1月29日の最終は京都の名料亭「菊乃井」さんへ。
この度は京都料理芽生会の主催「"本物の京都に触れよう"京の食文化体験プロジェクト〜KYOTO 365〜」で京都の名料亭「菊乃井」へお邪魔しました。
京都料理芽生会は京都の料亭に生まれた若旦那の集まりで
① 日本料理の発展並びに伝統と格式ある京都の食文化の振興に寄与する。
② 会員相互の研鑽と親睦をはかる。
を主旨にした団体で、今回は京都を代表する料亭を会場にご主人からの座学の勉強会があり、その後に料理を頂く会です。
席に着くとお抹茶と菓子が振る舞われます。
会場は2階の大広間で、大正年間の建物ですが、部屋の設えや調度品には長い間に培われたある種の"品格"を感じます。
違棚に置かれた蒔絵硯箱は尾形光琳の作品だそうです。
博物館の学芸員からは"ここに裸の状態で置く物ではない"と何度も言われているそうです。
約1時間、菊乃井ご主人の村田吉弘さんから「日本料理の本質」について講義がありました。
ご主人の講座の内容は、「日本人の食の基本は恵まれた"水"と弥生時代以来の農耕生活で収穫される"米"にある。」
"水"と"米"から麹が出来、そこから"酒"や"醤油"、"味噌"の発酵食品が出来ます。
これからの発酵食品は欧米には無い食品で永らく日本人の健康と長寿を支えて来ました。
しかし、戦後の食事の欧米化で発酵食品を食する機会が減り、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病が増加する社会になってしまっています。
ご主人は"食育"にも熱心で、小学校の給食の主食をパン給食から米飯給食へと変えるように行政に訴えられ、多くの実績を残されています。
また、日本料理アカデミーの活動を通して日本料理発展の活動にも熱心に取り組まれています。
約1時間の講義をお聴きし、改めて"和食"の素晴らしさを思いました。
次に「菊乃井」さんの会席料理です。
最初の八寸から"早春"を感じる内容です。
鮪のお刺身には辛子が添えられ、菊乃井オリジナルの黄身醤油をたっぷりと絡ませて頂きます。
今までに味わった事の無い鮪の美味しさを味わいました。
器は織部焼風、、、緑釉と姿かたちが美しい器です。
蓋物の百合根饅頭には鶉丸をミンチ状にし、フォアグラとを百合根饅頭の具材にしたものです。
日本の食材だけでは無く、料理に合い、しかも日本人が美味しいと感じるものはヨーロッパの食材でも積極的に使われています。
酢物は三宝柑をくり抜いた白子蒸しです。
冬を代表する食材の鱈の白子を使った茶碗蒸しで出汁の旨みとの相性がいいです。
強肴は、すっぽん、ふかひれが入った七宝蒸しです。
温かい料理に入れると身体を温める効果のある生姜も入り、全ての食材が計算された非常に美味しい一品でした。
最後の御飯は穴子の蒸し寿司です。
底冷えのする京都では、お寿司屋さんのメニューに"蒸し寿司"が加わります。
穴子がたっぷりと入り贅沢な蒸し寿司です。
一緒に出される汁物は金時人参のすり流しです。
「菊乃井」さんでは味噌汁は出されないので最後の止椀も楽しみのひとつです。
最後の水物のメインはカカオ餅です。
カカオの香り、濃さが強く"カカオ70%のチョコレート"を頂いているようでした。
ご主人の講義と美しく盛り付けられ、最高に美味しい料理の数々を堪能させて頂きました。
同じ場にいながら、この吸収力・理解力の差に
ブログを拝読(写真も拝観)し、驚いています
知り合いに感想を聞かれても、もごもごするばかりでしたので、このブログを読んでもらおうーっと思います
ご許可いただけますか?ふふ
なんの規制も無いですので「菊乃井」さんの素晴らしさを広めて頂けたら嬉しいです。