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甲府市の市民レポーターがこうふの話題をお届け!

日本の伝統文化を令和に引き継ぐ子どもたち

2020-01-28 11:31:48 | イベント

まちなかの文化芸術イベント「こうふで楽しむ伝統文化」


市民レポーター村上由実です

先日、甲府市役所1階市民活動室で行われました、

「まちなかの文化芸術イベント こうふで楽しむ伝統文化」

に参加しました

三味線など、子どもたちが一生懸命練習してきた成果の発表会です

 

この日出演されたのは、

・やまなし邦楽合唱団「響鳴」

・邦楽研究会

2団体

 

まずは、やまなし邦楽合唱団「響鳴」さんから

 

最初は童謡メドレーということで、尺八箏、十七絃を使って、「さくらさくら」「たなばたさま」「赤とんぼ」などの演奏です

中でも「十七絃」

通常の箏は13本ですが、こちらには17本の絃があり、通常の箏よりも低音が出るそうで、これによって演奏に深み加わっているのがわかります

続いて「薄霞」

三味線が登場し、メンバーの平均年齢が少し上がりました。

(といっても中学生~大学生ですが。笑)

今度は演奏だけでなく唄付き

演奏するだけでも大変なのに、唄も一緒なんて

本当にすごい子どもたちです。

やまなし邦楽合唱団「響鳴」の演奏最後は、「パプリカ」です

老若男女問わず大人気「パプリカ」は、2019年の大みそかに放送された紅白歌合戦でも披露され、2020年春選抜高校野球大会入場行進曲にも決まっています。

紅白歌合戦では小・中学生5人組が歌っていましたが、この日は小学3年生から大学生まで幅広い年齢層の子どもたちが、テレビとはまったく異なるオリジナルな形に仕上げてくれました

続いては「邦楽研究会」さん

全員が着物姿での演奏です。

私が子どもの頃着物を着たのは七五三のお祝いときくらいでしたが、こちらの子どもたちは普段から着る機会があるのか、長い袖や草履に戸惑うこともなく、みんな上手に着こなしていました

 

最初は姉妹の「荒城の月」

なんと、妹さんはこの日が10回目の演奏とのこと。

先生曰く、三味線を教える際は、譜面は使わず、真似をして覚えるようにするのだそう。

10回目でもこの舞台で立派に演奏できるということは、相当努力をしたのだろうということがよくわかります

続いては「紙人形」

こちらは先ほどの姉妹の演奏に合わせ、年中~小2の子どもたち歌を披露してくれました

その後は、先生の演奏に合わせて子どもたち長唄を披露してくれました。

ちなみに、子どもたちが持つ唄本は、すべて自分で書いているのだそう。

先生曰く、大人が見ると暗号のようで何が書いてあるかわからないのだとか(笑)。

小さな子どもたちでも、大人に流されることなく意志をしっかり持ち伝統文化に取り組んでいるのだな、と感じました

これまで三味線などに触れる機会はなく、特に三味線の演奏を生で聴いたのは、生涯で初めてだったような気がします。

 

古くから演奏されている曲だけではなく、童謡時代の流れに合わせた曲も加えることで、あまり馴染みのない人にも聴きやすいイベントなったのではないでしょうか

 

甲府の日本の伝統文化を気軽に楽しむことができる有意義な時間となりました

 

 

まちなかの文化芸術イベント「こうふで楽しむ伝統文化」

 https://www.city.kofu.yamanashi.jp/bunkashinko/documents/machinaka2019dentou.pdf

 

 

 

 


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「動物画家 薮内正幸の世界 原画展&講演会」

2020-01-14 11:19:43 | 紹介

本と歩こう⑦


こんにちは。市民レポーターの 三井玲子 です。

2020年もよろしくお願いします。

 

今回は、12月20日(金)~22日(日)に山梨県立図書館にて行われた原画展

「動物画家 薮内正幸(やぶうち まさゆき)の世界」のご報告です。

こちらの原画展と講演会は、NPO法人山梨子ども図書館の15周年記念事業として開催されました。

絵本『どうぶつのおやこ』『しっぽのはたらき』や、鳥類などの図鑑の挿絵で知られる動物画家、故・薮内正幸さん。その原画は現在、北杜市白州町にある「薮内正幸美術館」(冬季11月下旬~3月下旬休館)にて、御子息の薮内竜太(やぶうち りゅうた)館長が管理・展示をなさっています

※ブログ冒頭の画像が、薮内竜太館長です。

 

主催のNPO法人山梨子ども図書館は、子どもの本の専門家育成をめざした学習会を中心に、子どもたちにすぐれた本を手渡す活動を続けている団体です。

今回の記念事業は、9月に逝去された齊藤順子前理事長の希望でもあったそうです。

 

―子どもたちが子ども時代に、よい本とよい出会いをするー

「生きものへの愛情と尊敬、生命のぬくもりがあふれる薮内正幸さんのすばらしい絵本。『ほんもの』を追求した薮内さんの生き方を含めて、子どもたちに『ほんもの』の本のよさを伝えたいという、私たちの活動の主旨にぴったりだと思い、企画しました」宮崎さなゑ理事長

▲原画展会場のようす

 

講演会当日の会場で、館長の薮内竜太さんにお話を伺いました。

 

―今回の原画展の、みどころを教えてください。

地元でできるメリットを生かして、薮内正幸の代表作を身近に感じてもらえるように展示しました。

例えば、記念切手の原画になったアホウドリの絵も、構図を変えた下絵を含めて展示してあります。切手として目打ち(連続した穴)を切るなど、原画が完成するまでに薮内が工夫した過程も見ていただきたいです。

 

―展示されている原画の中で、エピソードなどがありましたら聞かせてください。

こちらの作品『チーターのロンボ』(1970年:現在は絶版)のシリーズは、実はおととし、版元のポプラ社で発見されたばかりの原画です。50年近くも前とは思えないような、すごく良い状態で発見されました(冒頭の写真参照)。

これらの作品は、まだ海外旅行が珍しかった頃の1967年に、いきなりアフリカ訪問をして、1969年に描き上げています。色彩が明るく、背景も描きこむなど、薮内本人が心から楽しんでいるような感動と意欲が伝わってくる作品で、まさに代表作のシリーズといえます。

―来場される方々に、ひとことメッセージをお願いします。

子どもたちには、自分の「好き」なことを見つけてほしいと思います。頑張れることに時間を集約して、前向きに楽しく生きることは、生きていくうえでとても大切なことです。それには身近な人の理解も必要なので、親御さんには子どもの可能性を伸ばしてあげてほしいと思います。また学校図書館や司書の先生も、子どもの「好き」を後押ししてくれる存在ではないでしょうか。時には、勉強の成績に関係ない「逃げ場」として、子どもの「好き」なものを見つけたり、見守ったりしてくれればと思います。

▲幅広い年齢層に親しまれて

▲薮内正幸氏の関連図書(ほか多数)

 

「好きこそものの上手なれ -動物画家 薮内正幸の世界―」 薮内竜太館長 講演会

日時:12月22日(日)13:30~15:30

会場:山梨県立図書館 イベントスペース(東側)

 

講演会は、約70名の参加者がありました。

独学で学び続けて動物画家になった薮内正幸さんの生き方や作品についてふれながら、館長の薮内竜太さんは「好き」な気持ちの大切さを語りました。

 

薮内竜太さんは、

「いまはスマートフォンでたくさんの情報が簡単に得られる時代ですが、薮内の作品は、自分の好きなことには手間と時間をじっくりかけることの大切さを改めて教えてくれる」と講演会をしめくくられました。 

 

―薮内竜太さん、取材へのご協力ありがとうございました―

 

 

~本と歩こう⑦~ 今回は「ガンバの冒険 三部作」をご紹介します。

(※書影は出版社の許諾を得ています)

 

①『冒険者たち ガンバと十五ひきの仲間』 斎藤惇夫/著 薮内正幸/絵 岩波書店 1982年(左)

②『グリックの冒険』 斎藤惇夫/著 薮内正幸/絵 岩波書店 1982年 (中)

③『ガンバとカワウソの冒険』 斎藤惇夫/著 薮内正幸/絵 岩波書店 1982年(右)

 

ドブネズミのガンバと仲間たちの冒険を描いたシリーズです。岩波少年文庫版もあります。

余談ですが、の初版は、牧書店(アリス館)からの発行で、それぞれ違う構図の表紙になっています。機会がありましたら、見比べてみてください。

 

八丈島をモデルにした島で、イタチとの死闘を描いた①。

ガンバたちとクマネズミとの戦いにまきこまれたシマリスのグリックの冒険を描いた②。

四国を舞台に、野犬に追われながらもカワウソの姉弟を助けようとするガンバたちの活躍を描いた③。

斎藤惇夫さんの作品世界を実像化したような薮内正幸さんのすばらし挿絵が楽しめる、読みごたえのある冒険小説です。ネズミ年の今年のテーマ本にいかがでしょうか?

 

薮内正幸作品や薮内竜太館長へのお問合せはこちらへ↓ 

薮内正幸美術館ホームページ  ※3月20日(金)まで冬期休館です

https://yabuuchi-art.jp/

 

木立の中のすてきな美術館です。春休みになる頃、お出かけください。

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

寒い時期、身体に気を付けてお過ごしください。


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