その後、税理士として会計事務所を開業した。
税務署勤めのころは、国家公務員というのは安月給でやってられないとおふくろが愚痴るほど、給料も安く、
休みが取れることと、恩給がつくことだけが、まだましなところか、としょっちゅう聞かされていた。
他人様の金を数える銀行員と、公務員にはなるもんでない、と、聞かされていたので、そっくり感化されて、
全く、その道へ進む考えなど、はなからなかった。
今の国家公務員はどうよ、退職後もいくつもの会社の役員や顧問へ天下りができて、その先には私立の大学の教授へ
ほいほいとなって、いくつになっても、何千万円という年収で、さらには、TVコメンテーターなんぞで顔を売れば、
その後講演会なども開催できる身分となる。いたれりつくせりだ。
なんで税金でここまで、公僕たる者たちを優遇するのか、他国のように、もっと質素なレベルでの待遇で、それでもやりたいという
高潔な者たちだけにやってもらうような仕組みがいいと思うけれど、いまさら自分たちの待遇が下がるような愚行は、
誰も手をつけたがらない。よほどの改革の国民から選挙で選ばれた、庶民派リーダーの台頭がなければ、この制度が変わることは
ないだろう。