古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

自験例

2021-09-12 19:23:54 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

以前、当院外来でコロナ感染症と診断し、
自宅療養中の若い方からお電話あり、
微熱、咳、呼吸困難感、嘔吐の
自覚症状があるとの事でした。 

お話では血中酸素飽和度が一貫して
90代後半であったことや
喘息を持っておられた事、採血結果も
大きな異常なく、投薬のみ行い
発症から15日目に隔離解除されたのを待って、
スタッフが防護服着用下で
CT撮影を行ったところ、両肺に広がる淡い肺炎像が。。

ウイルスはすでに排除されて
間質性肺炎が引き起こされているものと
思われ、隔離解除を撤回、コロナ病院に入院されました。

その目で見たら、間質性肺炎の際に上昇する
採血項目が上がっていましたが、

もともとその項目が高い方もおられる事、
酸素飽和度が正常である事から
間質性肺炎があるとは考えてなかったです。

酸素飽和度モニターの正確性ですが
当院での高級パルスオキシメーターでも
90代後半でした。

昔から 内科では
「データを治療するな、患者を治療せよ」
と言われます。

肺炎としては、軽症の部類ですが、
採血や酸素飽和度データだけに頼る事の危険性を
改めて感じました。

https://komori-hp.cloud-line.com/



この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 介護脱毛って何? | トップ | 境界型知能の人たち »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事