ヘボのアルバム (続編)

四季折々の戯言を・・・
そこから何が読めて来るか?

     『 凄い凄い、Skeleton ウォッチ!!! 』

2021-12-18 10:49:47 | 日記

               

 

もう半月ほど前になると思うが、このブログで『ツールビヨン』の話題を投げ掛けた・・・ 思い起こせばヘッポコ大学を卒業時就職先を何処にするか?で悩んだことがあった・・・当時就職を担当されていた谷口教授に第二精工舎を勧められた。精工舎は知っていたが第二精工舎は全く知らなかった。 第二と付くだけで何となく二流の感も抱いた? しかし、よくよく調べて見ると今日では兄貴会社:精工舎より弟分の第二精工舎の方が時流に乗り勢いがあり精密業界ではカメラと並び日本の産業を支える程の勢いがあり精密業界の先端を走っていた。この時代、カメラはまだまだでドイツ等に水を開けられていた!

自動車はまだまだヨチヨチ歩きの業界でトヨタのコロナ等はアメリカ上陸で事故の連発、苦戦を強いられ毎日のように現地事故が報じられていた・・・三菱重工や新三菱等にも興味があったが神戸の造船場を見学した際工場であるドックを見学し大きな騒音に吃驚仰天こんな工場で働くとなると耐えられなくなり脳裏がパンクするだろう?とご遠慮する事にした・・・ 結局、生涯共にできるであろう?「腕時計」を選び先生が薦めてくれた第二精工舎を選ぶこととなった。

第二精工舎に入社して諏訪工場に配属。地元、家から通える環境にあった。長男という事もあり母親が喜んだことは言うまでもない。

幸運にも腕時計技術部門、組立技術に配属され最先端の技術開発を担う宿命に晒された・・・この時代、まだまだ、中三針の腕時計が生まれたばかりでそこそこ分厚く精度も日差1~2分を争う程度の代物だった。この時代の技術革新には驚くべきモノがあり、毎年、新製品の連発、精度を含め技術の向上には驚くべきものがあった。入社して直ぐ様超薄型の自動巻き腕時計が開発販売され技術革新の火蓋を切った・・・ 大卒者等の等時性研究の貢献で精度も飛躍的に向上し老い耄れ爺達技術陣は日差2~3秒の『Lord Marbel』の工場脇に陣取りこうした時計の流れ作業樹立に懸命だった… こうした時計が日に20~30個も流れ作業で量産されていたから迫力があった!!! この時代の専らの力点はヒゲゼンマイテンプの研究開発に集約され専ら調速系の研究にあった。 テンプのアンバランスを見付け出し重い部分を削り取る!!!、ヒゲゼンマイの温度係数:lot毎のバラツキの解明、そして老い耄れ爺が確立させた巻き込み角寄与率の発見等々で精度は飛躍的に向上した!!!

この時点で学んだ機構に「ツールビヨン」があった。丁度今から60年前の雑誌:『時計学』からの情報であった!!!!!!! 脱進機、調速系:テンプやヒゲゼンマイ周りからの精度向上には限界が見出され始めていた時代だったのでツールビヨン機構には一端の興味があった。我社の開発陣はこの時既に水晶時計:クォーツの開発に着手し出していた・・・

「ツールビヨン」の基本的発想は腕時計で一番時間に影響されるという脱進機~調速系を一つのユニットと考え重力に影響され難いユニットにまとめこれを時計に組み込むという発案でスイスでは18世紀に発明され懐中時計に取り入れられていた・・・この機構が精度に如何程の影響を齎していたかは知る由も無かったがで見ると面白いのでスケルトン(skeeleton)にすると迫力満点だった! これが時間精度に如何程貢献していたかは定かではないが発想としては面白いし、チョッカイを出したくなる分野だった。

老い耄れ爺はこうした時計に非情に興味があり当時ゆ仲間の大木さんが発明したクロノグラフのまとめを最後に社命で時計部門から去り小型プリンター事業に転身する事になってしまい道半ばにして時計い部門を離れる事になる・・・ 悔み切れない社命だった。半世紀経った今日でも度々思い出し再度挑戦したい気持ちが沸々と湧き出して来ることがある・・・

 

人生終焉を綴る自分史:『轍』(早くも15年前に前篇を、そして今年続編を仕上げた)製作時、自分のお宝腕時計を改めて見る機会ががあった。その中に60年前の Omega  クロノメーター( V.I. St.Croix で購入したもの)、Bulova アキュトロン(NY で購入)、SEIKO  Lassal  等等と婆の遺品:女持ちLassalが何個も出てきた・・・  今、この修復をしつつあるが皆懐かしいお宝時計だ。

そして思い出した、その後、あの「ツールビヨン」は如何様に進化しているのだろう? ネットで調べた・・・ 電池式の水晶時計は完璧に影を潜めてしまい機械式の高級時計が全盛を極めている。中でも『 ツールビヨン 』の競争には目を見張るものがある・・・ 何百万円~何億円の宝飾時計へと化けて居た!!! 老い耄れ爺、振り返って見れば元々は時計屋だ!!! 興味が湧かない訳もない? 毎日のように You tubeを見入っている。。。 もっと若かったら再度挑戦して見たい分野だ!!!が、もう時間がない!!!  安く買える『 ツールビヨン 』は無いか血ナマコになって見入るがそんなモノある訳もない!!! 安くて香港製が40万円前後。。。 こうした中にOrient 時計  Skeleton  を発見した。オリエント 70周年を記念したモデルで中中イケル代物だ!!造りはスイス製高級品スケルトンをも上回るもので本物「ツールビヨン」では無いが代替品として十分に通用しそう!!!   これにチョッカイを出して見たくなった・・・

毎晩、覗き込んでいるが惚れ惚れしている!!

昨今、 Orient 時計は Seiko EPSON と合体した・・・ 思想はOriennt !!!、ここにEPSON の新技術の数々を注入させ中中の商品造りをしつつある・・・ 70周年記念のSkeletonシリコン・ガンギ車を使い青色に輝かせ耐久性向上も狙った!!! 今後、シリコン部品はヒゲゼンマイ等各所に使われることになるだろう!!!画期的に面白い材料である。

この軽量シリコンガンギ車を使う事によりゼンマイの力を低く抑えられ持続時間が50時間から70時間へと飛躍的に伸した!!! 造りもダイヤカットをフンダンに摂り入れ作り映えは最高レベルにある!!! 

知り合いの親しい時計屋さんから聞いた話だが、このスケルトンは一種の『 ツールビヨン 』一番シンプル・タイプだという・‥ この Skeleton  造りに掛けては 『バセロン』『パティック』『オーディマピゲ』『ローレックス』等々一流スイス時計にも負けないクォーリティーを秘めた中々の掘り出しものだった!!!

 

購入の経緯は10年前婆やんが「くも膜下出血」で倒れ大手術後リハビリを受けていた・・・まだ、手術後5日も経っていなかったが、リハビリの先生に爺を指差し「この人は時計の技師なんだよ~~~ この時計もこの人達が造り出したんだヨン!」と話していた・・・ こんな危機的状態でもチャンと覚えていたんだ!!!」と、少々ウルウルしたことがあった。婆やんが亡くなり仏壇に線香を揚げる度思い出す・・・ 現役晩年、Orientの救済支援にも担当役員と携わって製造拠点秋田へもよく出掛けた。Orientとは何か縁メイタものがありよく此処まで立ち上がってくれた!!!と内心感激した。こんな縁と繋がりもあり 『 Small ツールビヨン 』としてコレクションに仲間入りして貰う事になった・・・ 

そして、そして、婆やんも時計が非常に好きだった!!! 婆やんの複数、遺品時計「LassaL ] は孫娘達が、今、嵌めてくれている・・・

 

 

 

コメント (2)
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