まれて初めてロックバンドというものの素晴らしさを知ったのでした。7人のなかでも、ロバートのことは、その声、キーボード、ルックス、全てにおいて本当に大好きで、彼は私の初恋の人だったと言ってもいいくらいです!

シカゴについては、かなり思い入れがあってまたいろいろ語りたくなってしまうので、今日のところは簡単に触れるに留めますが・・・

エルトンにせよ、ロバートにせよ、まずは歌ありきでした。そしてキーボードはその伴奏の道具でした・・・さらに言えば・・・・歌を引き立てるための道具「でしかなかった」のです。キーボードの音は、歌(ボーカル)を邪魔しない程度に、優しく光るように入れられていました。クラシックじゃジャズではないのだから、もちろんそれはそれでよかったのです。そういうスタイルに、私も何も不満はなかった・・それどころか、そういうのがすごく素敵だと思っていました。少なくとも中学2年のころまでは・・・

シカゴ初期の大ヒット「サタデイ・イン・ザ・パーク」~「一体現実を把握している者はいるだろうか」

Chicago - (1973) "Saturday in the Park" & "Does Anybody Really Know What Time It Is?"

ところが・・・中学3年になって、「キーボード = 伴奏」という、私にとってそれまで絶対的だった公式をぶち破る衝撃的な出会いがありました。上記とはまた別の親友が、「何かようわからんけど、すごかLPのあるけん、一緒に聴かんね!」みたいなことを言って、聞かせてくれた「トリロジー」(Trilogy) と題されたLPレコード。「エマーソン・レイク&パーマー」(ELP)というイギリスの3人組のバンドで、世界中ですごい評判だというのですが・・・1曲目から、度肝を抜かれました。それがこれでした・・・

当時リリースされたばかりの、ELPの4枚目のアルバム「トリロジー」の1曲目「永遠の謎」(The Endless Enigma) という曲です(注1)。「パート1」「フーガ」「パート2」という三部構成で、全体10分ほどです。

Emerson, Lake and Palmer - The Endless Enigma (Complete)

イントロからして、ミステリアス・・・心臓の鼓動?・・・いや幽霊でも出てくるのか???これは何の楽器だろう?いったい何が始まるのだろう?と思っていると、いきなり、電光石火のような激しいピアノが続く・・・インドのヘビつかいの笛みたいな音(注2)をちょっと挟んで、さらに、叩きつけるような、むちゃくちゃ速弾きのハモンドオルガン・・・歌が入る部分でも、オルガンが、伴奏ではなく、ボーカルに対して挑んでいるといってもいいくらいの強さがある・・・・。中間部の美しいピアノとベースの二重奏の部分は「フーガ」と名付けられ、後で知ったことですが、クラシックのフーガの技法で、作曲されています。そして後半(パート2)のファンファーレのような華やかな音、これはいったい何??

この曲を全体的にみれば、静と動のコントラストがはっきりしたメリハリのある流れをもち、グレッグのボーカルとベース、カールのドラムもタイトでかっこよく、キースのキーボードと華麗に融合しています。

とにかく、番存在感が大きくて「聴かせる」のはキーボードで、そのユニークな音色にしても、弾き方(激しいタッチ、超速弾き、グリッサンド(注3)の多用)にしても、それまで私が慣れ親しんでいたものとは、あまりにも違っていましたそして、イントロの幽霊のようなミステリアスな音とパート2を華やかに盛り上げるファンファーレのような音が、シンセサイザーという、まったく新しい、開発されたばかりの電子鍵盤楽器の音だということを知りましたこんな革新的なロックを作曲して演奏しているのは、一体どういうミュージシャンなんだと、そのことで頭がいっぱいになりました。名前は、キース・エマーソン。この人はキーボードを弾くだけ、ボーカルはやらない。。。(注4)(ボーカルは、ベーシストのグレッグ・レイク)なにせYouTubeもない時代です。レコード以外は、ラジオと音楽雑誌が情報源。キースがどんな感じの人で、どうやって弾いているのか、すぐにはわからなかった。とにかく、もっともっと聴きたい!!

私の中から、ミッシェルさんもエルトンさんもロバート・ラムさんもあっけなく吹っ飛び、それから、キースまっしぐらになってしまったのでした。

これが私のキースとの出会い。

それからだんだんとわかっていく、キースの偉大さについては、またゆっくりと語りましょう。

貴重なビデオをみつけました。自宅で、「フーガ」部分を作曲する、若かりしキース(28歳ころ)。右手の5本指の軽やかな動きに胸が詰まります・・ (YouTubeって本当にありがたいですね。)

Keith Emerson composing Endless Enigma from Trilogy

 

 (ところで、彼の話声は、当時こんなスイートボイスだったのですが、後年、、声変りでもしたかのように、大変低い声になっていました!

注1この曲のタイトル「永遠の謎」は、ダリの絵「果てしない謎」(Enigma sin Fin)(こちら)に感動してイメージを得たものだと、後年、キースが語っています。ちなみに、キースは、バルセロナのホテルで、ダリを見かけたことがあって、「彼は、自身がすでに描いていた絵さながらで、とても印象的な姿だった。」と振り返っています(CD ”Three Fates Project" ライナーより) ELPは「トリロジー」のジャケットにする絵をダリに依頼しようとしたが、報酬があまりにも高くて断念した、という話は有名(結局ジャケットはヒプノシスというアート集団に依頼された)。

注2)「ヘビ使いの笛のような音」 これは「ズークラ」というチュニジアの民族楽器で、キース自身が、現地を奥様と旅行した際住民から購入して、演奏しています(実は、こんなことも今になって調べてわかったのですが)。大変な肺活量が必要な難しい笛で、キースは大変苦心して演奏した模様です。

注3)「グリッサンド」  鍵盤を一つ一つ弾くのではなく、あるキイから別のキイまでを、まとめて、指や手のひらや手首などを押し当てて素早くスライドさせる演奏法。高速で豪快なグリッサンドは、キースの十八番。「永遠の謎」でも、パート1の終わりの方とパート2のボーカル("Each part was played, though the play was not shown..")の後、グイグイと聞こえてきます。むちゃくちゃカッコいい!!!

注4)キースが、生涯にわたって、一度もボーカルをやらなかったかというと・・・実は、2曲だけ、彼が(リード)ボーカルとしてクレジットされているものがありまして、そのことについては、いずれまた。なお、ギターはまるでダメらしく、コードをボロロンくらいみたいです。