蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

縦割り

2011-05-05 | 社会
以前NHKでラジオDJをやっていたころ、マリの放送局から番組提携したいという申し入れがオレのところに舞い込んできた。そこでラジオセンターのチーフに話を持っていったら、「宛先が当センター宛ではないから受け取れません」。それじゃ、担当部局へ取り次いでくれないかと頼むと、「直接申し入れるよう、マリの方へ言ってやってください」。

ほう、役所の保身術とはこういうものかと、つくづくアキれたものだ。縦割りの枠から一歩でも外に出るのを嫌がる。出れば他人の縄張りを侵したと、袋叩きに遭うのだろう。

ちなみに、営業努力をしなくてもメシが食える、したがってカネを出す国民への感謝と責任感が極度に稀薄、という意味でNHKは東電同様、役所である。

ウィキリークスの漏洩公電も、日本の役所の縦割り縄張り意識に米軍がアキれてるのをアリアリ物語ってるね。それと、政治家の無責任さに。

普天間問題に関して、どうせ政権交代するから、われわれ自公政権は沖縄に対して反故になる約束をしてもかまわん、という意味のことを元防衛相の小池百合子は米領事に言ってのけたそうだ。

これぐらい無責任な政治家って、少なくともある程度民主主義が根づいた他の国にいるのかね。無責任というより職責の自覚がない低脳、というべきかもしれないが。

自公政府閣僚のあまりの低レベルに、米政府はさぞ驚いたことだろう。でなきゃ、わざわざ公電を打ったりするか。

漏洩公電のニュース、スクープした朝日以外のメディアは徹底無視。毎日、読売、NHKは無論、朝日系の報道ステーションすら一言も触れなかった。40年前の沖縄密約、非核三原則のウソ以来、政府の二枚舌には慣れっこ?

あと、東電がどれだけ無責任な役所体質かを物語る、いい例がある。電力供給量は休止中の火力・水力発電を稼働し、自家発電を加えれば、実は去年のあの猛暑でウナギ登りだった消費量もカバーできるそうだ。

なのに震災直後、東電が供給量不足をことさら強調し、計画停電まで実施したのは、原発不要論の高まりを恐れたためらしい。計画停電のせいで産業復興がどれだけ足を引っ張られたか、ダメージは計り知れないんだよ。

地震で噴き出したのは、原発安全神話のウソと液状化の砂だけじゃない。役所の保身と利己主義も次々、明るみに出たね。
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