ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

ANN BURTONのデビュー盤

2010年04月04日 | 私的Rare盤
蘭DECCA/BU70017/ANN BURTON/7inch/

(追記です)
ちょっと驚いた事があります。本アルバムが海外のオークションでなんと1600ドルで落札されていました。(1300ドルは間違いでした) もちろんスリーブも傷みがなく盤は新品同様というセラーの説明内容の8掛で受け取ったとしてもかなりの美品美盤でしょうが、それにしても1600ドルとは。1600ドル出せば赤のROSYも青のROSYもMILLICENT MARTINも楽々入手できるのではと思うのですが、どうしても入手したい人が最低2人いて競うと予想ももしない高額落札となるんでしょうね。多分セラーもビックリそして大喜びしているのではと思います。こういう落札があると二匹目のドジョウ狙いの出品が続きますから、それを安く入手しましょう。


今日のレコードも先日に続いてEP盤です。アン・バートンと言えば蘭ARTONEのBLUE BURTONとBALLADS & BURTONが人気盤でもあり、この2枚があればかなりに足りるのではとも思いますが、本EP盤はそのスリーブ写真の可愛さもあって、これまた人気があるEP盤です。彼女は高田敬三氏の評によると大変芯の強い頑固な面も感じられたと言われていますが、BLUE BURTONジャケ写真の彼女の眉間の皺を見ると頑固そうな印象も受けますし, BALLADS & BURTONの寡黙だけど芯の強そうな感じも同感できる気がするわけです。高田敬三氏といえばつい先日新宿のレコード・ショップで僕が店を出るのとすれ違いに入店されていました。お知り合いのお客と待ち合わせだったようです。氏の見かけた情報はさておき、そういう芯が強く音楽の事では妥協はしない頑固とも言える生真面目な彼女という事らしいですがBLUE BURTONとBALLADS & BURTONの2枚のジャケ写真にはそういう部分が感じられて印象がやや固いんですよね。それに比べると1965年録音の本EP盤の彼女の表情は魅力的で大袈裟に言えば愛くるしささえ感じてしまいます。1965年録音と言えばデビュー盤と言われているBLUE BURTONが1967年ですからLPとしてはこれがデビュー盤でしょうがEP盤も含めたものでは本EP盤がデビュー盤となるわけです。
彼女の歌い口はいつも自然体で感情豊か且つどこかしら温かかみが有ると思うのですが、本EP盤でもその印象は変わりませんが、ちょっと若い彼女を感じることができます。
バックはFRANS ELSENの指揮アレンジによるオーケストラ伴奏ですがジャジーに仕上がっています。SING A RAINBOWは歌詞を噛み締めるように歌われていますが歌詞をとても大切にしたという彼女の持ち味がここでも既に発揮されています。THE WILDEST GAL IN TOWNとMISS ORTIS REGRETSは後の2枚のLPに繋がるような語り歌いで聴けば聴くほどに味が出てくるような2曲で彼女の渋さが感じられます。KANSAS CITYは力強いドラムに乗ってややパンチを効かせて歌っています。この1曲もジャジーで良いのですが彼女らしさという点で言えば少し持ち味からは外れているかもしれません。
が、このジャケ写真と内容だったら納得できるEP盤ではないでしょうか。

収録曲/A面/1, SING A RAINBOW/2, THE WILDEST GAL IN TOWN/B面/1, MISS ORTIS REGRETS/2, KANSAS CITY/