新聞の投稿欄に、幾歳になっても、体力づくりの大切なことを教え てくれた一文が載っていました。人気のコラムなので、多くの方が 読んで、共感され、早速できることから始める方や習い事の第一 歩にスポ-ツ教室の見学、挫折したことの再挑戦、なと等、いろん なことを考えさせられたのは、私だけではないと思います。その人 生訓をもっと大勢の方に味わってほしく、以下に再現いたします。 この方の人生に乾杯!? 表題「すこやか」投稿者 常盤せつ子様(86歳・無職) 身も心も「すこやか」。この言葉が私は大好きだ。六十歳を過ぎて、 自分の時間が持てるようになってから、帯広市の総合体育館の 卓球クラブに入り、週一回通った。当時まだ働いていた夫の弁当と 一緒に私の分も作り、夫を送り出してから自転車で出かけた。昼 にはみんなと弁当を食べて、午後二時ごろまで練習していた。 このクラブでは、私が一番の年長だったが、教えてくれる人がいて だんだんと上達し、試合にも出ることができた。五十歳以上の部で、 一度優勝もした。
夏は水泳教室に入り、平泳ぎ、クロ-ル、バタフライと、泳げるよう になり、冬にはスキ-学校に友達と通いだした。ここでも私が年長 者で、先生にも大切にしていただき、検定三級を取り、大喜びをし た。夫は八十歳になって病に倒れ、私はスポ-ツ教室を一切やめ て看病に励んだ。風邪をひくこともなく、元気に看病できたのは、 スポ-ツを続けていたおかげだとつくづく思った。 五年間の闘病の末、夫は亡くなった。その後、しばらくボ-ッと暮 らしていたけれど、心を持ち直し、水泳だけ始めた。今はもう八十 六歳なので、平泳ぎでゆっくり、五百メ-トルだけ泳いで帰ってくる。 「すこやか」な自分をしみじみと感じながら。 ついの日には私は、「楽しかった、さようなら、ありがとう」と言って、 微粒子になって、夫の元に飛んで行きたい。