和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

正義30/新・人間革命

2014年02月06日 06時07分24秒 | 新・人間革命
    
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2014年(平成26年)2月6日(木)より転載】


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 正義30(2/6)

 僧たちの仕打ちは冷酷であった。

 福井県に住む婦人部員の夫が、信心することになった。夫人の念願が叶っての入会である。入信の儀式の“御授戒”を受けるために、その夫妻に同行して、壮年・婦人の幹部も寺へ行った。

 寺には、学会を敵対視する住職の影響を受け、学会批判を繰り返すようになった若者らが集っていた。

 住職は、約束の時刻になっても“御授戒”を行おうとはせず、学会を誹謗し始めた。

 「学会の会館に行っても功徳はない。寺に来てこそ功徳がある。そもそも、生きている時に寺へ来ないで、死んで厄介になろうなどというのは、おかしな話ではないか」

 「そうだ!」と、若者たちが口々に叫ぶ。

 付き添っていた幹部は、信心しようという人の前で、住職らと争う姿を見せたくはなかった。“こんなことを言われて、入会の決意を翻さなければいいが……”と、ハラハラしながら、じっと耐えていた。

 学会への誹謗は、四十分、五十分と、延々と続いた。遂にたまりかねて、壮年の幹部が強い語調で言った。

 「“御授戒”は、どうなっているんですか!」

 「なんや、おまえ!」

 若者たちが、壮年幹部を取り囲んだ。緊張が走った。住職は、“これはまずい”と判断したのか、ようやく“御授戒”を始めた。

 こうした寺が増え、学会員の多くが、寺へ行くたびに悔しさを噛み締めてみ締めてきたのである。

 山本伸一は、学会員の苦渋の訴えに、胸をかきむしられる思いがした。 

 “なぜ、罪もない学会員が、最愛の仏子たちが、こんな目に遭わなくてはならないのだ! もうこれ以上、同志を苦しめたくはない! 学会員は、広宣流布の使命を担って出現した仏子である。なればこそ、その方々を命がけで守るのが会長である私の務めである。断じて、断じて、守り抜かねばならぬ!”

 広宣流布に生きる人を、仏に仕えるがごとく守り抜く。そこに仏法の王道がある。


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