ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

やっと思いがけずパッと入手できたLILIAN TERRY

2012年02月14日 | 女性ボーカルT
(伊)RCA-ITALIANA/LPM10010/LILIAN TERRY/ROMANO MUSOLINI con NUNZIO ROTONDO e LILIAN TERRY (以前のに加筆しました)

以前は再発盤で聴いていた本アルバム。探してはいたが見かける事はなくイタリア盤のオリジナルを入手するのは難しいもんだと諦めてはいないがくじけそうになった頃だった。3年前か5年前かちょうど昼食後ぐらいに大阪梅田の冗談伯爵へ寄った時だ。どこの廃盤店へ入ってもまず見るのは壁でその時も挨拶もそこそこに壁を見た時に本LPが掛けてあった、しかも同じように探していたCGD1013のLILIAN TERRY PRESENTA ABITO DA SERAと並んで掛けてあったのだ。躊躇もせずすぐに壁から2枚を外して確保し値段を訊ねるとアルバイトの女性が店番していて値段は分からないという。店主殿はどちらと訊ねると食事へ行っているので電話しますと言う。急いでないから電話しなくてよろしいですと答えたのですが、お客の来店時には連絡するようにと言われているのでという事で彼女は電話した。10分もしない間に店主が帰ってきて無事購入なったアルバムです。彼女のLP2枚と他に数枚のLPを一緒に購入したのでそれぞれの価格は実は聞いたかも知れないが覚えていない。本LP2枚とも店主がイタリアのコレクターから譲ってもらったアルバムでホテルへアルファロメオで迎えにきてくれたらしく店主もよく覚えていたLPだったというのは後日談で聴いた。店主殿その後の体調回復具合はいかがでしょうか?早く元気になられて蘊蓄あふれる話を聞かせていただきたく願っております。
↑こちらがジャケット裏の写真。
↑こちらはインナー・スリーブの写真。写真入りのインナー・スリーブには演奏者の紹介文が書かれているがイタリア語のため僕は全く分からない。こんなに凝ったつくりのインナー・スリーブは初めて見た。
本アルバムでLILIAN TERRYは3曲を歌っている。Nunzio Rotondoが数曲で参加している。要するに本アルバムはROMANO MUSSOLINI TRIOにLILIAN TERRYとNUNZIO ROTONDOが参加したアルバム。NUNZIO ROTONDOのトランペットも楽しめるという1枚で3種の味わいがあるアルバムだ。ここでもう一度オリジナルと再発盤の音の違いを強調するのはくどいのでやめておく。ちなみに冗談伯爵で見て以後、本アルバムを見かけたのはYオクで一度出品があったような気がする。

以下は以前からの文章です。
僕はロマーノ・ムッソリーニのレコードを初めて聴いたのは、東京の廃盤店で ITALIAN RCA ORIZINAL LP COLLECTIONの特典盤EP“ROMANO MUSSOLINI TRIO”を安さに釣られて購入し自宅で聴いたのが最初です。全曲トリオ演奏している4曲収録のムッソリーニのピアノ演奏を聴いてリズム感に溢れメロディアスな彼の演奏に聴入りました。その後も続いて今日の本アルバムのオリジナルLPを探し続けているのですが、未だに縁なく出会いは一度もありません。所有のアルバムはオリジナルの入手を半ば諦めてBGMビクターから発売された復刻シリーズともいうべき本アルバムを入手して聴いているわけです。LILIAN TERRYはトミー・フラナガンとの共演盤でも有名なSOUL NOTE/A DREAM COMES TRUEを聴いていたので歌のうまいシンガーという印象はあったものの、そのジャケットのデブった彼女の写真があまりいただけなかったので、その後しばらくは大して興味も涌きませんでした。その頃は同じイタリアのシンガーであるJULA DE PALMAの方に興味を持っていました。そのJULAのアルバムや生い立ちなどを調べているとLILIAN TERRYの事も目にする事が多くなり興味がまた湧き上がってきたという経緯もあります。彼女LILIAN TERYYはイタリアのジャズ界でも大物で単なるシンガーとしてではなくジャズ振興に尽力した女性としても認められていて、ジャズ・ピアノ奏者であるフランチェコ・クロサラは彼女の息子としても知られています(来日もしているようです)。彼女のアルバムで本アルバムともう一枚同じ伊盤CGD1013/LILIAN TERRY PRESENTA ABITO DA SERAの2枚は何とか入手したいと未だに探しているアルバムですが、探し始めて数年になろうというのに未だにただの一度の出会いもない僕にとっては幻のアルバムです(他にも幻のアルバムは多々あるのですが、苦笑) ジャケット裏の彼女の顔写真も載せておききます。ケンブリッジで学び, 5ヶ国語を話したという彼女ですがしっかりした顔をしています。
本アルバムが彼女の初録音でその時に6曲を歌ったが、内3曲は本アルバムで聴く事ができるが残りは未発表となっていると高田敬三氏はライナーで述べておられます。そのアルバムに収められた3曲はB面後半で聴く事ができます。それら以外はムッソリーニのインストものですが、A-1のGONE WITH THE WINDとA-2のTOPSYはベースとのデゥオとなっていてベースの音がまことに力強く入っていてムッソリーニのピアノ旋律がそのベース音を取り囲むように奏でられます。A-6のTHERE WILL NEVER BE ANOTHER YOUはNUNZIO ROTONDOのトランペット・ソロも楽しめます。彼女のボーカル無しの面も十二分に楽しめて僕のお気に入りです。彼女のボーカル入りはB-3のI'VE GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD、B-4のST.LOUIS BLUESやB-5のHE'S FUNNY THAT WAYですが、この3曲とも彼女の初録音と知って聴いても初めてとは思えぬほど落ちつきがありしっかり且つしっとりと歌い回しています。よくコントロールされたややハスキー・ボイスは当時から魅力的ですね。何とかオリジナル入手したいアルバムです(この一文再々度失礼しました)

パーソナルは、LILIAN TERRY(vo), ROMANO MUSSOLINI(p), NUNZIO ROTONDO(tp), CARLO LOFFREDO(b), ROBERTO PODIO(ds)

収録曲/A面/1, GONE WITH THE WIND/2,TOPSY/3, YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC/4,LINE FOR LIONS/5, MEDOLEY~~YOU TURNEDTHE TABLES ON ME~~POLKA DOTS AND MOONBEAMS~~LAURA/6, THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU/B面/1, THAGANOGHI/2, NOGHITONGHI THANGANI/3, I'VE GOT IT BAD AND THAT AIN'T GOOD/4, ST.LOUIS BLUES/5, HE'S FUNNY THAT WAY/

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2 コメント

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リリアン・テリー、すばらしい歌手です (BreakN'Bossa)
2012-02-14 23:15:20
リリアン・テリー、すばらしい歌手です

kuirenさん、お邪魔してごめんなさい。毎度のことながら、貴重な作品をお持ちですね。

僕は本盤を再発CDで聴くことができましたが、過日CDで再発された彼女のEP集『CGD days Collection』も息を呑むような素晴らしさでした。

当時の先端を行くかのような洗練されたエレガントなヴォーカルで、しかも声に今の若手にはない芯というか強烈な訴求力があり、聴き終えるのが惜しくなるくらい惹き込まれました。その後、吉祥寺DUで中古CDを見かけた際もスペアにもう一枚買っておこうかと何分もウロウロ逡巡したほどで、ここ数年、女性ヴォーカルを聴いてこんなに感激した記憶はありません。ご紹介の作品同様に、伴奏陣が素晴らしいこちらのCDも間違いなく、そのうち入手困難になることでしょう。再発して下さったディスクユニオンには深々と頭を下げたい気持ちです。

そうそう、お伴のムッソリーニも、御存じエレピで奏でられる麗しの迷曲?「香港」とか忘れられません。
http://www.youtube.com/watch?v=28DfqE2HydE
腕のいいメロディストぶりは晩年まで健在で、息の長い活躍が嬉しいひとりです。リリアンには『Lilian Terry presenta Abito Da Sera』というレア盤もあるそうですが、当然見たこともありません。いつかkuirenさんのブログでお目にかかれるかもしれないと、密かに期待しています。
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もっと聴きたいですが (kuiren)
2012-02-15 20:16:52
BreakN'Bossaさん

こんばんは, レスが遅くなり失礼しました。

ムッソリーニの紹介ありがとうございます。

本LPにしてもLilian Terry presenta Abito Da Seraにしても
後期は別にして初期のLPで彼女が全曲歌っているというのはありません。
数曲しか彼女の歌が入っていないという点では残念な気もします。
ご存知とは思いますが、Lilian Terry presenta Abito Da Seraにしても彼女のボーカルは5曲だけですから。
曲数が多いから良いというわけではありませんが、もっと聴きたいというのは本音です(笑)
またしばらくしてからこちらのLPも紹介させていただきます。
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