波佐見の狆

A private fansite for Elliot Minor, the Heike, etc.

Die Schone Mullerinより 'Mein!' 

2006-11-30 15:59:44 | Harry Sever

Die Schone Mullerinの中でも私が特に好きな曲が, track 11の'Mein!'(僕のもの!)である。Harry自身もこの曲がとりわけ気に入っていると言っていた。

主人公の粉挽きの若者が、親方の娘に対する片思いを募らせていく。いつまでたっても彼の空回りで、娘の方は彼のことなどまったく眼中にないのだが、それでも、生まれて初めて人を好きになった若者は、あの娘は僕だけのもの!という気持ちだけが果てしなく激しく燃え上がり、その感情を小川や水車や鳥にぶつける。

小川よ、せせらぎの音を立てるな。

水車よ、ごとごと廻るのをやめよ。

大小さまざまの元気な森の小鳥たち、

おまえたちの喋りはもうたくさんだ!

今日は森の内でも森の外でも

ただひとつの詩だけを響かせよう。

「愛しい水車小屋の娘は僕のもの!」と・・・

まず、伝統的なバリトン/テノール版ではどんな感じなのか試聴してみよう。

フィッシャー・ディースカウ(バリトン)

http://listen.jp/store/album_00028941518620.htm


フリッツ・ヴァンダーリッヒ(テノール)

http://72.14.203.104/search?q=cache:_ZMGZKmkBTMJ:www.amazon.co.jp/gp/product/B000001GR2+schubert+Die+Schone+Mullerin%E3%80%80%E8%A9%A6%E8%81%B4&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=1&lr=lang_ja|lang_en

Harry のDie Schone Mullerinをお持ちの方は、同感してくださると思うが、あまりに雰囲気が違っていて同じ曲とは思えないくらいではないだろうか。

バリトン/テノールver、つまり「おじさんver」の方は、テンポも遅く、思索的というか、何かしら物悲しげである。「ああ・・貴女は私だけのもの・・・・こんなに貴女を愛しているのに・・・貴女はつれない...私はどうしたらいいのだ・・・・」と切々と歌い上げる雰囲気だ。ちょっと演歌っぽい感じすらある(私も試聴だけの感じで言っているので、語弊があったらお許しいただきたい)。しかし、Harry verは、Nadanaiのピアノ伴奏からしてテンポが速く、きびきびとして、苛立つ感情が爆発する。小川よ、水車よ、小鳥たちよ、黙ってろ!僕の言葉だけ聞けー!あの子は僕のものだあ!!誰にも渡すもんかあ・・・・・

決してshoutしている訳ではない。実に品がいい。Harryの育ちの良さはどうあっても隠せない。だが、確かに強い苛立ちが伝わってくる。おじさんverが演歌とすれば、Harry verはロックである。カッコいいのだ。歌唱法はもちろん典型的なクラシックだが、spiritがロックである。どんなふうにしてこの曲を歌っているのか、これだけでもビデオクリップとかを作ってくれればいいのだが・・・。

この一気に伸び始めた若芽のようなパワフルな歌い方がとにかくいい。従来のボーイソプラノのmain featureであった「清らかな天使の歌声」とは大きく一線を画すものである。

伝統的なシューベルトとも、ボーイソプラノらしいボーイソプラノとも異なるこの'Mein!'は、好みが大きく分かれるところかもしれない。しかしともかく、人のやらないことをやってこそ、超一流の芸術家だと私は思う。

私は家で仕事をしているが、仕事中も大抵音楽を聴きながらやっている。BGMかけながらの仕事なんて、マジにやっていないんだろうと思われてしまうかもしれないが(確かにしょっちゅう気が散っていますが・・・)私にとってHarryの歌声は「BGM」ではない。もっと積極的にmind と brainに働きかけ、脳細胞全体を活性化し、ひいては仕事の質を高めるパワフルなenergizerとなっている。

                       *******

Harry SeverのMein!は試聴はできません。CDをお買い求め下さい。今のところ、海外のオンラインサイトに注文する方法しかありません。

(もし、欲しいけど海外のサイトから取り寄せることが面倒だという理由で、購入をためらっている方がおられましたら、代理で購入してお送りできますので、メールでお尋ね下さい。)

Tadpole Music

http://www.tadpolemusic.com/index.htm

£12($24)

Abergavenny Music

http://www.mynydd.com/secure_abermusic/ccp51/cgi-bin/cp-app.cgi?usr=51F3370299&rnd=7379638&rrc=N&affl=&cip=81.159.56.70&act=&aff=&pg=prod&ref=SEVER&cat=&cats

 £14.99

Tadpoleはりリース元であるから、こちらが安いのだが、ただしTadpoleから求めるにはPayPalという送金システムのアカウントを持つ必要がある。Abergavenny Musicの方は、PayPalも受け付けるが普通のクレジットカード入力もできる。

ちなみに、PayPalについては。。。

http://ezy4u.net/signup/ など、日本語で丁寧に説明されたサイがいくつかある。私もDie Schone Mullerin購入のために初めてPayPalの口座を作ったが、思っていたよりスムーズで便利なシステムだと思う。

(Mein訳詩は、全音楽譜出版社「シューベルト歌曲集1、美しき水車小屋の娘」より一部改変。)

(Photo used with the permission of Judy Sever )

追記)

今Milizさんよりコメントをいただいたので付け加えておきます。下記のサイトでも入手可能とのこと(メールにて問い合わせ要)。

http://www.preluderecords.co.uk 

£12.20 とのことなので、Tadpoleとほとんどかわらない。仕事も確実スピーディーでおすすめとのことである。


 

 

 

 

 


那須のおみやげありがとう

2006-11-26 15:35:20 | 狆 (栗之介・恵之介・光之介・十兵衛)

栗之介とてんちゃんのお友達が那須で集合して、ふたりを「偲ぶ会」を開いてくださいました。

みゆきさんが作ってくださった愛情あふれるアルバムです。http://www2u.biglobe.ne.jp/~aizawa/MyChinFrameSet.html

(もくじより「僕たち、狆友」を開いて「那須高原お泊り会」をクリック)

キャンドルがともされ、みゆきさんのお歌「涙そうそう」ハナ・ミミママさんの朗読「千の風になって」ハナ・ミミパパさんのお歌「星に願いを」で偲んでくださったそうです。栗もてんちゃんもお空から降りてきて、楽しくすごさせていただいたことでしょう。

お土産まで送っていただき、恐縮です。さっそく栗の祭壇にお供えしました。にぎやかな祭壇になりました。

みゆきさんからの栗へのお手紙、字が読めなくてごめんなさい!全文は次のとおり:

栗之介くん

那須に遊びにきてくれてありがとう。にこにこの笑顔だった。

きちママさんにいただいたくまさんと、みなさまからいただいた

おみやげすこしずつおすそわけ。キャンドルはあの時の君の分ね。

 

きちママさんからのテディベアさんは、足の裏に栗の誕生日(10/2)が記されています。 みゆきさんからのキャンドルでさっそくお線香あげさせてもらいました。

皆様、本当にありがとうございました。

栗くん、よかったね。

 

 

 

 

 

 

  

 


ボーイソプラノではなくなっても

2006-11-23 20:42:00 | Harry Sever

ボーイソプラノの絶頂期(pinnacle)にある少年声楽家の応援サイトを立ち上げたとたんに、変声のニュース・・・というより、本サイト立ち上げの時点で既にボーイソプラノではなかった、というのは考えてみれば皮肉なものである(立ち上げは9月末で、Harryが変声期に入ったのは8月。).... まあ、もっと早く彼のdevoted fanにならなかった自分がバカなのだから、それを言っても仕方がないのだが・・・・・

日本語で「声変わり」と表現するこの医学的事象も、英語ではvoice break と言う (voice changeとも言うが、breakを使うのが一般的)。「彼は変声した」はHis voice has (is) broken. と言う。声が壊れたとか破れたとか、実に悲しい表現ではありませんか・・・・・。

「ボーイ・ソプラノの館」の館長さんも、「ヨーロッパでは、ボーイ・ソプラノのことを「神様のいたずら」と呼んでいるようです。神様がある少年に美しい声を与えておいて、ある時期がきたら、否応なしに奪い去ってしまうところからきた言葉です。たいへん美しくも残酷な名前です」とおっしゃっている通りである。

しかし、何事にもpositive thinkingで余裕しゃくしゃくのこの小さな巨匠(あ、でもきっと背も伸びているのでしょうね・・)は、「神様が遂に僕からソプラノを奪った」ことではなく「神様が僕にまた新たな声をくれた」ことにしか目が向いていない。彼にとっては、voice breakもさらにbigな芸術家になるための踏み台に過ぎないようだ。自分のソプラノが止まる時期をちゃんと予測して、それまでに何をするべきかと逆算して目標を定め、精力的にレコーディングにリサイタルにと日々邁進していたようにすら思われる。

館長さんの言葉はさらにこう続く―― 「蝶々がさなぎの時期を越して美しい成虫になるように、変声期という冬の時期をじっと耐え、心を磨いた少年だけが大きくはばたくのです。そんなことができるならば、その少年の一生にとってボーイ・ソプラノは美しき思い出であると同時に、人生のプロローグとさえなるでしょう。ボーイ・ソプラノは、少年時代だけに与えられた仮の声なのですから、いつまでもそれにしがみつくことは、むしろ、その少年の人間的成長を妨げるのではないでしょうか

全くもってその通りであり、肝心のHarryが全然しがみついていないのに、私だっていつまでもボーイソプラノHarry Severという「ノスタルジア」に浸っていようというわけではない。 絶頂になったとたん朝露のごとく儚く消えてしまうephemeral beautyをいつまでも嘆いていても仕方がないのは、少なくとも理屈上はわかっている。ただ・・・私にとって、Harry のソプラノは、beautyという一言ではとても片付けられない、もっと崇高で、私自身が高められるような、非常にパワフルなものであったので、彼のトレブル時代のperformancesについて語ることは、単なるノスタルジアではなくもっと建設的なものだと思っている。

それに、長年の伝統としてバリトン/テナーで占められてきたDie Schone Mullerinの市場に、全曲ボーイソプラノでの録音という「奇策」をもって殴りこみをかけたかと思うと、こんどは変声期に入ったばかりのemerging voiceでソプラノ時代の代表曲を歌って世界中に流すという度々の大胆不敵さからもわかる通り、彼は従来のボーイソプラノにはいなかったような随分と型破りのところがある人で、これからも何をやらかすかわからないのである!

(先のBBCインタビューでもS. Raffertyから You've broken the mould. とはっきり言われていた! mould が「鋳型」の意味で、break the mouldで「型を破る」というイディオム。 

 break the 'mould (of sth) to change what people expect from a situation, especially by acting in a dramatic and original way: She succeeded in breaking the mould of political leadership. <OALDより> )

そういうところがまた私にとっては尽きない魅力なのだと思う。

というわけで、本サイトでは、これからもボーイソプラノとかテナーなどというvoice rangeにこだわらず、Harry Sever少年(そして青年)のmusicalityと personalityについて大いに語りながら、今後の彼の動向に関する情報を出来る限り紹介していきたいと思っている。

なお、上記で言及した「ボーイ・ソプラノの館」は、日本のボーイソプラノの視点から、ボーイソプラノの諸側面について総合的専門的に研究している大変informativeなサイトである。

トップページはこちら。

http://www5d.biglobe.ne.jp/~yakata/index.htm

特に、「ボーイ・ソプラノの歴史」「ボーイ・ソプラノと変声期」「ボーイ・ソプラノの美学」の3章は、ボーイソプラノ愛好家ならぜひ一読されたい。私も、また変声の問題を論じる歳に引用させていただくつもりである。

お正月過ぎまでずっと超多忙が続くため、読み応えのある記事を書くまとまった時間が取れないのですが、少しずつ草稿を練っていますので、辛抱強くお付き合いいただければ幸いです。

 (Photo from the Harry Sever interview on Boy Choir Mgazine; used with the permission of BCM and Judy Sever (in advance of the Japanese translation of the article)


栗恵家は喪中

2006-11-17 13:33:23 | 狆 (栗之介・恵之介・光之介・十兵衛)

やばい・・ついに風邪をひいて熱が上がってきた・・月末納期の仕事は捗らない・・・・・Harryインタビューもほったらかし。。他にも構想段階の記事がいろいろあるのに、なかなかアップできない・・・・

何かと気が焦る季節です。。。

年賀状とクリスマスカードの季節ですね。栗恵家はもちろん喪中です。いつも年賀状を交換している皆さまにはまた個別にご連絡するつもりですが、そのようにお含みおきくださいませ。この場を借りて取り急ぎお願いまで。。。

クリスマスカードはイギリスに2通、オーストリアに1通送りたいところがあるけれど、、書けるのかなあ・・間に合うかなあ~ 

クリスマスといえば・・・はうっ!BACメッセージの受付は明日までですか?!

今日はちょうどぱぱも飲み会で夕飯要らないって言ってたし、がおーーっと睡眠とったほうがいいかしら。

独り言失礼しました。。。

皆様もくれぐれもご自愛くださいね。

親ばかサイトの皆様、Have a wonderful weekend in Nasu!

 

 

 


How do you pronounce 'Sever'?

2006-11-11 23:16:30 | Harry Sever

話はBBCインタビューに戻りますが・・・

インタビュアーが、'Sever'を2通りに発音していました。

① 「セヴァ

②「シーヴァ

私はずっと①が正しいと思っていたので――だって、「切断する」という動詞と同じ発音のはずではないですか!――びっくりです。なんで②が出てくるのか・・・・・BBCのディスクジョッキーともあろう人が母国語の簡単な動詞の発音も知らないはずはないのに・・それとも、もしかしたら、私が間違っていて、人名だから動詞の場合の発音とは違うのかしら、固有名詞になると独特の発音をするのかなと少々不安になったくらいです。念のためSever家に尋ね、もちろん①が正しいことを確認しました。また、他のイギリス人のファンもこの間違いについて、'Seever'じゃあるまいし。。。とかなり呆れていました。。。。

(ついでながら、このディスクジョッキーは'My Own Country'のレーベル名'Herald'も healedのように発音したのですが、[e]を[i:]と言う個人的な癖があるのでしょうか・・・・) 

教養あるネイティブでしかもしゃべりを商売にしている人でもこうなのですから、日本人が間違えるのも仕方がないかもしれないのですが、Severの発音については、以前から言いたいことがありました。

カタカナ表記の問題なのですが・・・来日時の公演パンフレットに「ハリー・セーバー」とか「ハリー・セイバー」とか書いてあったとのことで、それ以来、このカタカナが広まっているようですが、もうやめませんか?

③「セーバー」 → だいたい英語に「エー」と伸ばす音はありません。「メール」「ゲーム」「テープ」などなど、日本語として「エー」が定着しているものは多くありますが、それに右へ倣えで「セーバー」とわざわざ書かなければならない理由はどこにもありません。

④「セイバー」 → こう書く人が一番多いようですが・・よく綴りを見てください!sever ですよ!saverではありません!まあ、意味的にはsaverの方がいいかもしれませんけどね・・・なんとなく聞きなれたカタカナと混同しないようにしましょうね。

③とか④とかが定着してしまうのを危惧しています。大人になったHarry がまたいつ来日してくれるかもわかりません。あのぉ・・・僕、Harry Saverじゃないんですけどぉ・・と思うじゃないですか!

なお、verを「バ-」と書くか「ヴァ」と書くかについては、私は柔軟に考えています。早い話どちらでもいいと思っています。好みの問題もあるでしょう。私個人としては、どちらかというと。。。「セバー」の方が落ち着きがいいかなと思っています。very を「ベリー」  veteran を「ベテラン」などと書くのが定着していますし、人名もVictoria 「ビクトリア」でいいでしょ?ドイツ語の人名で「ヴィルヘルム」とかいうのはありますが、これは綴りがwだからではないでしょうか。とにかく、強いて「ヴァ」にこだわる必要もないのではと。「ヴァ」がカッコいいという感覚があるのはわかりますが、日本語表記として見た場合、できるだけ自然でかつ原語の発音にできるだけ近いようにするのがいいと思いますので、そのバランスから考えて、私としては「ハリー・セバー」に落ち着くわけです。(実際に発音するときは、ちゃんと上の歯を舌くちびるに置きましょう・・

まあ、本来日本語とは全く別物である英語の発音をカタカナ表記にすることにおいては、いろいろな問題があり、議論を始めるとキリがありません。

たとえば、「ハリー」「コナー」と長音の「-」を必ず付して書きますが、発音記号からいえば、Harry のyの部分もConnorのorの部分も短母音ですよね。固有名詞でなくても「ドクター」とか「カンパニー」とか語尾に「-」を付しているのはほとんどそうです。ただ、日本語のこの「-」の音は、英語の[:]と物理的に全く同じものというわけではないですし(と、思うのですが、もし間違っていたら教えてください)。とにかく「ハ」「コ」「ドク」「カンパ」の方にアクセントを置いて言えば日本語式で発音しても英米人には、ちゃんと理解してもらえます。ですが、Severを「セイバー」と言ってしまうと、saverという全く別の単語になってしまう。それが問題なのです。

結論

ともかく、Harry Severなのです! このまま文字通りに読むだけです。なんでわざわざHarry Saverとか Harry Seeverに変えるのでしょうか・・・ 

(写真は、prep school時代。11歳くらいでしょうか?

Photo used with the permission of Judy Sever)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Let's send Christmas messages to ex-BAC boys!

2006-11-07 08:09:13 | Harry Sever

早いもので、今年もあと2カ月足らずとなってきました。皆さんもそれぞれに何かとお忙しくお過ごしのことと思いますが、私も年末に向けてもう一山、大仕事をやっつけなければいけないので、当分長い投稿ができません(なので、BCM Harryインタビューの訳はまだ先。。。来月。。。へたしたら来年になります)。数日おきに、細切れ投稿みたいになりますが、適当にお付き合いいただければありがたいです。

今日はとりいそぎ、次のお知らせをば・・・・

Boys Air Choirをずっと愛してきたあなた!彼らにクリスマスメッセージを届けませんか?

伝説となった2004年の来日公演を最後に、活動停止状態のまま2年近く経ち、最後のソリストであったHarry Severの変声とともに遂に終焉を迎えたBAC。教会付属聖歌隊の垣根を越えた少数精鋭プロジェクトとして立ち上げられてから、ほぼ10年です。各自の教会でのお勤めと学業の傍ら、レコーディングに海外公演にと頑張ってきたメンバー達は、すでにそれぞれに新しい道を歩み始めたと考えられ、ハリーやトリスチャンを除けば、現在どうしているかということについてはっきりした情報は得られません。それでも、これまでの素晴らしい活動に感謝し、今後のそれそれの活躍を祈って、温かいメッセージを送ってあげたい。。。彼らの音楽をいつまでも忘れないと伝えたい。。。。FBACサイトのMilizさんの提案に、にわかファンである私も心動かされました。

送信フォームと詳細はこちら!(受付は今月18日までとなっています。)

http://fbac.ninpou.jp/xmas.html

 

 

 


キャリー好きDNAか・・・

2006-11-04 16:34:28 | 狆 (栗之介・恵之介・光之介・十兵衛)

恵之介が、最近急にキャリー好きになってきました・・・

お兄ちゃんがしていたように、夜寝るときに、ささっと自分からキャリーの中に入って、二階に連れていってというのです!

で、二階でキャリーの扉を開けてあげると、一旦外に出て、私の枕を分捕って寝てたりするのですが、そのうちまた自分でキャリーに入ってたりします。これもまさにお兄ちゃんそっくり!

今までは二階に連れていくときは(とにかく、小さいので自分で階段を上り下りすることはできません)、胸の方に手を入れて、ぐっと抱えて上がっていたので、どうもそれで息苦しくなり、よけいこほんこほんを促進していたようなので、ともかく、キャリーに入って上がるのがいいみたいですね。

お兄ちゃんも、ほっとしてくれてるでしょう。

 

 


”London Recital Review" 追記

2006-11-02 10:02:51 | Harry Sever

BBCインタビューの興奮がまだ冷めやらないというのに、また新たなHarry のインタビューが入ってきました!

オンラインの 'Boy Choir Magazine' Nov./Dec. issueです!

http://boychoirmagazine.com/

(Current issueというところをクリックすると、Harryの写真が出てきますので、そこから開けます)

詳細は、また後ほどということで、その前に、今までの投稿のことで追記がいくつかあります。

「London Recital Review」に関してなのですが、Curraghさん("Miscelleneous thoughts"サイトの管理者さん)およびSatomiさん(FBACフォーラムメンバー)から有益なご教示をいただきましたので紹介させていただきます。

 

①「休憩の後は、イギリス人作曲家、ハウエルの曲が3曲。最初は"King David"である。」と訳した箇所ですがこれは、「ハウエル」は誤りで、正しくは「ハウエルズ」(Herbert Howells)でした。原文がHowell's "King David"となっているので、私もちゃんと調べずそのまま書いたのですが、おそらくHowells' "King David"のつもりのタイポだと思われます。"My Own Country"のプレイリストを見ればすぐにわかることでした。

 Curraghさんが、ハウエルズの作品一覧サイトを教えてくださいました

http://www.ne.jp/asahi/enigma/anglophile/music/howells/howells.work.html#work6

② 「私を含め、メンバーは、男性も女性も、年齢から考えると、少なくとも合計4000年間はボーイソプラノを聴いてきた人間だから、この聴衆を感動させるのは、どんな歌手でも難しい。」と訳して、この「合計4000年間」の意味がわからないということを訳注にも記していた箇所。(原文はThese men and women have been listening to boy sopranos for, judging by our ages, a combined total of at least 4000 years. Impressing them all would have been a tough task for anyone.)

聴衆はかなりの年配だと思われるので、ボーイソプラノ愛好歴が1人40年ほどで、それが100人ほど居たということだろうけど、変な記述だなあと思っていましたが、これは単なるユーモアと解釈すればよいようです。

なおこの箇所をCurraghさんが訳されると次のようにぐっと生き生きとしてきます。

聴き手はわたしもふくめて男性も女性も相応にいい歳 、ぜんぶあわせればすくなくとも4000年はボーイソプラノを聴いてきた計算になるので、こんな聴き手をおしなべて感動させるなんて芸当はけっして容易なことではなかったろう。」

後半の文、would have been a tough taskという仮定法過去完了は、やはりこのようにそのまま(丁寧に)訳出したほうがよかったですね。「難しい」と言い切ると、永久の真理のようで、流れからして変かもしれません。

ついでながら、このレビュー冒頭の数行についてもCurraghさんの名訳をいただいておりますので、皆さんも味わってください。

今日、ロンドンで(聖歌隊の伝統を守る運動有志の)集まりがあり、その折ウィンチェスターカレッジ のハリー・セヴァーのミニリサイタルを存分に堪能するという、この上なくすばらしい機会に恵まれた 。作曲者や作品についてかんたんながらも堂に入った曲目紹介を交えつつ、ハリー少年は鍛え抜かれた抜群のテクニックで自信たっぷりに歌い上げた。はじめの三つはドイツ語の作品だったが、ハリー少年 は臆するどころか、いかにも気持ちよさげに歌うではないか。われわれ聴き手は歌い始める前から確信していた――これはただたんに優秀なボーイソプラノによるリサイタルではない。ドイツリートにすべてを捧げた、若きリート歌手による演奏会なのだ。歌っているときの姿勢といい、完璧に制御された表情や手つきといい、まるで実年齢の倍の大人が歌っているかのような錯覚すらおぼえた。…

素敵ですねぇ・・英語から訳したものではなく、最初から日本語で書いたような自然な流れがあります。(私のは、直訳にちょっと毛が生えた程度ですからね・・・ )

③ 音楽の専門用語で、tessituraというのが出てきました。

フランクの「天使のパン」にまた別の作曲家が曲をつけ、このニューバージョンをさっそくHarryが歌ってみせた、というところです。

「それは、その日のレパートリーのどの曲とも全く異なる歌唱スタイルが要求される、とても静かで全体のテッシトゥーラ が高いものであった。」

このtessituraという用語については、ネットで調べても正直あまり分からなくて、ともかく音域のことらしい、ということで訳も逃げていたのですが 、Satomiさんが次のように説明してくださいました。

                         ******

音楽辞典による「tessitura」の定義:

「ある曲の大部分の音が入る音域をいう。特に声楽用語としては、突出して現れる最高音と最低音を除いた、歌手が楽に出せる声域をいう。」(新訂標準音楽辞典(音楽之友社))

・・・つまり、単なる広範囲な「音域」なのではなく、その曲の大部分を占める音域ということでしょう。 そのフランクではない人が作曲した「天使のパン」は、ただ単に「高い音が出てくる」とか 「最高音がとても高い」というだけではなく、きっと曲を構成するほとんどが高音域で作曲されているんだと思います。一般的に「歌手が楽に出せる声域」というのは、たぶん「ファ~高いミ」くらいだと思いますが、この「天使のパン」は最高音と最低音を除いてもほとんどがそれ以上の高音なんだと思います。(どれだけ高音なのか知りたいですね) いきなり高音で始まる曲というのは、かなり歌いづらいです。ましてや、「とても静かで」 と書いてありますが、高い音を静か・弱めに歌うというのもかなり難しいです。

そんな高音域の難しい曲を、ハリーは平然と歌ってしまったということなんですね。ますますその曲を聴いてみたくなります。

                                             ********

なるほど! よくわかりました。

なお、訳としては、「とても静かで全体のテッシトゥーラ が高い」ではなくて、「全曲を通して弱音でしかも高い声域」が要求されるものであったという感じではどうか、とCurraghさんがまた教えてくださいました。quietは私も「静かな」ではなくてもっと適切な言葉がありそうだと思っていたのですが・・・「弱音」ですね!

皆様、ご教示ご協力ありがとうございました。今後ともお世話になります!

 

(Photo used with the permission of Judy Sever)