flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

三遠南信天龍

2016-12-10 00:00:00 | 街道・宿場町

(長野県下伊那郡天龍村 1997年12月13日)
 長野県は隣接しているところでありながら、訪れたことがなかった。そこで飯田線全通60周年ということもあり、下伊那郡天龍村を訪れることにした。天龍村は“塩の道”でもあった秋葉街道筋の長野、静岡、愛知県境にある人口二千人弱のいわゆる“国境いの村”である。昭和31年までは、平岡村、神原村であった。この付近としては商店も多く比較的拓けていると思われたが、土地の人は「昔はもっと栄えていた」と言っていた。昭和14年(1939)に着工された平岡ダムにより過疎化が始まったが、近年は温泉掘削によって観光の村となった。玄関口平岡駅を降りたところにあるトラス橋と水量の少ない天竜川、そして発電所が見える風景は「中部天竜」によく似ている。
 天竜川に沿ってダムへ。昭和27年(1952)に完成した中電平岡発電所は電源開発佐久間ダムとは違い観光向きではない。それでも佐久間ダム完成までの4年間は東洋一であったという。またダム完成によってできた平岡湖は、元々「十方峡」と呼ばれた渓谷であった。
 川を離れ高所にある満島神社へ。この神社は観光地図に掲載されているわりには小ぢんまりしたお宮である。秋祭りのお練りが有名だそうだ。お宮からは「平岡」のまちが望める。南西面は民家が建ち並んでいるが北東面は大自然である。満島神社付近は公園となっていて、遥か彼方には遠山郷、南アルプスが望められる。この高所では水の響きが聴こえる。それは眼下の遠山川から水を引き揚げ、斜面に建つ家に供給しているからである。そのため至るところ水音が絶えない。
 この平岡、地名の文字と反し、平らなところが殆どなく、足腰が鍛えられた。
       

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