和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

若芽20/小説「新・人間革命」

2013年11月13日 06時20分43秒 | 新・人間革命

      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)11月13日(水)より転載】


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若芽20(11/13)

 東京創価小学校の工事が始まった時、開校までの時間は一年を切っていた。山本伸一は、無事に完成することを、日々、懸命に祈った。

 工事は、急ピッチで進められていった。

 一九七七年(昭和五十二年)秋には、教職員も内定し、東京都に申請していた小学校の設置も認可された。

 十一月三日、創立者の山本伸一も出席して、設立準備委員会の最後の会議が、創価大学で開かれた。

 この日、東京創価小学校の校章やモットーが決定した。

 校章は、創価中学・高校の校章である「ペン」と鳳雛を表す「羽」を、「桜の花びら」で囲んだデザインであった。

 また、モットーは、低学年(一年から三年)は、「明るい子」「思いやりのある子」「ねばり強い子」、高学年(四年から六年)は「闊達」「友情」「根性」に決まった。

 明るく大らかな心、周囲の人びとを大切にする優しい心、何があっても頑張り抜く強い心――伸一は、このモットーに、人生を勝利するための指針を示したかった。

 教育は、子どもたちが、より良い人生を生き抜くためにある。ただ知識の習得に終わるのではなく、人間の心を育まねばならないというのが、彼の一貫した考え方であった。

 十一月十九日、創価中学・高校では、創立十周年の記念式典と祝賀会が行われた。

 この祝賀会に出席した伸一は、終了後、創価学園の理事長の青田進、小学校長に就任した新木高志らと、小学校の建設現場に足を運んだ。

 “工事関係者の方々は、皆、短い工期のなかで作業に全力を注いでくださっている。衷心から、御礼、感謝申し上げねばならない”

 伸一は、建築中の校舎の前で迎えてくれた工事関係者の代表に、深々と頭を下げた。

 「お世話になります。大変にありがとうございます」

 人として忘れてはならぬものは、感謝である。感謝の心をもってこそ信頼が生まれる。




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