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「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

これからの図書館像

2014-02-13 18:00:00 | 学びのやかた

 業務委託、指定管理が進む中、民間が運営を行う場合、図書館単体での運営は、特筆する付加価値も利益も生まないと考える。比較的近い関係にある博物館、美術館、その他文化施設との連携、さらに学校教育、職業訓練、生涯教育、福祉施設等との密接な連携及び、それら施設とトータル的なマネジメントを行ってこそ、利用者に対しての新たな付加価値、限られた予算の運用が図れると考えている。また、委託などといった自治体主体の偏ったマネジメントはやめ、予算が安定している自治体は、自治体独自での運営、或いは非営利法人での運営を図り、負債の多い自治体は、設置、運営から所有まで、できる限り総合コストが節約できる一社体制の民間が代わって行い、自治体に施設を貸すといったことまで行うのが現状の教育文化行政において妥当であろうと感じている。そして、予算の節約目的で自治体から受託されただけの民間企業は、その価値の少なさから淘汰されていくことであろう。

 以前、そのまちを底辺から知るなら、駅、職安、図書館を見ればわかると言ったことがある。図書館はあまねく人を迎え入れ、全ての人に公平に情報を知る機会を与えている。然し、綺麗事だけを言っても始まることではない。図書館はリタイア・セミリタイアの人たちの拠り所と言っても過言ではないと感じる。悶々とひたすら本を読み、読書が趣味なだけなら未だしも、何も活かされるわけでもなく、活字しか信用できないような狭い視野となるようなら、提携する職業訓練や本人に似合ったサークルを紹介し、将来の納税につなげることが、最善の策の一つであろうと考える。図書館は本人自身の学習意欲を尊重すると言うが、現状は中途半端なサービスとなっていて勿体無い状況と言える。レファレンスサービスも、誰もが自らパソコンによって情報を得ている時代に、それ以前と同じ価値があると考えにくい。選書やテーマ展示も、書店でも同様のことを行っている。これでは利用者から、売本屋に対して貸本屋と言われても仕方がないだろう。図書館で学習するきっかけを得た利用者が、もう一歩誘導、方向付けをさせることが、双方のプラスになることは明らかである。また、図書館が他の施設と密に提携することも重要であるが、図書館の中あるいは図書館員が各種教育資格を持ち、利用者のために行動をとれるようにできることが理想と言えるであろう。縦割り行政の弊害を打破するため、各種施設や教育部門等に多数の民間人を入れ、総合的に教育文化を整備する必要もあろうかと考える。図書館は単体の持ち物の「図書館」ではなく、あらゆる教育部門の書棚・書庫であるべきと考える。

 私が各地を訪れて感じることがある。図書館に観光案内所があればと。私が今まで訪れた45都道府県582自治体で、平日は役所へ、休日は図書館に訪れてそのまちの状況を把握しているが、特に民間企業が参入してからその地の詳しいことが分かりにくくなり、住民の方々に聞くことが多くなっている。そこで、図書館が観光案内所を兼ねていれば、平休日問わず、そのまちのことを訪れた人のコアな要望まで所蔵している資料を使って案内することができ、ひいてはそのまちの活性化に繋がるのではないかと経験上感じている。名所旧跡や歴史などを観光地向きにわざわざピックアップしなくても、資料を使ってその人に合ったものをレファレンス技術で紹介できれば、訪れた人はきっと満足できるであろう。


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