波佐見の狆

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超お薦め「アタリア」UK盤 2000円!

2007-05-27 10:33:55 | Other musicians

Aledがキーロールの1人として参加しているヘンデル「アタリア」の入手方法について、前の記事ですでに少し触れました。以下追加情報ですので、もうちょっとだけお付き合いください。

まずAmazon JPで、UK importの新品が3093円とあるのでこれはお買い得だろうと書きましたが、それならAmazon UKの方がもっと安いはずだと思い調べたら、、、やはりたったの £5.08です!2枚組み新品だというのに大丈夫かなと半信半疑でとにかく取り寄せてみました。Delivery Chargeが£3.58でTotal £8.66。ブックレットもちゃんとついていて、ディスクも物理的に何も問題ありません。今日のレートで£1=241円なので、送料入れても2000円ちょっとでゲットできたことになります。ちょっとどこか読み間違えてオーストラリア盤みたいだと思ったのですが、そうではなくて、UK国内盤です。Decca制作、2003年にAwards Collectionシリーズの1つということでUniversal Classicsから発売されたもので、古い名録音を廉価版として発売するというきわめて良心的な商品だと思います。

 

ところで、私が記事中で薦めたCDがちゃんとしたものかどうかが気になったからとはいえ、既に日本盤をもっているのになんで今回また新しく買ったかというと・・・これを見てやってください。。。 なんと、購入して16年かそこらあまり聴かないで湿気の多い部屋の押入れに入れていたため、ディスクのクッションに入れてあったスポンジがべったり張り付いてしまい、取れなくなってしまっているではありませんか~~ (このように箱入りで、スポンジで固定してあったのです。最近の2枚組みはこんな装丁のものはなくなっていると思うのですが・・・) 

 

ただ、不思議なことに、スポンジが張り付いてしまっているのはDisc 1 だけで、Aledが参加しているDisc 2の方は大丈夫で、CDプレーヤーにちゃんとかけられます。でも、1の方も聞きたいし、2も目に見えない長年のカビとかが付着していて近いうちに劣化するのでは・・とか思うと、新品が欲しくなったわけです。

結果的に、こんなに素晴らしい作品の全貌を、初めて聴くような気持ちで新たに鑑賞することができたのは、なんといってもSatomiさんのおかげですね!

内容についても、ちょっとだけ補足を。

Aledの最高傑作かもしれないと言いましたが、実はそれは、彼の声自体がこのアルバムが一番いい状態だからという意味ではありません。 ここで聴ける彼の声そのものには、13、4歳ころまでの「芳醇さ」(mellowness)というか「艶やかさ」はもうあまりないように私には思われます(勿論、ホグウッドの好みとかもあって、役柄からわざとそういう仕上げになったのかもしれませんが・・・。声自体が絶頂なのは、むしろカークビーだといえますね)。細かいことでケチをつけるわけでは決してありませんが、少なくとも声「だけ」でこのアルバムが彼の最高と言っているのではなくて、それ以外にも重要な要素があるということです。それは・・・

注目すべき点として、Aledが、アリア、二重唱、そしてレチタティーヴォという、3つのソリストとしての要件を全て満たし、世界的にもトップクラスの大人のソリストたちと十分harmonizeしているということです。歌詞カード上では、AledのトラックはAria ('Will God, whose mercies ever flow')とDuet('My spirits fail, I faint, I die!' )の2つとなっていて、Recitativeとは書いてないのですが、ソプラノ(サザーランド)とカウンターテナー(バウマン)との掛け合いでRecitativeを2箇所歌っていて、(Recitativeは「歌う」というんですかね?Satomiさん??)実際はトラック数にして4つで、かなり大きな存在感があるのです。

写真もあります。モノクロで、それまでの「可愛いボーイソプラノ」のイメージをみじんにも感じさせない、きっと見据えるような鋭く深い声楽家のまなざしをしています・・・。服装と顔の輪郭こそまだ少年ですが、このときの彼の精神性は、もう遥かに子どもの領域を超えていたのですね。

というわけで、買わなきゃ損とまでは言いませんが、買って決して損はない2枚組だと思います。

なお、上記のアリア'Will God, whose mercies ever flow'は、こちらのCDにも収録されていることをここで記しておきます。

ついでながら、New College のことで、先の記事をちょっと訂正しておきますね。

「『神官たち、レビ人たち』というグループの役なのですが、上記試聴サイト8. Act Two, Scene 3: Chor: The Clouded Scene Begins To Clear - Chor Of New College, Oxford/Edward Higginbottをぜひ聴いてみてください!合唱であるにもかかわらず、ボーイ個々の声が、まるで2、3人ソリストを使っているかのように鮮明に聞こえるのです。 これがまた素晴らしい・・・

と書きましたが、正確にいうと、Choir of New Collegeは、「神官たち、レビ人たち」ではなくて、「若い乙女たち、神官たち、レビ人たち、イスラエル人たち」という集団でした。全体的には成人男性も混じっていますが、「若い乙女たち」というグループのみが出てくる箇所は、少年だけで唱っています。上記 8. Act Two, Scene 3: Chor: The Clouded Scene Begins To Clear は、よく見ると「若い乙女たちの三重唱」となっており、トレブルの少年が3人のみで歌っているのですね!ソリストとして名前こそ出ていませんが・・・個々の声が鮮明に聞こえるのも当然でした。失礼しました。

                    

以上、私の独断的な見解が多分に混じっています。お買い求めになられて、皆さんそれぞれの感想をお聞かせ願えれば幸いです。