仕事が一段落して、Harryの記事を書いたら次はElliot Minorについて詳しく書くといいながら、仕事以外にもいろいろ忙しくて、ずいぶん日数が経ってしまいました。
7月にさわりだけの記事を書いたころは、私自身Elliot Minorについて知ったばかりでしたから、日本人とのハーフのメンバーがいて、しかも彼はボーイ時代にあのSt John's のヘッドコリスターだったということにまず焦点を当てたものの、それから進んでいませんでした。なのに、思いもかけずElliot Minorの日本支援チームの代表者の方が書き込みしてくださり、こんな初心者記事でもネットに流している以上、きちんと読まれているということがわかって、早く「さわり」の先へ進めなければという、にわかファンなりの使命感?のようなものを感じました・・・・・。
・・というと、オーバーですが・・・こんなにいいバンドで、しかも日本人の血を引く才能が、初めて本格的にブリティッシュロックの輝かしい歴史に名を刻もうとしているというのに、イギリス本国での評価と比べると、日本での注目度があまりに低いことが寂しく、歯がゆくなります。もっと多くの人々に聴いてほしいのです。
微力ながらこのブログが、Elliot Minorの素晴らしさを日本の皆さんに知ってもらうための、一助となっていくことができれば幸いです。
・・・・ふぅ・・のっけから力が入りすぎてしまいましたね。
まずは、話を分かりやすくするために?!Elliot Minorというロックバンドの特色・・・だと私が思っているポイント、つまり、私がElliot Minorのどういうところが特に気に入ってしまったのか、というポイント(あくまで個人的見解ですョ)をいくつか挙げます。
① しっかりしたクラシックの基礎に基づく、ハイレベルな演奏技術、歌唱技術、および緻密な曲作り。(しかし、その技術を各自がやたら自己顕示せず、全員がとてもうまくまとまっている。)
② 「ツインボーカル」を務める2人のリードボーカリストの声が素敵。
② メロディがきわめて美しく、洗練されている。哀愁に満ちた、日本人好みのメロディがあちこちに含まれている。
③ バイオリンの多重録音を主とするストリングスのアレンジが壮大でセンスがよい。
④ 抒情的でドラマチックな映画音楽のような曲調があるかと思えば、ハードロック調の「疾走感」のある性急なビートがあちこちで炸裂し、その変化ある展開とメリハリが実に爽快。
⑤ CDの各曲間のつなぎ方が上手い。
⑥ YouTube、Facebook、ツイッターなどを駆使して、常にファンに自ら伝えようとする努力を怠らない。
⑥ かなり地味な恰好をしていて、皆育ちがよく、それでいて、どこにでもいそうな普通のお兄さんという気さくな感じがよい。(これはあんまりどうでもいいか・・)
⑦ 8月に代官山のライブに行ってみて、予想以上によかった。
・・・・・思いつくまま書いてみましたが、こんなところでしょうか。これから少しずつ、具体的にお話ししていきますが、今日のところはメンバーのプロフィールと、既出のCDについて簡単に紹介します。
デビュー時点でのメンバーは5人。
Alex Davies - ボーカル/ギター
Ed Minton - ボーカル/ギター
Dan Hetherton - ドラム/バックボーカル
Teddy Hetherton - ベース
Ali Paul - キーボード
AlexとEdの「ツインボーカル」というのがバンドの特徴の一つですが、7月に紹介した’Still Figuring Out'を除いては、Alexがメインで、Edがサブ的に(という言い方が適切か自信はないですが・・・)ソロパートを歌い、あと全体的に適宜2人、さらにDanを加えて3人でのコーラスになります。AlexとEdは、声質も歌い方もかなり異なっていますから、それが相乗効果を生み、音楽に深みと豊かさをもたらしています。
前の記事でも書いたように、AlexはYork Minster Choir Schoolで、EdはSt John's College School, Cambridgeでボーイ時代の英才教育を受けたのですが、その後、Uppingham Schoolというパブリックスクールに進学し、そこで運命の出会いをします。このUppingham School というのは、Winchester Collegeのように、音楽教育に特に力を入れている名門校だそうです。当初Alexは弦楽四重奏団にはいっていて、将来はコンサートバイオリニストになりたいと思っていたそうですが、彼をロックの世界に導いたのがEdだったのです。Edは、それほど早くからロックに目覚めていたのですね・・・・。ふたりは、デュオを組んで、学校のコンサートで歌いながら曲作りを進めていきました。この時点ですでに、Elliot Minorの原型ができていたわけです。
曲の作詞作曲および編曲は、ほぼすべてAlexがやっている模様ですが、何曲かは、Edも作詞をしています。DanとTeddyは、実の兄弟です。キーボードのことですが、Aliが9月いっぱいで脱退したため、現在は、4人体制で、とりあえずAlexがキーボードを兼任しているのではと思われます。Alexだけでなく、皆ピアノやバイオリンやチェロなどいろんな楽器ができるのは、やはり聖歌隊でクラシックの基礎を叩き込まれているからですね。
現在、2枚のスタジオ録音CDを出しています。
デビューアルバム ’Elliot Minor' (2008年4月UKリリース)
1. Time After Time
2. Parallel Worlds
3. The White One Is Evil
4. The Liar Is You
5. Lucky Star
6. Jessica
7. The Broken Minor
8. Still Figuring Out
9. Silently
10. Running Away
11. Last Call to New York City
12. Forgetting You*
13. She's Getting Around*
14. Wait Another Week*
(*12から 14は、日本盤のみのボーナストラックです。UK盤と日本盤はジャケットが違います。こちらは日本盤です。)
セカンドアルバム 'Solaris' (2009年10月UKリリース)
1. The Dancer
2. I Believe
3. Electric High
4. Coming Home
5. Carry On
6. Solaris
7. Better Than The Courtroom
8. All Along
9. Discover
10. Shiver
11. Tetherd
12. Let's Turn This Back Around
13. Jacky Jules*
14. Solaris (Commercial Single version)*
15. Solaris (Acoustic Version)*
(*13から15は日本盤のみ。13は、最近になって、海外のファンも無料でダウンロードできるようになりました。14 は、 6とだいたい同じですが、この曲がBBCのバンクーバーオリンピック番組に使用されることになり、録音し直したもの。15は、6をアコースティック調にアレンジし直したものですが、このようなアコースティックバージョンの制作ということに、バンドはこの後大変力を注ぐようになり、実は今月Solaris Acousticという全面アコースティックのCDがリリースされます。それについてはまたあらためて書きます。写真は日本盤ジャケットです。)
いずれも、日本盤のみのトラックを含みますし、ぜひこのジャケットのCDを購入することをお勧めします。わざわざ日本盤も買い求める海外のファンも多いようですよ。
それぞれ、ほとんどの曲がYouTube上で聴けます。多くはバンド側から正式に発表されているMusic Video(およびvideo blog)ですが、そのほかにファンが投稿していて著作権は大丈夫なのか?と思われるものや、ファンのカバーなどがありますので、そのあたり区別して楽しんだ方がいいでしょう。
お薦めのMusic Videoを4つほど紹介しましょう。
まずは、彼らのナチュラルな表情が素敵なこちらを。
'Electric High'
Elliot Minor - "Electric High" Music Video
次に、念入りに作成された幻想的なPV作品を2つ。
’Parallel Worlds' (インディーズでのデビューシングル。紳士淑女の食事中のテーブルがなぜかロックのステージに・・「キミは気づいていないだろうけど、常に別の世界が日常的に存在するのさ」というメッセージ。)
Parallel Worlds - Elliot Minor - New
'The White One is Evil' (メジャー<ワーナー>契約後初のシングル。白い怖い悪魔がやってきたーもう逃れられないー・・というお話し。Edの、おろおろと逃げ回る?表情や、Alexのspookyなメイクが面白い )
The White One Is Evil - Elliot Minor
ちょっと毛色の変わったこんなのはどうでしょう。通りをぼおっと歌いながら歩くAlexの横でピアノを弾くストリートミュージシャン、肩にぶつかるお兄さん、前を尊大に歩くジェントルマン、お花の箱を落とす配送業者、みんなメンバーが演じていますね。
’Time After Time'
Time After Time - Elliot Minor
YouTubeからこうしてさっと見られて、おおよその感じが掴めるのは本当にありがたいのですが、ビデオクリップというのは、はどうしても、視覚情報に気を取られてしまい(白い悪魔のおねえさんの踊りがちょっとダサいなぁ、、、とか)、音そのものの本当の良さを味わうには不十分です。CDも大変安くなっていますから、ぜひCDを購入してじっくりと彼らの音楽性に耳を傾けていただきたいと思います。
繰り返しますが、私はまだファンとしては初心者ですので、何か間違いなどありましたら、今後とも遠慮なくご指摘・ご教示お待ちしています。
マイナーコード、哀愁、ピアノ、このへんのキーワードが、由美子さんも私も好みが共通しているようで、Elliot Minorの魅力に共感してもらえて嬉しいなあー
8月に東京の代官山で見たライブについてはまた書きますよーー 本国では絶大な人気なんだよねーーいつか由美子さんといっしょにいろんなバンドのライブを見にイギリスへ行きたいなあ。