PINKY WINTERS

VANTAGE/VLP-3/PINKY WINTERS/PINKY/10inch

僕のブログではPINKY WINTERSは初の紹介だと思います。彼女は1931年インディアナ州に生まれミシガンシティーでラジオやTVで活躍した後にコロラドでジム・ウルフ(ベース)と仕事をして後に(後年, 彼と結婚)1954年, ロスへ出て来てすぐにVANTAGEのボブ・アンドリュースに認められてズート・シムズと共にレコーディングをしたのです(NORMAの小川正雄氏のライナーノートより)。本アルバムはVANTAGEの10inch/PINKYですが、国内盤では, ジャズ批評で全米ジャズノートを連載されている妙中俊哉氏がライセンス関係のまとめをされ、日本で復刻できる運びとなりART UNIONからオリジナルと同じデザインで発売されています。僕はこのピンキーのアルバムは本アルバムと同ART UNION盤、ARGO/LONLEY ONEと同ジャケ違い盤、VANTAGE/PINKY & ZOOT(NORMA盤)、JACQUELINE RECORDS/LET'S BE BUDDIESを持っていますが、自分の好みでの音楽を聴くという点では本アルバムとARGO/LONLEY ONEの2枚が甲乙つけがたくお気に入りです。ARGO盤は変な雑音はありません。ただしVANTAGE盤は超マイナーレーベルゆえかどうか盤の素材の関係もあるのではと思いますがチリパチ音がやや多いのが難点です。では復刻のART UNION盤がチリパチ音がないのかと言えば、多少は少ないと思いますが音源によるチリパチ音はやはりありますので、チリパチ音のないVANTAGE盤はほぼ無いんじゃないかとやや失礼で乱暴な結論を自分で持っています。レコードの世界はなぜかA面の1曲目に傷みを発生させている場合が圧倒的に多いように感じます。それだけ再生される頻度と傷付けられる頻度がB面と比べて高いのでしょう。自分の所有盤もA-1が最もパチパチ音が多く曲が進むにつれて少しづつ少なくなりますが皆無にはなりません。肝心の彼女のボーカルですが渋く甘くちょっぴりキュートなボーカルだと思いますが、小川正雄氏はホワイト・サラだと表現されています。そう言われればサラ・ボーンのアクを抜いてサラリと軽くしたような感じとと言うのが理解出来るような気がします。僕はこのアルバムはどの曲もお気に入りで全曲聴ける内容だと思いますが、特のお気に入りは、軽くスイングして心浮き立つようなA-2のTHE WORLD IS YOUR BALLOONが好きですかねぇ、でもそれに続くA-3のDARN THAT DREAMも彼女がNIGHTMAREと歌うところで引きずり込まれてしまうくらい好きですし、それからA-4のノリノリのボーカルとバッキングのBUT NOT FOR MEも好きだし、B-2のTHIS CAN'T BE LOVEもバックと共にノリが良くて好きですし、B-4のHOW ABOUT YOUは曲調も楽しくて好きですが歌詞も好きなんですね、“6月のニューヨークが好き、あなたはどう？ ガーシュインの曲が好き、あなたはどう？”と充分にしてスイングして歌っています。

↓ ART UNIONから復刻されたアルバム。ジャケットも良くできていてオリジナルとあまり変わらないのでは思える。よく見るとART UNION盤はジャケットが黄色味を帯びているし、またマイクの色や再現性が少し違う。レコードではセンターレーベルの色はハッキリと違い, ART UNION盤のセンターレーベルの色は薄いピンク色。音質的にはオリジナルに近いように思える。バックの音が少し薄いかなという程度、ボーカルはあまり差がないように感じます。

パーソナル：PINKY WINTERS(vo), BUD LAVIN(p), JIM WOLF(b), STAN LEVEY(ds)
収録曲
A面
1, LITTLE GIRL BLUE
2, THE WORLD IS YOUR BALLOON
3, DARN THAT DREAM
4, BUT NOT FOR ME
B面
1, THESE FOOLISH THINGS
2, THIS CAN'T BE LOVE
3, COOL SAZERAC
4, HOW ABOUT YOU