2015/04/17(金曜日) 晴れ
パワーのあるエンジンを作るのに一番重要なことはシリンダーとピストンの間に
漏れが無くて且つスムーズに動くようにするということだ。
しかし、持っている工作機械?はボール盤だけ、というプアーな工作実習生にとっては
とても難しい作業だ。
ムク材を旋盤で削ってお互いにしっくり組み合わさるシリンダーとピストンを作るなんていう
高級なテクニックとは無縁で、有り合せの真鍮パイプを組合わせて実現するという方法しかない。
そんなわけで出来上がったシリンダーとピストンは隙間が大きくてスカスカのものばかりだ。
このスカスカを少しでも防止しようとしてこんなことを実行している。
↓ ピストンをなるべく厚く作って漏れ経路を長くして流れにくくする。
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↓ 棒状ピストンにすれば厚さは一番厚くなる。 その実験用に作った単気筒エンジン。
↓ 棒状ピストン(プランジャー)でのテスト中。
厚めのピストンを使えば確かに漏れは少なくなる。
当初15mmの厚さのピストンを装着したスターリングエンジンは2、3分も運転を続けると
停止してしまったが30mmの厚さにしたら、10分でも20分でも回り続けるようになった
という経験からもピストンの厚みを大きくすることは有効であると思われる。
ただし、プランジャーをピストンにして実際のエンジンに使用するにはやっぱり問題がある。
工作もしにくい。
そこで厚みを25mmにした普通のピストンにしてみた。
↓ 12φアルミ丸棒で作ったプランジャーと12φ真鍮パイプで作った25mm厚のピストン。
↓ そのピストンを取り付けた単動式単気筒スチームエンジン。
ボアー12mm ストローク15mm シリンダ容積 1.8ccの小排気量だ。
さて、前置きが長くなってしまったが、それでは本題に入ろう。
小型ボイラーとの組み合わせで先ず、無負荷回転テストをしてみた。
やっぱりこのエンジンは高速で回る。
シリンダー容積も少ない上に蒸気の漏れも少ないのかもしれない。
テストの様子を動画でご覧ください。
排気量1.8ccのこのエンジンは小型ボイラーで回しても3,000rpm以上の
高速で回転してくれた。
ではパワーはどんなものだろうか?
先ずはプーリー組合わせは5倍増速でテストしてみた。
ところがこの5倍増速では負荷がかかり過ぎてエンジンが回りきれない・・・・
その様子を動画でご覧ください。
このエンジンは3,200rpmで回転する「高速回転型」なんだから5倍もの
増速をする必要はないのではないか?
そこで増速比を2倍にしてテストしてみた。
↓ プーリーの組み合わせを変えてエンジン回転数を2倍にして発電機を回した。
その様子を動画でご覧ください。
このエンジンでは1.2Wの電力を発電することができた。
エンジン回転数は30回転/秒あまりだから発電機は60回転/秒で回っているはずだ。
エンジンの無負荷回転数は50回転ちょっとだからやっぱり増速は必要だろう。
増速比を変えてみればどんな結果になるんだろうか、面白そうだ。
でも、単気筒や2気筒では自己起動ができないからダメだな・・・・・
容積の小さなシリンダーで4気筒化する・・・・
とはいってもこれ以上細いシリンダーは実習生の工作レベルでは不可能だ。
ということはストロークを短くするしかないかも・・・・・・
そうなると回転偶力(トルク)が小さくなって逆効果かもしれないな・・・
まっ、いろいろ問題もありそうだけど、これが次の目標かな・・・・
というわけで今日の工作はここまで。