くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

松江市『はだしのゲン』問題: 東洋経済オンラインの戯言

2013年08月20日 | Weblog
 皆様ご存じのとおり、「はだしのゲン」は実際に原子爆弾を被爆した作者によって書かれたもので戦争の真実を映し出しており、当時を知るための資料としても価値が高い。実際に戦争や原爆の悲惨さを伝える一級資料として、日本のみならず世界20か国で翻訳されて読まれ映画化もされてきた。

だそうである。

噴飯ものとはこのことである。確かに、作者は原爆の被害者である。ここにウソはあるまい。

が、作者によって書かれたものは、真実そのものではない。真実をもとにした創作である。東洋経済はその点を認識していないというのか。まさか・・。それではまるで、
歴史小説と歴史研究書・学術書の区別がつかないに等しい。みのもんたを見てうなずき喜ぶおばちゃん連中ならいざしらず、”天下”の東洋経済に限って・・。

ところが、その東洋経済、「はだしのゲン」を「当時を知るための資料」だとまでいう。フィクションからいったいどこまで史実を得られるというのか? これではまるで、大河ドラマをみて、新島八重というのはこういう人物だったのだと鵜呑みするに等しいではないか。

「一級資料」とまでもちあげられると、バカも休み休み言えということになり、記事の裏になにか思惑があるのではと勘繰りたくなってしまう。

こうなると、研究者がアイリスチャンの「レイプ・オフ・ナンキン」を資料にして、南京事件に関する実証論文を書くに等しく、救いのなさを感じてしまわざるを得ない。


「はだしのゲン」には、明らかなイデオロギー性がある。それも下品でむき出しの憎悪の感情をまとった。それを砂のようになんでもすいあげる子供たちに読ませるわけにはいかない。だから、私は我が家における禁書扱いにしている。読ませるのであれば、同作のもつ”毒”を中和させる何かが必要になる。マンガにはマンガ?となれば小林よしりんか? あれもあれで資料の使い方に大いに問題があり、たとえばジョン・ダワーなんか使われた側としてどう思っているのか興味のあるところだが、毒には毒ということで、「ゲン」を読ませるなら同時に「戦争論」、「天皇論」とか? でも、よしりんのは、字が多いから小学生には無理だろう。

いずれにしても、東洋経済の持ち上げようは、いささか常軌をいっしているといわざるをえない。東洋経済自体への信頼性にもかかわるような・・。もっとも、バブル期の東洋経済を知る身としては、同誌に限らず経済雑誌なんか、くらいにしか思っていないのだが。
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