くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

トヨタ問題の正体はやはり「日本叩き」: 馬脚を見せた米国連邦議会公聴会

2010年02月26日 | Weblog
トヨタ問題をめぐる米国連邦議会での公聴会だが、ついにその「正体」を確信する瞬間があった。

それは、議員の一人がトヨタという一企業の問題を、トヨタではなくMade in Japanに置き換えた時だ。

これは二つの点において、非常に重大な意味を持つ。

まず第一に、今回問題となったトヨタ車は、すべてが日本で生産されたものではなく、アメリカの現地工場で製造されたものも含まれている。米国トヨタは現地法人であり、法的には、米国の会社であり、部品の現地調達率等の基準を満たしていれば、それはトヨタ車でありながら米国製品、つまりMade in USAということになる。にもかかわらず、日本製だというのである。米国のトヨタが法的に米国企業であることを、立法に携わる立場の者が知らぬはずはない。とすれば、意図的に「トヨタ車=日本製品という図式を捏造し、そうした」虚偽」をもとにトヨタ批判を行ったことになる。

第二に、いかに存在感が大きいとはいえ、一企業の問題を日本製品に置き換えたことは、今回の問題の米国だけにはとどまらない注目度を考えても非常に問題であり、国民を代表する議員が議会という場において行った発言としては、非常に不適切といわざるを得ない。訴訟社会米国で、あのような発言をすれば、訴訟の可能性すらあることを、法の専門家が知らぬはずはないし、それくらいのことにも注意を払えないようではそもそも米国の政治の世界は生き残れない。しかし、今のところ、あの発言を問題視し、批判する声が米国内で、特にメディアで出ているとは聞かない。

トヨタの米国邦人としての一面を完全に無視し、かつトヨタ車の問題を日本製品の問題とする、この「すり替え」こそ、米国議会のなかに、トヨタという一企業ではなく、日本企業さらには日本経済を叩こうという魂胆があることを我々は見逃してはならない。

米国メディアや識者のなかには、今回の騒動は日本叩きとは別だとの見方、主張もあるが、少なくとも米国議会について言えば、そうは言えないようだ。国民の代表であり、現実に選挙という国民の憂いし表示によってその地位を維持することがえきる議員が、公聴会という絶好のアピールの場において、民意にそぐわぬ発言をするはずはない。とすれば、今回の「すり替え」は米国世論というものを意識して行われたということではないのだろうか。時事、ネット上にはBuy Americaを訴える声がある。こうした世間の声に政治家の側が応じたものではなかったのだろうか。

今、トヨタは米国の思惑、もしかしたら政権をも含めた国策によって、攻撃に晒されている。しかも、その矛先はトヨタだけではなく、日本製品そのものに向けられていると認識すべきである。いうなれば、米国が「戦争」をしかけてきたのであり、上述の議会での発言は「宣戦布告」に等しいものだ。もっとも、戦闘行為は「布告」前に始まっているのだが。

ある日系自動車会社は、米国市場において自社は日本企業ではないとのスタンスを取り、したがってその会社の日本人駐在員は、あえて日本人会を作ることもなければ、あっても参加しないと、米国在住の知人から聞いたことがある。

その日系企業も今回のトヨタ騒動を「他人の不幸は・・・」などと能天気にならずに、自分たちは何十年米国で商売をし、根をはろうが、結局米国社会からは日本企業としか見られていないのだ、ということを自覚した方が良いのかもしれない。日本人会を作らないなどというパフォーマンスは何のやくにも立たないということを理解した方がよいかもしれない。

自分たちは、いつまでたっても所詮エイリアンなのだと。

そして人種も違えば、宗教も言語も違うエイリアンは、目立ちすぎれば、米国人の気に入らなければ、疎んじられ、手段を選ばず攻撃、排斥されるということを。

米国に限らず外国で商売をするということは、そういうことなのだと。

今米国経済は苦境にある。ビッグスリーは苦境にあえいでいる。であればこそ、よそ者だけがうまくなっているのをおもしろいはずがない。トヨタ叩きは、トヨタゆえのものえはなく、明日はわが身であると覚悟した方がよい。

米国は今、トヨタだけではなく、日本が気に入らないのだ。そして、トヨタは、日本はまんまとその機会を米国に与えてしまったわけだ。

もっといえばトヨタの問題それ自体、どこからどこまでがトヨタが生み出した問題なのか、いまだわかっていないではないか。

そにもかかわらず、日本政府、財界は少しの防御策を取ろうともしない。「なぜ、トヨタの問題であり、日本製品すべてに同様の問題があるかのような誤解を与える発言は不適切」くらいのコメントを発することができないものか。

米国は今「戦争」をしかけてきているのだ。何もせずば、ただやられるだけだ。




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