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甲府市の市民レポーターがこうふの話題をお届け!

「芸術&読書の秋」山梨県立美術館・文学館鑑賞散歩

2019-10-28 10:22:15 | 紹介

本と歩こう④


こんにちは。市民レポーター三井玲子 です。
 
季節はすっかり、「芸術」「読書」ですね♪
秋晴れの好日、山梨県立美術館文学館ハシゴして鑑賞してきたので、報告します。
まずは、「萩尾望都SF原画展」から。
 
今年デビュー50周年を迎えた漫画家・萩尾望都(はぎお・もと)
SF作品約400点のカラーイラストや生原稿という、見ごたえのある展示でした。
カラーの表紙絵やポスターが美しいのはもちろんのこと、白黒の生原稿も、鉛筆や筆の跡などが味わい深く…。セリフなどついつい読んでしまい、たっぷりと作品世界堪能しました★★★
(※こちらは撮影可能スペースです)
手前から『百億の昼と千億の夜』『スター・レッド』『マージナル』作品パネルです。
本当は阿修羅王と記念写真を撮りたかったのですが、一人で行ったので撮れず…くすん。(;_;) 
記念写真めあての方は、お友だちと一緒にお出かけしましょう!
(※書影は出版社の許諾を得ています)
 
さて、萩尾望都作品を一冊ご紹介します。
『ポーの一族 春の夢』(小学館 2017年刊)です。
名作『ポーの一族』の40年ぶりの続編。年齢を感じさせない構成力と画力に感服の一冊です。
美術館の閲覧室で、一連の作品群を読むことができます(無料)。お時間のある方はぜひどうぞ。
次は、「宮澤賢治展」へ。
芸術の森公園には、賢治像のシルエットがあちこちにあります。
 
文学館開館30周年記念企画展として開催されたこの展示は、「宮澤賢治の遺した詩・童話や手紙などにより、賢治作品の魅力と、賢治の掲げた理想のあり様」(パンフレットより抜粋)に迫ったものとなっています。
 
特別コーナーとして、『銀河鉄道999(スリーナイン)』作者・松本零士氏の原画と、999号の模型などもあり。
アニメのリアルタイム世代としては、心なごむサプライズでした。
 
宮澤賢治関連図書のご紹介です。
(※書影3点は各出版社の許諾を得ています)
 
『宮澤賢治の青春 ただ一人の友 保阪嘉内をめぐって』(宝島社 現在は角川文庫本) 菅原千恵子著 1994年 (左)
『絵本 銀河鉄道の夜』 宮澤賢治 絵・司修 偕成社 2014年 (中)
『二人の銀河鉄道』 江宮隆之著 河出書房新社 2008年 (右) です。
 
今回の宮澤賢治展では、盛岡高等農林学校時代の友・保阪嘉内(ほさかかない/韮崎市出身)に宛てた書簡(手紙)で、
「私が友保阪嘉内、私が友保阪嘉内、我を棄てるな。」の箇所を確認できたことが収穫でした。
 
菅原千恵子氏江宮隆之氏(山梨県人作家)の著作は、多少見解の違いはあるものの、
◆宮澤賢治と保阪嘉内には、友情以上の絆があった(いわゆる同性愛的ではなく)
◆『銀河鉄道の夜』は、保阪嘉内のために書かれた作品である
という2点で一致しています。
 
― ジョバンニは賢治で、カム(ン)パネルラは嘉内 ―
賢治の魂が求めてやまなかった友への想い。
生涯の友・保阪嘉内に捧げられた物語であることをふまえて読むと、『銀河鉄道の夜』の世界は、さらに透明な輝きを放つように感じられます。
興味のある方はぜひご一読ください。
 
 
萩尾望都SF原画展(山梨県立美術館)11月4日(月)まで。
 
宮澤賢治展(山梨県立文学館)11月24日(日)まで開催中です。https://www.bungakukan.pref.yamanashi.jp/exhibition/2019/01/30-5.html
 
どうぞお出かけください。
 
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
皆さまにとって、実り多い秋を過ごされますよう。
 
(三井玲子)
 

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